赤い花なら 蔓珠沙華(まんじゅしゃげ)阿蘭陀(オランダ)屋敷に 雨が降る濡れて泣いてる じゃがたらお春未練な出船の ああ鐘が鳴るララ鐘が鳴るうつす月影 彩玻璃(いろがらす)父は異国の 人ゆえに金の十字架 心に抱けど乙女盛りを ああ曇り勝ちララ曇り勝ち坂の長崎 石畳南京煙火(なんきんはなび)に 日が暮れてそぞろ恋しい 出島の沖に母の精霊(しょうろ)が ああ流れ行くララ流れ行く平戸(ひらと)離れて 幾
月が鏡であったなら恋しあなたの面影を夜毎うつして見ようものこんな気持でいるわたしねえ、忘れちゃ嫌よ忘れないでね昼はまぼろし夜は夢あなたばかりにこの胸の熱い血潮がさわぐのよこんな気持でいるわたしねえ、忘れちゃ嫌よ忘れないでね風に情があったなら遠いあなたのその胸に燃える思いを送ろものこんな気持でいるわたしねえ、忘れちゃ嫌よ忘れないでね淡い夢なら消えましょにこがれこがれた恋の灯がなんで消えましょ消されま
父ちゃんのためなら エンヤコラ母ちゃんのためなら エンヤコラもひとつおまけに エンヤコラ今も聞える ヨイトマケの唄今も聞える あの子守唄工事現場の ひるやすみたばこふかして 目を閉じりゃ聞こえてくるよ あの唄が働く土方の あの唄が貧しい土方の あの唄が子供の頃に 小学校でヨイトマケの子供 きたない子供といじめぬかれて はやされてくやし涙に くれながら泣いて帰った 道すがら母ちゃんの働く とこを見た
たそがれどき港町の 酒場の片隅で安い酒にくだまいてる クロンボの色男別れの 盃 だよ 涙をふいておくれかわいい わかってるだろ俺は海の男だメケメケ これっきり 会えないかも知れぬメケメケ お前も 達者でくらしな太い腕に抱かれたまま 泣きじゃくる色女ブロンドの髪 青い瞳 イヤイヤをしながら“ネエ
どんな雨にもどんな風にも僕は負けない 負けてたまるかどんな苦しいことが起こってもどんな悲しいことが起こってもにっこり笑って 闘(たたか)う力が僕にはあるどんな嵐もやって来い貧しい育ちがなんだと云うのさ悪口なんぞは どうってこたないのさ飢えも寒さも 親がないことも僕は悲しみ嘆いたりはしない明るい明日が大きな夢が待っているこの手でしっかりと掴むのだ恋の悩みがなんだと云うのさ悲しい過去などどうってこたな
口笛吹いて僕も出掛ける皆が出掛ける 今日は日曜日お金はないし 恋人もいないないないづくしだけれど構わない何もなければ 心配もいらない苦労の種など何も欲しくない懐軽く 心も軽くどうやらおつむも軽いらしいけどそれでもいいさ 幸せならば明日は明日の風が吹くだろう欲張り爺いは 首を絞められる人気稼業じゃ 足を掬われる恋人持ったら 苦労させられる世帯を持ったら 所帯やつれする嫌なこったそんなの僕なんざお気楽
哀しみの中から うたが生まれうたの中から 力があふれる若者たちよ うたえ哀しみのうたを 哀しみのうたを苦しみの中から うたが生まれうたの中から 力がよみがえる若者たちよ うたえ苦しみのうたを 苦しみのうたを淋しさの中から うたが生まれうたの中から 力が生まれる若者たちよ うたえ淋しさのうたを 淋しさのうたを喜びの中から うたが生まれうたの中から 涙がにじむ若者たちよ うたえ喜びのうたを 喜びのうた
孤独を逃れて暖め合おうと結ばれてみたがのがれるすべなく二人は別れる思い出の街角一人の淋しさはこらえきれるけれど二人で居てこの淋しさはどうにも耐えられずこの浮世にただ二人だけで残された様な惨めな思いは一人の淋しさは希望と夢とがあるけれど二人で居ればただ二人だけヨ人はみんな所詮は孤独サ愛し合ったとてどうにもならない今日も街へ出る無駄だと知っても無駄だと知っても
何をしても すぐに飽きて金も無いが困りもせず夢も見るがすぐ諦め自惚れてはすぐ白ける中途半端な器量して劣等感は人一倍親も友達も信じない何をどうして生きりゃいい 砂漠の青春オートバイも馬鹿らしくて本を読めば頭痛がするおしゃれしても誰も見ないラブ・ハントも自信がない部屋に居てもただ居るだけ街に出ても何も起きず叫びたいがその勇気がない何をどうして生きりゃいい 砂漠の青春恋もされず 恋しもせず喜びもなく 涙
さようなら 二人の別れの夜波止場の灯りも 遠くうるむせつなき思いに 頬すり寄せ酒場に抱きあう 別れのワルツ“これが最後のワルツですね”僕は本当に心の底から貴女を愛して居りました。ありきたりな言葉ですが、今の僕の気持としてこれ以上の事が言えないのです。いつ迄もいつ迄も今の様な貴女のその美しい心を無くさないで下さい。じゃ身体に気をつけてね、サヨウナラ霧の中を行く 寂し姿涙をかくして 送る笑顔幸あれと祈
想い出は 遠い白い雲呼んでみても 還らない胸に残る 熱い印くちづけの 紅のあとよ春の日の甘い そよ風がいまも胸に 吹いている黒い髪が 頬にふれたくちづけの あとがうずくよみがえる想い燃える瞳よマリキタ マリキタドニャ マリキータドニャ マリキータ 恋の夢想い出は古い あのギターラ切れかかった 細い糸忘れられぬ 春の宵のくちづけの あとがうずくよみがえる想い燃える瞳よマリキタ マリキタドニャ マリキ
甘い言葉に 女は弱いもの月の光に濡れて 夢を見るのよ憎い人ね 冷たい横顔くやしいけれど いつも私が負けるの甘い口吻 女はつらいの風の吹くまま揺れて 胸が震えるのヴェニヴェニヴェン浮気なささやき解っているのに いつも私が負けるのヴェニヴェニヴェン
灯がうるむ 港の町で行きずりに 目と目があった恋の風踊るタンゴ 夜がふける名前も聞かずに 別れたあの人は燃える甘いキスを 残して消えた夢みる唇 心もしびれて忘れられない 濡れた瞳夜はあけて 朝のベッドに燃え残る 夢の花びら赤いバラ露に ぬれて胸に沁みる海から吹く風 教えておくれよ恋しあの人 いまはいずこ
昨夜もあんたは帰らなかった。そして、今頃帰って来た。もぎたての林檎のように、無邪気な頬で「愛してるよ」なんて嘘を言う。いいえ、愛なんて そんなものじゃないのに。あんたは愛を知らない本当の愛をあんたの大きな瞳には快楽と 嘘ばかり鼻唄まじり 私の愛を笑い さげすむあんたは 愛を知らない哀れな つばめよ私にだって若い時があったわ。でも若さって残酷なものね。冷酷・ごうまん・気まぐれ、私はいまその残酷な若さ
夜……… 灯も暗く恋……… 胸の傷のあとよ影……… すすり泣いて心にわびしく 揺れる愛……… 破れた手紙よ涙……… 色あせた文字よああ 今宵もひとり読んで 更けてゆく風……… 灯も消えて夜……… 長くてさみしい月……… 青く冴えてむかしの面影 映す窓……… 星影ふるえて夢……… 色あせたバラのああ はなびら散らしながら 泣くのよ
妾の男 可愛いジゴロ燃える眼差しの愛してくれは しないけどでもあたしは好きよ彼の言葉は嘘だらけ 女は欺されるでもそれは あの人があまりにもそうよ 素敵だからあの人の胸に 抱かれるたびはかない望みをかけるのいつまでも いつまでもあたしだけのものに していたいとけれどもあたしがあんたにあげられるものときたらそれはただ あんたがばかにする真心だけなのあたしの男 可愛いツバメ燃える眼差しの愛してくれはしな
うすれる光 海の上にやさしい夜が しのびよるよ古い歌を ささやきながらさびれた店に 灯がともる小雨のマントに港はねむるよオ……… オ……… オ………アコーディオンがしのび泣いているオ……… オ……… オ………待ちくたびれて 冷えたカフェーひとりでふかす 苦い煙草オパール色の 煙のうずがわびしく消えて 灯がにじむ紫の夜が 港を包んでオ……… オ……… オ………もう誰も 見えない濡れそぼる 波止場オ…
あぁ……… あぁ………今日も私は来ました おぉ………聞こえますか 貴方を呼ぶ声お城の奥の 牢屋の中にまで貴方のそばへ行きたいこの胸の叫びがおぉ……… うぅ………どうぞそこに居なさる番兵さん話を聞いてください お願い王様の大切なダイヤモンドを盗んだのは私の愛しい人です貧しい私を飾らせたい為私の喜ぶ顔が見たい為あの人は命までかけましたあの人を牢屋に入れたのなら私もどうぞ牢屋につないでください何故なら私
どこへ消えたの 華やかな昔きれいだった頃に 愛してくれた人たち今は昔を かえすすべもない肌のシワやシミが それを告げてる夜の闇と悲しみ 孤独の中の私自由なかわりに 愛もなくさまよう心は流れただよう もくずのように重い楽しかった昔が 今じゃ苦しみどこへ消えたの 華やかな昔男たちにもてて チヤホヤされていた私も昔は 幸せがあったそこいらの女の だれよりも夜明けのうす灯りに 霧が流れてゆく男たちがまわり
恋の甘い吐息夜の庭にもえる夢の調べ 踊るタンゴ月青く 影が揺れる足もとに 秘めやかにアー想い出の イタリー庭にひらく 恋の白い花の ドレスが舞う月に濡れ 露がひかるまなざしに秘めやかにアー
紫の夜の とばりにきらめく星よ 我が涙よ燃えつきた 恋のむくろと今宵もまた 踊るタンゴよ唯むなしく 腕を重ねるうつろな君が 瞳の中にあゝあわれな 恋につかれてうらぶれはてし 我が姿よラ……… ラ………ラ……… ラ………あきらめて 帰した後の酒の苦さよ タバコの煙よ唯一人 グラス片手に踊り狂うは 夜のタンゴよ
On dit quau dela des mersLa-bas, sous le ciel clairIl existe une citeAu sejour
そよ風は甘く ささやいてそっと胸に 秘めた恋に火をつけるのいくら おさえても燃える 赤い炎狂おしく 燃えて燃えて燃えてあああ………風よ消しておくれ この炎を風よ………そよ風がゆする 甘い夢海のはてに 消えた恋に月も濡れて夜は紫に燃える 胸の炎狂おしく またも燃えて燃えてあああ………風よ消しておくれ この炎を風よ………
春は名のみの 風の寒さや谷の鶯(うぐいす) 歌は思えど時にあらずと 声も立てず時にあらずと 声も立てず氷解(と)け去り 葦(あし)は角(つの)ぐむさては時ぞと 思うあやにく今日もきのうも 雪の空今日もきのうも 雪の空春と聞かねば 知らでありしを聞けば急(せ)かるる 胸の思をいかにせよとの この頃(ごろ)かいかにせよとの この頃か
春のうららの 隅田(すみだ)川のぼりくだりの 船人(ふなびと)が櫂(かい)のしずくも 花と散る眺(まが)めを何に 喩(たと)うべき見ずやあけぼの 露浴(あ)びてわれにもの言う 桜木を見ずや夕ぐれ 手をのべてわれさしまねく 青柳を錦織(お)りなす 長堤(ちょうてい)に暮るればのぼる おぼろ月げに一刻も 千金の眺めを何に 喩うべき
卯の花の 匂う垣根に時鳥(ほととぎす) 早もきなきて忍音(しのびね)もらす 夏は来(き)ぬ五月雨(さみだれ)の そそぐ山田に早乙女(さおとめ)が 裳裾(もすそ)ぬらして玉苗(たまなえ)ううる 夏は来ぬ〔橘(たちばな)の 薫るのきばの窓近く 蛍とびかいおこたり諌(いさ)むる 夏は来ぬ〕楝(おうち)ちる 川辺の宿の門(かど)遠く 水鶏声(くいなこえ)して夕月(ゆうづき)すずしき 夏は来ぬ〔五月(さつき
この道は いつかきた道あゝ そうだよあかしやの 花が咲いてるあの丘は いつか見た丘あゝ そうだよほら白い 時計台だよこの道は いつかきた道あゝ そうだよお母様と 馬車で行ったよあの雲も いつか見た雲あゝ そうだよ山査子(さんざし)の 枝も垂れてる
青い月夜の 浜辺には親を探(さが)して 鳴く鳥が波の国から 生まれ出る濡(ぬ)れた翼(つばさ)の 銀の色夜鳴く鳥の 悲しさは親を尋(たず)ねて 海こえて月夜の国へ 消えてゆく銀の翼(つばさ)の 浜千鳥
兎追(お)いし かの山小鮒(こぶな)釣りし かの川夢は今も めぐりて忘れがたき 故郷(ふるさと)如何(いか)に在(い)ます 父母恙(つつが)なしや 友がき雨に風に つけても思い出(い)ずる 故郷志(こころざし)を はたしていつの日にか 帰らん山は青き 故郷水は清き 故郷
ちんちん千鳥(ちどり)の 啼(な)く夜(よ)さは啼く夜さは硝子戸(がらすど)しめても まだ寒いまだ寒いちんちん千鳥の 啼く声は啼く声は燈(あかり)を消しても まだ消えぬまだ消えぬちんちん千鳥は 親無いか親無いか夜風(よかぜ)に吹かれて 川の上(うえ)川の上ちんちん千鳥よ お寝(よ)らぬか〔お寝(よ)らぬか〕夜明(よあけ)の明星(みょうじょう)が 早や白(しら)む〔早や白む〕