初冬 ~記憶の欠片~ – 清木場俊介

朝、親父からの連絡 婆さんが亡くなりました…
温かい珈琲の香りも どこかへ消えて…
いつだったか数年前 親父からの伝言
「婆さんに逢っとけ」 逢えた事を嬉しく思う

娘の顔も忘れて 孫の記憶も無いまま
手探るように繋ぎ合わせて たまに戻る記憶の欠片…

夜、通夜へ向かう途中は 何度も道に迷いました
隣に座る小さな体に思わず…泣けてしまって

暗闇を彷徨いながら 貴女も寂しかったろうと
両手を合わせて祈りました ”ずっと母を守って下さい”

産まれてから死に逝くまで 何を感じ何を学ぶのか?
肉体から魂が抜ける時 人は何を描くのか?

産まれてから死に逝くまで 何を目指し何処へ向かうのか?
まるで今にも目を覚ますかのように
清らかに貴女は美しかった…。