ぷつりと千切(ちぎ)れた 絆の糸の先からしたたる 女の涙過ぎ逝く人の 名前を呼べばこだまを消すよに 雪が降るあいたい あえない 翼も凍(こお)るひとり置き去り 冬燕(ふゆつばめ)ぽきりと手折(たお)った つららの刃(やいば)この胸刺したら 一緒に死ねた月日がたつほど 愛しさつのり指先伸ばせば 闇ばかりあいたい あえない はぐれた命泣いてさ迷う 冬燕(ふゆつばめ)喜び悲しみ ひとつに束(たば)ね生き
旅で出逢った この恋なのに窓の首里城 涙で濡れる「きっと似合う」と くれた紅型寝息のあなた 顔見れば巻くに巻けない わかれ帯袖を通せば また未練「傍にいてくれ」 やすらぎ知ったそんなあなたが 私も命夜明け間近に 揺れる紅型帰りたくない 雪の町ふたつにこの身 裂いたなら忘れられるの? この愛を何も告げずに 障子を開けりゃ何処に行くのと この手を止める離れられない おんな紅型裾のつぼみも 開きます暮ら
若い希望も 恋もあるビルの街から 山の手へ紺の制服 身につけて私は東京の バスガール『発車 オーライ』明るく明るく 走るのよ昨日心に とめた方今日はきれいな 人つれて夢ははかなく 破れてもくじけちゃいけない バスガール『発車 オーライ』明るく明るく 走るのよ酔ったお客の 意地悪さいやな言葉で どなられてホロリ落した ひとしずくそれでも東京の バスガール『発車 オーライ』明るく明るく 走るのよ
声を殺して 小指を噛んで恋の恋のいたみを こらえて泣いた霧に抱かれた 山峡の風のほそ道 かくれ宿今日から あなたに命あずけます愛の区切りが つかないままに好きと好きとなんども 言わせるあなた窓の向こうの 渓川でわたしみたいに 泣く河鹿今日から あなたに命あずけます夢のしずくを いとしみながら肌の肌の火照りを しずめる湯舟あまい切ない 湯けむりに時雨ひととき
ひとつ浮雲 あかね雲梢を渡る 風の冷(つめ)たさあなたを訪ねて 山間(やまあい)の雪に埋(うも)れた 温泉(いでゆ)町あゝ湯けむりに愛の名残りか 面影か… 雪どけの宿ひとり湯舟で 湯上りの湯の香に残る 恋の移り香命もこころも あの人にみんな捧げた 雪の夜あゝ思い出が胸にこみあげ 泣けるのよ… 雪どけの宿けむる湯もやに まぼろしかあなたの姿 ひとり探すのふたりで歩いた 温(ぬく)もりが残る涙の 温泉
風が泣く 山が騒ぐ烈しい愛の 名残りのように誰にもあなたを 渡さないあゝ狂おしく 悩ましくあなたの体で 咲き匂う命のしずく 花びらの雨乱れ髪 指で直し鏡に映し 薄紅差すの滝音ながれる 山の宿あゝ蝉しぐれ 夢で聞きあなたとひと夜を 愛に泣く命のしずく 花びらの雨花の雨 あなただけにわかってほしい 女のなみだ別れる辛さは 死ぬことよあゝいつまでも 離れずにあなたの心の 奥で咲く命のしずく 花びらの雨
小雨まじりの つめたい風が縄ののれんに からみつくここはさい果て 海鳴り酒場嘘で固めた 愛なんて欲しくないわと 強がりを言って別れた あなたが あなたが憎い思い切れない 心の傷がなんで今更 痛むのよひとり淋しい 海鳴り酒場酔えば今夜も 未練虫胸で泣くのよ しくしくと逢えぬあなたに 想いを 想いを寄せて遠い沖から 聞こえてくるの嵐呼ぶよな 波の音忘れられない 海鳴り酒場たった一度の 恋なのに賭けたな
遠い昔は 連絡船が凍る 海峡 渡ってた女ひとりの 終着駅は北のさびれた 港町あなた寒い 髪の先までも 想い出が からみつきもしも海に この身投げたなら あ…鴎よいまは 過去という名の愛に ひとり はぐれて…長い手紙の
傘を持つ手に しずくがひとつ肩を濡らして またひとつしのび逢う夜の 雨の道ふたりの明日は ないはずなのにあなたについて 行けるなら雨のしずくのひと粒にあゝなりたいの遠くかすんで 墨絵のような町の灯りも 泣いている雨の淋しさ 抱きしめて別れる運命と諦めながら愛した胸の 傷あとに雨のしずくのひと粒があゝしみるのよ頬にこぼれる 涙の粒を指で拭えば いとしさが恋のしずくに 変るのよ小雨に打たれて さまよう
ひと雨ごとに 色彩(いろ)をます花はおんなの 未練でしょうかあゝ今も この胸に忘れられない いのち火が燃えるのよ帰りたい… 帰れない…紫陽花(あじさい)の宿素顔が好きと 抱きしめた心がわりが 今さら憎いあゝ白い 湯けむりに秘めたあの夜は うたかたの夢ですね恋しいの… 逢いたいの…紫陽花の宿蛇の目の傘に 肩寄せてふたり歩いた いで湯の橋よあゝあなた 想い出で終わりたくない ひとすじの純愛(こい)なの
たしかなひとをたしかな心で 愛しなさいと言われた母に 背くけど恋をしました おんなの恋を胸にひっそり 咲く花はもえて紅さす 白牡丹(しろぼたん)苦労をかくす一途なわたしが 見えたのでしょうそれでもつくす 悲しさが母の心配 いまさら解る罪と添寝を する花はもえて紅さす 白牡丹(しろぼたん)愛することが幸福ですから ひとりのまゝでわたしはいゝの 母のよにきょうは絣の 紬に着がえ好きなあなたを
あなたに逢えない 淋しさをひとりでまぎらす 想い酒好きよ好きです ひと夜の夢で終る恋でも 女の命賭けた眞ごころ 信じてほしい咲いて儚い… ゆきずりの花遊びじゃないよと 耳許であなたの吐息が 炎えました嫌よ嫌です 別れるなんて雨がふります 旅路の宿で泣いて縋った 男の胸に濡れて咲いてる… ゆきずりの花あなたの背中を 追いかけてこの身に冷たい
雨に濡れるよと 肩を抱き寄せるあなたのやさしさ こころに泌(し)みてゆく今日からは ひとりじゃないとそばで微笑(ほほえ)む その眸(め)が好きよ生きてゆきます あなたとふたりあゝなさけ雨酔った振りをして 広いその背中あなたの苗字(みょうじ)と 私の名前(な)を書くのあの日から 夢みていたわこんな形の 相合傘を二度とこの愛 離しはしないあゝなさけ雨まわり道をする 路地の水たまりあしたが揺れます おん
楠の枯葉が散りしきる中に今満開の 桜花 (さくらばな)思わずもらす溜め息に明日は雨だと告げる風が吹く薄紅 (うすくれない)のその中に白く咲いてる花もある命はかなや 桜花 (さくらばな)そっとよぎっていくよ見えぬ影吹き巻く風に舞ながら歩く小道に 楠の葉が人に踏まれて泣いている花はぱっと咲いて散っていく
何から何まで 捨ててもいいと云わせりゃ私の 罪になるあなたいいのね 私でいいの世話を焼くのも すがるのも咲いてひと彩(いろ) 花紬(はなつむぎ)注(そそ)いだお酒に 昔が映る春夏秋冬(はるなつあきふゆ) かけめぐるごめんなさいね しあわせなのに涙こぼしているなんて燃える心は 花紬憂き世の山坂 身をさす風も覚悟の上です 始めからそれでいいのよ 私はいいのそばにあなたがいるだけで命重ねて 花紬
遊びでお前に 惚れたりしない俺の命と 云うあなたなにも云わずに このままで抱いてて欲しいの 泣けるからそんなあなたの やさしさだけが女の幸せ 生甲斐なのよ夜更けの小雨に ふと目をさましこんな男で いいのかとじっと私の 目をみつめ淋しくないかと 手を握るそんなあなたの ぬくもりだけが女の幸せ 生甲斐なのよお前が生まれた ふる里祭り一度みたいと
こんなに惚れても さよならねあなたが涙に またゆれる別れても 別れても夢見て逢いたい 女でいたい失くしたくない おもいでひとつああ 抱いて泣いてる 女でいたいあなたと離れて これからの明日をどうして 生きてゆくだれよりも だれよりもこの胸寄せたい 女でいたい指でさわれぬ おもかげつれてああ いつも恋する
船が着くたび 港へ走る裾に舞い散る 月見草信じても… 便りないまま もう三月…ひとつ汽笛が 泣くたびに命 命が また痩せる…吉備路の女岬がくれの 潮待ち茶屋でといた黒髪 花の帯おもいでと… 呼んでみたけど まだ三月…酔って海鳴り 聞きながら命 命が
胸にほくろがある女は情けがふかいと 抱いたひとすがりたいのに すがれない涙めじりにためながら夜のとまり木爪を噛む風が噂をつれてくる追えば悲しい ぐちになるすがりたいのに すがれない二度とわたしを 呼ばないで酔ってあなたを 捨てる夜路地のあかりが 濡れるのは恋の涙かため息かすがりたいのに すがれないあなた想えば また泣ける頬につめたい俄雨
捜し続けた やすらぎを分けて呉れそう あの人はとんぼ とんぼ 幸せとんぼ女の 女の この指止まれ一度 この手に 止まったら二度と他所(よそ)へは 逃げないで追えば追うほど 逃げて行く男ごころは 影法師とんぼ とんぼ 幸せとんぼ私の 私の 心に止まれやっと掴んだ つもりでも指をかすめて 飛んでったいまはどこかで 新しい恋を追うとの 風便りとんぼ とんぼ 幸せとんぼ女の 女の この指止まれ恋の遊びに 
あんな ちいさな 連絡船が命あずけた恋を 恋を 恋を乗せてく 夕日の海へ呼んだって 止めたってこの手を離しちゃ もう遅い立つ風ばかりが女を泣かす… 伊良湖の岬霧にかくれて 抱きよせられて白い渚をふたり ふたり ふたり歩いた 恋路ヶ浜よ嘘でいい 罪でいい死ぬまで一緒に いたかった想い出ひとつに操をたてる… 伊良湖の岬坂を登れば はるかに見える鳥羽の港灯(あかり)も哭いて 哭いて 哭いているよな 菜の
舞い飛ぶ蛍 夏の夜の川のほとりの 舟の中夜明けも待てぬ うしみつの恋の道行き 重ねた手と手何があろうと 離れはしない固い絆の…恋結びあなたの側で 暮らせたら他に何にも いりません女の夢は ただひとつ恋に生きたい 貴方といたい想い一途に 胸の火焦がし燃えて身を焼く…恋焔(こいほむら)契りを解く 秋風の染みて黒髪 なお恋し眠れぬ夜の ひとり寝の恋のせつなさ 知ってるでしょかすすり泣くよに 鈴虫鳴いて月
雨に打たれて 誰かのもとへ消えたあなたを 憎めないばかよね ばかよね 未練が邪魔をする命ひとすじ 愛したひとなのに… 倖せ何処にもうすぐ春ですね 外は俄か雨涙こぼせば あなたが困る生きて添えない 恋だからばかよね ばかよね 背中にさよならを窓に稲妻 叶わぬ夢ならば… 振り向かないわ寄り添うひともなく 外は俄か雨いつも二人で 通った店で今は寂しさ 紛らすのばかよね ばかよね ひとりで生きてくわ命きり
あなたが愛した その人のかわりになんか なれないけれど私でいいなら もう一度幸せそっと 見つけましょう二度目の女房と 言われてもつくしてみたい あなたなら男はひとりで いてはだめいい事あるわ これからだって私でいいなら また夢を二人できっと かなえましょう幸せ女房に なりました涙をすてて ついてゆく薄桃色した 着物きてお酌をしたい 桜の夜に私でいいなら 少しづつ昔を二人 流しましょう二度目の女房は
男が沈めば 女も沈むましてあなたは 寂しがりいいのよ何にも 云わないで世間に傘を さす恋の明日の行方は 見えずとも今を生きたい 水暦翠にすく髪 その先までも残る女の 匂い玉それほどあなたに 抱かれたらひと夜が永久に 変わるほど身体の固さも 破れますどうぞその手で 受けとめてひと目に触れずに 椿の花は雪にひと色 紅を増す悔やんでいません 別離ても情けの淵で 咲く恋を命と変えても いいのです明日はいら
南国土佐を 後にして都へ来てから 幾歳ぞ思い出します 故郷の友が門出に歌った よさこい節を土佐の高知の ハリマヤ橋で坊さんかんざし 買うをみた月の浜辺で 焚火を囲みしばしの娯楽の 一時をわたしも自慢の 声張り上げて歌うよ土佐の よさこい節をみませ見せましょ 浦戸をあけて月の名所は 桂浜国の父さん 室戸の沖で鯨釣ったと 言う便りわたしも負けずに 励んだ後で歌うよ土佐の よさこい節を言うたちいかんちゃ
あなたのリードで 島田もゆれるチークダンスの なやましさみだれる裾も はずかしうれしゲイシャ・ワルツは 思い出ワルツ空には三日月 お座敷帰り恋に重たい 舞扇逢わなきゃよかった 今夜のあなたこれが苦労の はじめでしょうかあなたのお顔を 見たうれしさに呑んだら酔ったわ 踊ったわ今夜はせめて 介抱してねどうせ一緒にゃ くらせぬ身体気強くあきらめ 帰した夜は更けて涙の 通り雨遠く泣いてる 新内流し恋の辛さ
逢えて嬉しい 枕を照らす蛍みたいな 雪を見る今がしあわせ 恋一夜死ぬほど愛した 男(ひと)だから燃えて焦がれる 蛍火の恋明日(あす)を欲しがる 女の夢は胸にしまって 聞く寝息今がしあわせ 恋一夜悔やんでいません 悔やまない肌も恥じらう 蛍火の恋真心(こころ)たたんで あたなに渡す受けてください 命ごと今がしあわせ 恋一夜あとには戻れぬ さだめゆえあなたひとすじ 蛍火の恋
解けば悲しい 帯なのに抱かれてかなわぬ 夢を見た愛しても 尽くしてもふたり結べないいいのよあなたが 好きだからともしび一輪 さざんか月夜あなたが残した 罪のあと鏡に映せば 泣けてくる燃えました 咲きましたさだめ知りながら夜風が冷たい ひとり花花びらふるえる さざんか月夜せつない女の 真心をわかってください 苦しさを恋しくて 逢いたくてあなた待ちわびるあふれる思いの 恋しずくため息こぼれる さざんか
女は終わって しまった恋は胸深く しまい込む「一月一日 一緒にいたい…」むりを承知で 私から口にしたのも ぎりぎりの女ごころの 意地でしたあなたの重荷に なるのはつらいこの先の 人生を一緒になれるか 汐どきなのか思いつめれば その二ついいえほかにも あったはず背中見つめて 行くみちも日傘をさす花 桔梗の花に似てるのね 恋姿逢いたい 触れたい 愛していたいあなた遠くに なろうともわたし遠くに いよう