海の匂いのお母さん – 氷川きよし

海の匂いが しみこんだ
太い毛糸のチャンチャンコ
背なかをまるめて カキを打つ
母さん 母さん お元気ですか
案じております 兄貴とふたり

海が時化(しけ)れば時化るほど
カキはおいしく なるという
母さん あなたの口癖が
土鍋を囲めば きこえてきます
やさしい笑顔が 浮かんできます

遠く離れた 子供らに
海の匂いを くれた母
わたしは 手紙が下手じゃけと
母さん 母さん 黙っていても
伝わりますとも あなたのこころ