潮騒の詩 – 沢口靖子

さびしがりやほど ひとりが好きだと
誰かが私を 笑っているけど
男の子みたいに あぐらをかいて
海から吹く風と 話してるのが好き

わたしの髪の分け方変えて
こっちが似合うと 潮風が吹いてくる

私 今まだ真珠 私 今まだ真珠
海から吹く風と 話してるのが好き

うつむいたら 足元しか見えないもん
だからわたし 泣きながらでも
泣きながらでも 前を見るの

泣いてるひとほど 海を見たがると
誰かが私を からかうけれど
涙をこっそり ふいたりしないで
海から吹く風に 抱かれてるのが好き

海の底では 小さな貝が
涙をあつめて 真珠を育てるの

私 いつかは真珠 私いつかは真珠
海から吹く風に 抱かれてるのが好き

夏の星座が 海に落ちて
船の灯りが 遠くをすぎてゆく

私 今まだ真珠 私 今まだ真珠
海から吹く風と 話してるのが好き