夢にはぐれて 流されながら上野 日暮里 北千住ふる里便り 握りしめ酔ってつぶれる 奴がいるどうにかなるさ 何とかなるさああ 誰が歌うか 東京演歌恋の未練が うわさを拾う小岩 亀戸 錦糸町ネオンの色に 染まるなと故郷(くに)へ帰した うぶな娘(やつ)幸せだろか 忘れたろうかああ 誰が歌うか 東京演歌洒落にならない 身の上話王子 赤羽 池袋世渡り下手(べた)の 笑いじわガードくぐれば 月あかりどうにか
街から駅へ 運河を渡りあの日ふたりは ゴンドラまかせため息橋で くちづけ交わし愛を誓った 仲なのに真っ赤なバラが 好きだと言ったそんなあいつを 誰か 誰か 知らないかふたつの影が 重なり合って月と一緒に 水面で揺れた異国の街の 匂いが沁みるあれは運河(かわ)沿い カフェテラス真っ赤なバラが 好きだと言ったそんなあいつを 誰か 誰か 知らないか名前はたしか “さちこ”と言って笑うしぐさは 子供のよう
君を訪ねて 降り立つ駅は線路も途切れた 海の町古い小さな 酒場にいると噂ひろって 汽車の旅…何処にいるのさ 下北の女(ひと)波も凍てつく 大湊(おおみなと)抱いてあげたい この手のなかに面影浮かべる 旅の空俺の勝手で 別れたけれど泣いていないか 細い肩…何処にいるのさ 下北の女(ひと)君に逢いたい 脇野沢(わきのさわ)明日(あす)へ乗り継ぐ 列車もなくて瞼を閉じれば 風ばかりもしも逢えたら 苦労も
待っていますと 泣きながらあの娘(こ)は小さく 手を振ったどこか淋しい…どこか淋しい 紺屋町(こうやまち)いつか一緒に なる夢も散って儚い 夜の風嘘と真実(まこと)の すれ違い男と女の かけ橋はどこかせつない…どこかせつない 紺屋町(こうやまち)きっと幸せ あげるよと抱けば濡らした 白い頬なにがあっても 笑い顔あの娘(こ)は絶やしは しなかったどこか悲しい…どこか悲しい 紺屋町(こうやまち)めぐり逢えたら 今度こそ離すものかよ 離さない
浮世嵐に 今日もまた押し流されて 西東 西東あぁ 遣ってられない呑まずにいられない酔って愚痴れば まぁまぁとなだめてくれる 心酒好きな女にゃ 無視されて嫌いな女(やつ)に 言い寄られ 言い寄られあぁ 遣ってられない呑まずにいられないそんなもんだよ まぁまぁとなだめてくれる 支え酒みんな千切れて どこ行った胸踊らせた 夢たちよ 夢たちよあぁ 遣ってられない呑まずにいられない酔って落ち込みゃ まぁまぁとなだめてくれる 力酒
回り道だと 誰かが嘲笑(わら)う勝って泣いてる 人もいるいつも何かに 振りまわされてちょいと気づけば 人生なかばそうさこの世は 泣き笑い明日(あした)は明日(あした)の 風が吹く今日に乾杯! 明日(あした)に乾杯!夜のあとには 朝が来る雨の一滴(しずく)を 辿って行けばやがて輝く 海に出る前も後ろも 見えない時にゃ右か左か どっちもあるさ道は一本 だけじゃない明日(あした)は明日(あした)の 風が
雨のしずくが 窓辺をつたう君の涙か 伊豆しぐれあぁ 決めていたのか 最後の夜といいの ひとりで 生きると言った…あの日別離(わか)れた 月草の宿雨に打たれて 小さく揺れてすすり泣くよな つゆ草よあぁ あれは女の つよがりなのかいいの ひとりで 生きると言った…嘘が哀しい 月草の宿雨に煙った 天城の里に君のおもかげ 探す旅あぁ 待って欲しいと そのひと言にいいの ひとりで 生きると言った…俺を泣かせ
波止場でひろった 女の子死にたいなんて 言っていたアケミという名で十八でおれと暮した 三日目にもとの男へ 行っちゃった蹴とばせ 波止場のドラムカンやけで唄った 浪花節ああ さびしいぜごめんなさいって 走り書き女の匂いが 残るだけ一間のオンボロアパートをどんなつもりか 知らないが花を飾って 消えちゃった蹴とばせ 波止場のドラムカンやけで唄った 浪花節ああ さびしいぜ夜霧の波止場にゃ 影もない遠くで霧
白い夜霧の あかりに濡れて別れせつない プラットホームベルが鳴る ベルが鳴るさらばと告げて 手を振る君は赤いランプの 終列車涙かくして ほほえみ合(お)うて窓に残した 心の温(ぬく)みあの人は あの人は何日(いつ)また逢える 旅路の人か赤いランプの 終列車遠い汽笛に うすれる影に一人佇(たたず)む プラットホームさようなら さようなら瞼の奥に 哀しく消える赤いランプの 終列車
八幡(はちまん)神社の 祭りの音がひとりの部屋に 聞こえてきますふるさと おふくろさん離れて知った あたたかさ目いっぱい がんばってひと花咲かせたらそれをみやげに 帰ります都会のくらしに ようやく慣れたけれども寂しい 夕暮れ刻(どき)は妹 おまえだけたよりにしてる ごめんよな目いっぱい がんばって錦を飾る日が来ると信じて 待ってくれいくつになっても 故郷(ふるさと)だけは心の中に 住みついてます時
今日があるから 明日がある明日がなければ 今日はない雨で涙を 隠すのさ風は木枯らし 耐えるのさ人生酒場は 悲しみ集め男酒 女酒 そして二人酒夜があるから 朝がある朝がなければ 夜はない上手くいっても 驕(おご)らない駄目であっても 腐らない人生酒場で この世は回る男酒 女酒 そして二人酒夢があるから 愛がある愛がなければ 夢はない別れ涙の その先にうれし涙が あるんだね人生酒場は 幸せさがし男酒
水清き 岸辺に立ちてこの胸の想いを 想いを告げた遠い思い出 せせらぐ柿田川あの女(ひと)の 名前呼べど還(かえ)らない 淡き初恋カワセミが 浅瀬で遊び夏の日は蛍を 蛍を追った光るさざ波 寄せくる柿田川あの友と 熱く語り夜明けまで 酒を酌(く)みたい富士の峰 振りむき見れば夕映えが茜に 茜に染めるこころやさしく 迎える柿田川故郷(ふるさと)に 今も誓う夢叶(かな)え いつか帰ると
生まれて初めて 恋をして世間と云う字が 見えなくなった居ても立っても 走ってもあの娘で一杯 胸ん中 胸ん中吐息がとんで 涙がとんでそうさ青春の 風はこだまする勝っても負けても 友は友忘れちゃならない やさしさだけはケンカしたって その後に絆が出来れば それでいい それでいいあいつも仲間 こいつも仲間そうさ青春の 歌はこだまする迷いの空から 手をふれば遠くであの娘と 幸せが呼ぶ何度つまずき ころんで
あなたが世に出る その日までわたしは支える 見届ける夢は生きがい こころの化粧生まれついての おんなの星よ尽(つ)くせるだけ 尽(つ)くして与(あた)えるだけ 与(あた)えて…それが女の道なのよわき目もふらずに 愛だけを頼って信じて ひとすじにどこの誰にも ない優しさが添えぬ人でも あなたの値うち尽(つ)くせるだけ 尽(つ)くして与(あた)えるだけ 与(あた)えて…それが女の道なのよあなたが輝き
ちょっと浮気で 調子がよくてそんな噂は 聞いたけど好きになったら すべてを許しおなじ過ち 繰りかえすお酒よ今夜は 付き合ってやさしく私を なぐさめてせめてグラスの 角氷涙に溶けて しまうまで…あんな男と 強がり言えばよけいみじめに なるばかりひとり携帯電話(でんわ)の アドレス消せば未練こぼれて また泣けるお酒よ今夜は 酔わせてよいけない私を 叱ってよそうよこころの 傷ならばいつかはきっと 忘れる
汽笛がひと声 泣きながら鉄橋わたれば ふるさとの秋捨てる時より 戻る日がどんなに辛いか 男には 男には希みも夢も 誓いも意地もいつか色褪せて 走る風の中見送る言葉も 言えなくておさげとコスモス ゆれてたあの日車窓の向こうに 見る山のふもとは静かに たそがれて たそがれて萱ぶき屋根も 田んぼの道も遠い思い出に
「オーイ」惚れたよ惚れたよ あの娘(こ)に惚れた恋の痛みは 昨日(きのう)まで他人事(たにんごと)だと 思ってた寝ては夢 起きては現(うつつ)か幻(まぼろし)か面影うかぶ 夕暮れは切(せつ)なく燃える あかね雲咲いたよ咲いたよ こころに咲いた花にたとえりゃ 赤いバラあの娘(こ)思えば ほんのりと立てば百合 坐れば牡丹(ぼたん)か芍薬(しゃくやく)か日毎(ひごと)につのる この胸はこがれて燃える あ
雪が別れを 惜しむのか寄り添う肩に 降り積もる燃えて 燃えて 雪花 角館待ってます 待ってます 待ってます白い夜汽車に 消えゆくあなたついて行けない 悲しさがなみだを誘う 武家屋敷燃えて 燃えて 雪花 角館待ってます 待ってます 待ってます川のせせらぎ 面影ゆれる桜の花びら 舞う頃はあなたのそばで くらしたい燃えて 燃えて 雪花 角館待ってます 待ってます 待ってます紅く咲かせて 女の春を
母になれても 妻にはなれず小さな僕を 抱きしめて明日におびえる 細い腕円山 花町 母さんの涙がしみた 日陰町母の姿を 島田で隠し病気の僕を 家におき作り笑顔で 夜に咲く円山 花町 母さんの苦労がしみた 日陰町母と言う名の 喜びさがし静かに僕を 見る目には縋り付くよな 夢がある円山 花町 母さんの願いがしみた 日陰町
頬をよせあった あなたのにおいが私の一番 好きなにおいよ目をとじて いつまでも踊っていたい 恋に酔う心泣きたくなるほど あなたが好きよもしもあなたから 別れの言葉を言われたとしたら 生きてゆけないあなたしか 愛せない女にいつか なってしまったの泣きたくなるほど あなたが好きよ夜よお願いよ さようなら言わせる朝など呼ばずに じっとしていて目をとじて 幸せをいついつまでも 恋に酔う心泣きたくなるほど
真っ直ぐ帰れば 帰れるものを足が横丁に 向かってる常連気取りで 今夜もひとりいつもの調子で 飲んでます切ないね 空しいねあぁ 淋しいね 女の止まり木は今夜もお店で 流れる歌は泣かせなみだの 演歌ですあのひと今頃 知らない街の知らない女と 一緒でしょ切ないね 空しいねあぁ 淋しいね 女の止まり木は気楽でいいわよ 独りのほうが二度と恋など したくない夜風を相手の この強がりもいつまで通用 するでしょか
山に山霧 川知らず川に川霧 山知らず結ぶえにしの ないままに思い通わす 旅の空ひとり流れる 落ち葉舟岸の尾花の 手招きを受けて交わした 恋もある今はあの娘(こ)も しあわせとうわさ淀(よど)みの 水すましさだめ哀しい 落ち葉舟いちど枝から 離れたら戻りたくても 戻れない流れ流れて まだ未練意地が涙を 通せんぼ明日(あす)を夢見る 落ち葉舟
あなた訪ねる 恋路の川は見えぬ瀬もある 淵もある湯の香せつない 高瀬舟かがむ千鳥を 乗せてゆくあゝ 湯原 湯の街 旭川行くも帰るも あと引く道に明日の見えない 霧が立つ頼りなさげな のれん風なんで私を 迷わせるあゝ 神庭(かんば) 滝雨(たきさめ) 旭川耐えて忍んだ 上弦の月手籠ホタルが 身を焦がす影を隠して 月見櫓(ろう)どうせ散るなら ふたり連れあゝ 夢二 瀬戸内 旭川
肩を寄せても おんなの傘じゃ隠し切れない ふたりの恋よ愛して尽くして 悔いない命ほろほろほろと 湯けむりの夜にこぼれる なみだ雨忍ぶ旅路の 瀬音を聞いて寒くないかと 気づかうあなた明日(あした)と呼べない 夜明けが憎いほろほろほろと その胸でせめて泣かせて なみだ雨朝の始発に あなたを乗せて次の汽車待つ 別れの駅よ思い出ひと色 心を濡らすほろほろほろと 残り香に紅も哀しい なみだ雨
残雪の きらめく峰を仰ぐのは幾年(いくとせ) 幾年(いくとせ)ぶりか流れ変わらぬ あの日の最上川故郷(ふるさと)の 窓火(あかり)みれば訳もなく 涙あふれる城下町 大志(のぞみ)を抱いた若き日の想い出 想い出いくつ白い浮雲 浮かべた最上川今もなお 胸を揺らす初恋の 君は何処(いずこ)に父母(ちちはは)の やさしき笑顔声もなく頷(うなず)く 頷(うなず)くばかり遠く虫の音(ね) 聴こえる最上川この生
岬は今日も 海鳴りがさわいで風花 はこぶだろう心にもなく 浜昼顔に想いよせては ひとり泣く津軽じょんがら流れ唄海峡はるか 越えてゆく船さえ哀しく めをよぎる生木さくよに 別れて来たが過去しのべば 今さらに津軽じょんがら流れ唄凍てつく海は 今もなお冷めたい風雪 はこんでは時の流れに むち打ち生きて愛の涙を ちらすのか津軽じょんがら流れ唄
ちってくだけた 夢なんか捨てて来たんだ あのまちへ連れて…連れて行ってと すがったひとの涙がここまで 後追うようなにわかひと雨 旅しぐれかくれ咲いてる 野の花にしのぶ面影 細おもて山の…山の向こうは つかのま晴れてむらさき茜の 空行く雁に降るな濡らすな 旅しぐれ意地があるんだ 男なら春をこの手に つかむまで今も…今も帰りを 待ってるひとの幸せ祈って 峠に立てばまたも来そうな 旅しぐれ
恋人にふられたのよくある話じゃないか世の中かわって いるんだよ人の心も かわるのさ淋しいならこの僕がつきあってあげてもいいよ涙なんかを みせるなよ恋はおしゃれな ゲームだよベッドで泣いてると涙が耳に入るよむかしを忘れて しまうには素敵な恋を することさスマートに恋をして気ままに暮して行けよ悪い女と云われてもそれでいいのさ 恋なんて男と女がため息ついているよ夜が終れば さよならのはかない恋の くりか
袋小路(ふくろこうじ)の 紅(あか)い灯(ひ)が風にこぼれる 水たまり泣いちゃいないか あいつもひとり羽根を痛めた 夢とんぼ故郷(ふるさと)は 故郷(ふるさと)は母の姿…心に見えるよ辛(つら)い時には 思い出せ昔遊んだ 山や川にぎり拳(こぶし)で カツ入れながら行くが人生 この俺の故郷は 故郷は母の姿…心に灯(とも)るよ夜にはじけて また一つ消えた希(のぞ)みの シャボン玉嘘に傷つき 足踏みしても
さがしてもこの世のどこを たずねてみてももう居ない あんないい娘(こ)は 二人といない別れた時から 男はいつもわがまま過ぎた 過去を追いかけるごめんよ ごめんよナ胸の中お酒が回す 舞灯籠(まいとうろう)のあれも夢 これもまた夢 儚(はかな)い虹よ口紅色した 野あざみ咲いて思い出づたい 春を告げる町ごめんよ ごめんよナこの手から離して遠い しあわせの糸今ごろは 誰と結んで 暮らすのだろか遅れたやさし