おいしいはなし

草原 – おいしいはなし

草原を駆けてく 風を追いかけて
そこから飛び去った 夢だけ求めたまま
無くしたものは 置き去りにするの
いつか春になったら 何処かへ飛び立つのでしょう

雪解け間近の 春の匂いに誘われ
雪男たちは
狩人に撃たれて 赤い血をそこに宿す
その毛皮を残し

明日になったら 雪も溶けるだろう
草が覆うときまでは このまま埋もれておくの

やがて土の中で 生まれたものは
毛皮も蘇るの
狩人たちにやられても

草原を駆けてく 風を追いかけて
そこから飛び去った 夢だけ求めたまま
無くした僕の 白い手袋は
いつか春になったら 何処かへ飛び立つのでしょう

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