神隠し – 茶太

軋む音が聞こえる暗がり
誰かがそっと
呼んだような気がした

目を凝らしたら幽かに
揺らいだ影が僕らを誘った

先が見えないほどに暗く長い
廊下には幾つものドアが並ぶ
どこから来たかわからずに
出口を探してる

息を殺し手探りのままで
歩いてゆく

軽いノリで誰かが言ったの
…廃墟で
肝試ししようと

お化けなんか居ないよと
笑ってた子が最初に泣きだした

つなぐ手のひらが汗でにじむ
叫びだしたい
気持ちを抑えこむ

軋んだ廊下の隅に
白い何かが時々落ちてた

ドアを開ける度に期待しては
濃い闇に閉ざされた世界を見る
どこへ向かうかわからない
不安を抱いたまま

震えながらこれは夢だよと
誰かが言う

捩れた輪の中
同じ場所を辿る

もうもう帰れないの?
誰かの呟き
闇に融けた