京の夜嵐 – 水沢明美

比良八荒(ひらはっこう)の荒れ仕舞い
京の夜嵐 大寒小寒(おおさむこさむ)
春が近いというのなら
伝えておくれ あのひとに
三月(みつき)と十日も 三月(みつき)と十日も
指折り待った

若狭(わかさ)の海が恋しいと
京の夜嵐 どうして狂う
なんぼ遠(とお)ても十八里
鯖街道(さばかいどう)の峠越え
ひと晩急げば ひと晩急げば
朝にはつける

加茂川沿いの赤い灯を
京の夜嵐 脅しちゃならぬ
しょせん この世じゃ添えないと
覚悟の前の二人です
一夜(ひとよ)の幸せ 一夜(ひとよ)の幸せ
赦(ゆる)しておくれ