おいしくるメロンパン

epilogue – おいしくるメロンパン

空と涙 溶け合って
流れ出したスプーンストロー
どうか巧くまやかして
君の笑う白昼夢まで

まだ汚し足りないのさ
見て水色の血が綺麗

どんな嘘も嬉しいんだ
馬鹿だ
透けた指に触れたくて
夏だ

まだ汚れ足りないのさ
ほら溺れるほどの愛で

遠くでこだまするチャイムの音
掌すり抜けて落ちた水風船

ごめんね
気づいてしまったんだ
これでもう終わり。

まだ暑い日は続くから
夏が君を腐らせる前に
最後の夢を見せて

忘れないでね、

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水仙 – おいしくるメロンパン

晴れた腹いせに僕が涙を流すよアラームが止まるまでは起きたくない僕が思うほどぼくは気の毒じゃないよな気づけば選ぶ全て一人ぼっちだ雪の積もる道を歩いて靴がぬれて帰り

憧景 – おいしくるメロンパン

浮かんでは消えるシャボン玉のようこの窓を放てば届きそうなくらい近くに見えたのに青息吐息混じる初夏の夕暮れ逆さに落ちる鳥の姿を見た願えば叶うなんてさあの日の空に帰

candle tower – おいしくるメロンパン

口を開けて見上げた出口鱗粉を吸い込んで噎せるまるで夜の標本みたいな朝山羊の群れの連なりの中不安そうに笑って伏し目雲の歯型 凹凸を縫ってく風の吹く海岸沿い霞立つ展

走馬灯 – おいしくるメロンパン

洗剤の匂いがする晴天も見飽きた頃風船のわれる音でウミネコが飛ぶ炎天下いななく熱校庭は水玉模様心臓の潰れる音で水色吹き散った透けた指じゃあなたの頬を伝う涙拭えない

亡き王女のための水域 – おいしくるメロンパン

波打ち際 闇に浮かべた花束蹲み込んで裾を濡らす黒いワンピース見果てぬ空を青さ恋しくあなたが唯一残した世界逸れぬように握りしめても解けた掌から溢れる砂粒海のように

架空船 – おいしくるメロンパン

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獣 – おいしくるメロンパン

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斜陽 – おいしくるメロンパン

焦燥をなだめてゆく冷たい風 額を吹いて吸い込んだ冬の気配空っぽに満たされた肺夕景の消し飛ぶ速度で焼きついたハレーション本当はここにはもう何もないって分かってるん

灰羽 – おいしくるメロンパン

書斎を埋め尽くした物語僕は読み耽た 埃まみれ蛍光灯の制御する夜にフィラメントは溶けた溢れ出す光粒子 廻る鍵穴開け放てば逆さまの空へ落ちてゆくブーツ嗚呼 背負わさ

トロイメライ – おいしくるメロンパン

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蒲公英 – おいしくるメロンパン

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Utopia – おいしくるメロンパン

嗚呼 遥かなハリボテの空永久凍士 ここはユートピアハイファイな海に飛ばす紙飛行機正確な角度で焼却炉へ新作の季節はフィルムショーのポスター肝心なシーンは切り取られ

水びたしの国 – おいしくるメロンパン

干ばつの春が続いてブリキバケツの中 猫が鳴く揺れるアカシアの合奏雨雲の薫りに胸は躍る涸れた太陽に潤す涙それはあなたの内なる海砂漠は一夜限り 泥の女王国に泥濘んだ

caramel city – おいしくるメロンパン

机に並べた直方体綺麗に積み上げたこの街が平らになる頃羊を放って寝るんだできるだけ時間をかけてこの街を壊したかった寝るのにはまだ早いでしょうさぎが言った気がした一

砂と少女 – おいしくるメロンパン

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シュガーサーフ – おいしくるメロンパン

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