河童 – 石川さゆり

海と別(き)れたら 女房に
なってあげると 振り返りゃ
空に妾(あたし)を抱きあげて
河童(かっぱ)になるかと 抱いたひと
かれこれ一年 夫婦(ふたり)して
“河童”という名の 居酒屋を
だそうとしていた その矢先き
あんたひどいよ 逝(い)くなんて !!

あれは恋唄? みれん節?
酔いにまかせた 「なみだ船」
あんた偲んで 漁師仲間(おなかま)が
今夜も唄って くれてます
どんなにお店は 流行っても
淋しいこゝろは 隠せない
せめてあんたに 似た子をさ
遺(のこ)していって 欲しかった !!

あんたそこから 見えますか
居酒屋“河童”の 赤提灯
幻(ゆめ)でもいいから ねぇあんた
今夜妾(あたし)を 抱きにきて !!