三味の音 本手に 上調子(うわぢょうし)語りは若木(わかぎ)の 仇名草(あだなぐさ)今も昔も…その縁(よすが)どこまで儚い 男と女あゝ蘭蝶(らんちょう)の 情念(おもい)を奏(たた)く三千世界(さんぜんせかい)の…新内流し 吉原冠(かむ)りの 男伊達(おとこだて)女(おなご)は 手拭い吹きながし愛の道行き…いつの世も恋しさ憎さの 日がわり暦(ごよみ)あゝ嫋嫋(じょうじょう)と お宮の心情(こころ)晩
桜吹雪が 舞い踊(と)ぶ門出どでかい大志(ゆめ)を 咲かせてやると花の東京(みやこ)へ 度胸旅苦労三昧 受けて立つ汗吹く試練は 人生囃子所詮男は 祭りだよ 恋の一つも 拾ってみたがお涙酒は 真平御免(まっぴらごめん)きれいさっぱり 清め酒親父ゆずりの 男気で天下を取る気の 血潮が滾(たぎ)る所詮男は 祭りだよ 人の一生 瞬時の花火邪魔する奴は 吹き飛ばし花の東京(みやこ)で ひと暴れ銭の数より 名を残
義理の重さに 情けの深さ人の心が 渡し舟浪花生まれの ど根性買った苦労で 咲かす花とんとんとんぼり とんぼり流し橋の下には ああ 夢がある 男器量に 女は色気歌は演歌の 七五調泣いて笑って また泣いて結ぶ縁(えにし)の ありがたさとんとんとんぼり とんぼり流し今日は大吉 ああ 松竹梅 恩を受けたり 返してみたり持ちつ持たれつ 人の世は生きてなんぼの この命どこで使おか あずけよかとんとんとんぼり とん
浮いて沈んで 流されようが義理と人情 捨てらりょか愚痴はこぼすな 男じゃないか……波を見てみろ よせては砕(くだ)け花と咲くだろ 人生男節 人の値うちが さだめの道が浴びたうぶ湯で なぜ決まるままよ今さら 男じゃないか……あいつなんかにゃ 未練はないと酒に泣くのも 人生男節 百の理屈を 並べるよりも誠ひとすじ 張る命火の粉あびても 男じゃないか……こころ清川 湧(わ)き出る水に月も見惚れる 人生男節
誰の涙を 運ぶのかうらまち川は… 秋の暮れあゝ 俺の人生なぜか詫びたい やつばかり呑んで… 呑まれる 露地の酒 人にゃ忘れる 術(すべ)がある哀しみなんて… 捨てちゃいなあゝ 肩を震わせ泣いて頷(うなず)く 女(ひと)がいる夜の… 花でも おさな顔 雪が途切れて 夢明(あか)りうらまち川に… 冬の月あゝ 酔いの向こうに明日(あす)を探して 生きようか熱い… 涙が あるうちに
好きなお方の 言いつけならば死ねと言われりゃ 死ぬ覚悟惚れて… 惚れて… いちずに惚れて… あゝ惚れてあなたに賭けた この命おねがいですから 情をかけて女のちぎりは 一生一度なの… 一度なの 純(うぶ)な私じゃ なかったけれど尽(つ)くす気持に 嘘はない濡れて… 濡れて… なみだに濡れて… あゝ濡れてあなたを待てば 雨がふるおねがいですから 信じて欲しい女のちぎりは 一生一度なの… 一度なの ほめてく
咲くが花なら 散るのも花よどうせこの世は 一度きりなんの嵐が 吹こうとままよ…やぶれ屋台の 赤ちょうちんで酒に聞かせる 男の仁義 (台詞)未練を言っちゃあ 男がすたりますが人間 どんなやつの胸にだってひとりぐらい 忘れられない いい女が住んでいるもんでございます わかれ涙か 遣(や)らずの雨かやけにしんみり 降りやがるなにも言うまい 心の内(うち)は…惚れていりゃこそ この手に抱けず背中向けたも 男の
つよい時雨が こんぴらさんのながい石段 ぬらしたあの日雨をしのいだ お茶屋の隅で女房きどりで ぬぐってくれた指が指が指が恋しい 瀬戸の旅もいちど逢いたい ああ…讃岐の女よ 楽な駕籠より 手を取り合ってせめて別れの お詣りするとわざと元気に 一段づつをのぼる笑顔の まつ毛に見せた涙 涙 涙 いまでも
やぐら太鼓が 隅田の川にひびきゃ 男の血が燃えるやると決めたら 後には退くな明日にはばたけ 若貴ならば二人揃って二人揃って 綱を張れ 仲がよくても 土俵の上じゃ兄も弟も 鬼と鬼やると決めたら 後には退くな稽古稽古で つかんだカンで見せておくれよ見せておくれよ 離れ業 勝つも負けるも 勝負は一手相撲人生 待ったなしやると決めたら 後には退くな燃える闘魂 怒涛を越えて花と咲け咲け花と咲け咲け 若と貴
おふくろ一人が 見送(おく)ってくれた十五の旅立ち 別れの波止場そっとやさしく 微笑みながら夕陽に染まった 涙のしずく今は故郷に 今は故郷に 永眠(ねむ)る母遠いおもいで… こころの港 ひらがなばかりの おふくろ便り読むたび身に沁み 瞼を濡らす無事を祈願(いの)った こんぴら詣(まい)りひと文字ふた文字 噛みしめたっけ瀬戸の海鳴り 瀬戸の海鳴り 母の声俺を見守る… こころの港 幾つになっても 親子は親
つらかばってん ぐいと涙は飲み込んで仰ぎゃ火の国 阿蘇の山こんなときこそ 負けるなと熱かこころに そびえたつどーんとどどんと どんとどーどんと 火の国男節 銭じゃ買えない 郷土(くに)は誇りの宝ばい火振り神事の 清め酒燃えた維新の 田原坂(たばるざか)俺も明日へと 上り坂どーんとどどんと どんとどーどんと 火の国男節 俺の人生 肥後の援歌が道しるべここが命の 正念場阿蘇のお山に どんな日も胸を張りたい
男一代 将棋の駒に賭けた浪花の 八百八橋西に名高い ド阿呆坂田さんざ苦労の 桝目(ますめ)が命…ついて来るのか 女房の小春尽す情(なさけ)の めおと駒 質に荷を足し 苦に苦をかさね――それでも黙って ついて来る [台詞]小春、堪忍やで そのかわりなぁ…日本一の将棋さしに なったろやないか! 駒に惚れたら 惚れ抜きなはれ勝つか負けるか 根性ひとつ愚痴もこぼさず 通天閣の灯り見上げる 棟割(むねわ)り長屋…
酸(す)いも甘いも 知り尽くしそれでも泣ける お袋だけにゃ…一人… 親不孝(ふこう)を詫びたい ぐい呑みにおもい出せよと 揺らぐ意地男 男のいのち灯(び)… 露地裏のれん 俺の心の 侘しさをお酌のたびに 笑顔でほぐす…遠い… 故郷のあの娘(こ)の 切なさを重ね合わせる コップ酒男 男のとまり木… 露地裏のれん 人の情の こぼれ灯が意固地な俺の 涙を誘う…まして… 凩(こがらし)みたいな 人生を流れ迷っ
寂(さみ)しさ背中に 貼りつけてどこへ漂う さすらい舟ひとついいじゃないかよ 影法師たかが人生…運命(さだめ)まかせに 流れてゆくさあゝ 酔いどれ男の 浮世川 女がきらめく ネオン街(まち)かわいあの娘も こぼれた花なのさ惚れていいかと 口説いたらぬれた目をして…私あなたが 嫌いと笑うあゝ 酔いどれ男の 浮世川 歌えば泣かせる はやりうたいつか廃(すた)れた 義理人情かなし明日(あす)はいいこと ある
雨の露地裏 水かけ不動両手を合わせる やせた指浮世の七坂 二人で引いた夫婦(めおと)屋台の 人生ごよみ俺の自慢さ その笑顔おまえは浪花の 浪花の恋女房 [台詞]笑顔千両の おまえのためや…辛抱がまんの 花咲かそうな どこか似ている 三吉小春貧乏所帯(びんぼうじょたい)の 四畳半着たきり雀が 身を寄せ合って夫婦善哉 八百八橋命重ねる いじらしさおまえは浪花の 浪花の恋女房 [台詞]おまえのおかげや雨つゆ凌
忘れ…忘れられよか ふるさとはかもめ群れ飛ぶ 北の漁師町(みなとまち)まぶたとじれば 聞こえてくるよ大漁まつりの ヤン衆の歌が……あゝ 酔えば酔うほど 帰りたい男なみだの 望郷月夜酒 無事か 達者かョー 愛しの妻子晴れて いつまた 逢える 泣くな…泣くな嘆くな 影法師(かげぼうし)男だったら 勝負投げンなよ肩をどやした 屋台の兄貴しみて嬉しい みちのくなまり……あゝ 意気がとけあう 縄のれん明日(あす
所詮男の 人生なんて七転八起(ななころやおき)の 夢だるま雨の露地裏 人情酒場声をかければ 仲間になれる酒が 酒が やけに うまいじゃないか 古い傷なら 誰でもあるさくよくよするなよ なぁおまえ元気出してと 女将(おかみ)の笑顔熱い想いの 居酒屋のれん気持(こころ) 気持 粋に 通うじゃないか 酔いがまわれば 浮世の風の寒さも忘れる 裏通り演歌花咲く 人情酒場いいじゃないかよ 身の上なんて明日(あす)