なつのせいです – 羊文学

それは夏のせいです
僕たちは流れる雲に乗って
どこまでもゆくのね

遠く澄んだブルーです
君の肌に触れる
石鹸のにおいがする午後です

逃避行、どこ行こう?
何しよう、なんでもいい
宇宙旅行、浪漫飛行
シーツのうえで

逃避行、どこ行こう?
ここじゃない場所がいい
宛もないまま起き出す
僕の背中に、君がいう
ねえ、もう少し眠ろう

それは夏のせいです
クーラーの風を避けるみたいに
うつ伏せてぼんやり

まだ夢の途中です
窓際、揺れている風鈴とハミングの午後です

逃避行、どこ行こう?
何しよう、なんでもいい
時間旅行、遊覧飛行
シーツのうえで

逃避行、どこ行こう?
誰にも見つからずに
君を離さずに行ける遠いところへ
考え中の僕にいう
もう少し眠ろう

それは夏のせいです
でも君は流れる雲みたいに
知らぬ間に行くのね

とても澄んだブルーです
太陽をいっぱいに吸い込んで
生まれたてのままの僕ら
さよならする午後です