足音が聞こえる – 芝崎典子

触れようと伸ばした指の先が
寂しさの輪郭をなぞった
暗がりに目が慣れていくように
息をひそめ鼓動に身をあずけた

足元の過去に名前つけて結び
繋いだ先に君がいてくれたら

巡りゆく季節の中で色づいた確かな願い
この声に魔法をかけて今君に届きますように

心にこだました言葉たちが
形造る自分に気付いて
何度も踵鳴らして歩いた
回り道で光る雲を見上げた

白昼の夢が溶けた淡い靄を
拭った先も君といられるなら

巡りゆく季節の中で色づいた確かな願い
この声に魔法をかけて今君に届きますように

ねえ、離さないでその引力で
ねえ、絶やさない灯火を掲げて

眩さに瞳閉じてもここにある音は消えない

巡りゆく季節の中で色づいた確かな願い
この声に魔法をかけた君に今伝えにゆくよ