東京綺譚 – 谷村新司

溶けたアスファルトの路 陽炎ゆれる東京
風も吹かない午後の 交差点に立っていた

それは疑うことも知らないで
まっすぐに生きてた頃
父が被せてくれた麦ワラと
手には虫採り網

こんな夏至の都会に蝶が
いるわけもないのに
Yシャツの袖まくり上げて
僕は何故か走ってた
ネクタイを空に投げつけて
僕は何故か走ってた

世界のニュースにさえも 興味なさそな東京
ガラスの風鈴さえも 音を忘れる真夏日

それは疑うことも知らないで
まっすぐに生きてた頃
縁側で姉がつくる色水
遠いおしろい花

こんな夏至の都会に夢を
捨てにきたんじゃない
Yシャツの袖まくり上げて
僕は何故か走ってた
ネクタイを空に投げつけて
僕は何故か走ってた

溶けたアスファルトの路 陽炎ゆれる東京
幻を見ているよな 静かな夏至の東京

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