語るに落ちる – 須田景凪

これから あなたといつまで
顔を合わせていられるか
ぼんやり考えて野暮だと気付く

代わりにあなたの心を少し分けてよ
聞こえないその言葉の奥のひとひらで良い

横並ぶ影を見ていた
黄昏が伸し掛かる様だ
目に映る全てを抱いて生きて行くんだろう

愛せなくても仕方ないから 下らない世界だから
大層な意味なんて見つけようとしなくていいから
ただ少しだけ 我儘でいい あなたがそう思えたら
幸福だ 皮肉だね でも願っているよ

それから あなたと多くの話をしたね
その度に弱さをまた知って優しくなる

息をする 目を瞑る 嫌な夢で目が覚める
一つだって覚えてはいない 曖昧な胸の痛みだけだ

朝の獣が鳴いている
微睡みを奪い去る様に
身に余る熱に嘆いて生きて行くんだろう

愛せなくても仕方ないから 下らない世界だから
精一杯生きるのが美徳なんて甚だしいよな
離さないでね 硝子越しでも 手を伸ばしてくれたなら
その時はどんな顔で何を話そう

今更 遅いかな そうだよな
あなたはあなたを演じていた
もどかしいなんて言葉では表せない

深い夜 為す術も無い だから
あなたはあなたを殺していた
咲く心すら隠しては生きていた

愛せなくても仕方ないから 下らない世界だから
随分と考えた いつまでも遊んでいようぜ
ただ少しだけ 我儘でいい あなたがそう思えたら
幸福だ 皮肉だね でも願っているよ

これから あなたといつまで
顔を合わせていられるか
ぼんやり考えて野暮だと気付く