潮来花嫁さんの唄が流行て あやめの頃に結ぶ縁の 祝い酒あれから永い 歳月越えて今じゃ我が子の 幸せひとつ祈るばかりの 母ごころ潮来花嫁さんの唄を聞きながら 夕餉の支度苦労かくごの 新世帯可愛い寝顔に 望をかけて這えば歩めの 子育日記遠くなつかし 母ごころ潮来花嫁さんの唄は今でも 心の奥に残る想い出 十二橋紅緒きりりと すげ笠かぶり娘船頭は 二代目ついでうれし涙の 母ごころ
潮来花嫁さんは 潮来花嫁さんは 舟でゆく月の出潮を ギッチラ ギッチラ ギッチラコ人のうわさに かくれて咲いた花も十八 嫁御寮潮来花嫁さんは 潮来花嫁さんは 舟でゆく夢をいだいて ギッチラ ギッチラ ギッチラコ好きなあの人 東京育ち私しゃ潮来の 水育ち潮来花嫁さんは 潮来花嫁さんは 舟でゆく花の都へ ギッチラ ギッチラ ギッチラコ別れ惜しむか よしきりさえも泣いて見送る 葦のかげ
蒼いうねりも 汐鳴りも消えて沖行く 船もない見渡すかぎり 流氷の身を切るような 風が吹くああ オホーツクの春の海砂に埋もれて 朽ち果てた遠い昔の 忘れ船二人が語る 船べりに浜茄子そっと 咲いていたああ オホーツクの夏の海可愛い瞳が すずらんにどこかにていた おさげ髪愁いを染める 夕空に上りの汽車も 消えてゆくああ オホーツクの秋の海春を舞うには まだ早いつばさ淋しい ゴメの群れ啼いては消える 流氷