手前生国 発します金剛山は 吹きおろし河内音頭を 子守唄に聞いて育った ガキ大将人に頭を下げられりゃいやとは云えない 性分でたとえ我が身を 殺しても尽す男の 心意気熱い血潮が 燃えている義理と人情の 男伊達生れついての がさつもの見かけ通りの かけ出しで松の緑と 末永く今日嚮(きょうこう)万端 よろしくおたの申しますガキの頃から 無鉄砲で親分なしの 子分なし稼業いまだに 未熟でも河内極道にゃ 骨が
義理と人情を 秤(はかり)にかけりゃ義理が重たい 男の世界幼なじみの 観音様にゃ俺の心は お見通し背中(せな)で吠えてる 唐獅子牡丹親の意見を 承知ですねて曲がりくねった 六区の風よつもり重ねた 不孝のかずをなんと詫(わ)びよか おふくろに背中で泣いてる 唐獅子牡丹おぼろ月でも 隅田の水に昔ながらの 濁らぬ光りやがて夜明けの 来るそれまでは意地で支える 夢ひとつ背中で呼んでる 唐獅子牡丹
「私、生れも育ちも、三州吉良の港姓は太田、名は常吉、通称人呼びまして、吉良常と申します!」義理と人情の 花散る港此処は三州 吉良の町意地が 燃え立つ五尺の身体潮の香りが しみている誰れが付けたか ケチな手前を吉良常と「叔父の仁吉のように、人様に惜しまれる人間は、皆んな早死にをすらあな……!!」貧乏くじだと、分っちゃいても引かにゃならない 時もある惚れた女房を義理故 すてて叔父の仁吉は 花と散る文句
男素肌に 観音菩薩手前生まれは 浅草六区餓鬼のころから 奥山育ち見掛け通りの がさつな野郎で親を泣かせた 親を泣かせた 罰当り「懐かしいなァ、遊び馴れたこの境内、いまじゃ変り果てたこの姿、勘弁してくれ、おっ母さん………」情からんだ 観音菩薩惚れちゃならない 仁義もあるさままになるなら この手に抱いて逢いたかったと 打明けたいが義理という字が 義理という字が 邪魔をする「お嬢さん………もう何んにも、
義理で飾った 男の道に真実(まこと)一つが 掴めない無理も道理も仁義の世界筋を通して 何処までも残侠一匹 俺は行く「お前にゃ、苦労ばっかりかけて何一つ、喜ばす事のできなかったこの俺だ、かんべんしてくれ、この身体がこの命がもう一つありゃ、お前に全部くれてやりてえ……!!」強いばかりじゃ 渡世の道は肩で風など 切れぬもの受けた恩義に命を賭けてたとえお前を 泣かせても意地でつぐなう 義理もある「泣くなと
「ご列席のご一統さん 失礼さんにござんす。私生国と発します 関東にござんす。関東は江戸 改めまして東京は浅草花川戸にござんす。男度胸の二の腕かけて義理人情の紅い花彫って入った稼業にござんす。渡世縁持ちまして天神一家にござんす。姓は左近寺 名は龍也通称抜き打ちの龍と発します。昨今かけ出しの 若輩者にござんす。今日嚮(きょうこう)万端よろしゅうおたの申します」お世辞笑いで 生きてくよりは義理の二文字 
暗い暗い小窓に しょんぼりと浮かぶあの娘の 泣きボクロ何処でどうして 居るのやら一目逢いたい 番外地「切った張ったで極道すりゃ、行く先ゃ網走番外地……此処へ来りゃ、どいつも、こいつも、顔見りゃ一癖あるんだが、心(しん)から悪い奴ァ居ねえ…夜更になりゃ小さな星を眺めながら、がんぜない餓鬼のように、忍び泣いているんだ。こんな俺だって故郷(くに)へ残した一人暮しのお袋の事を思い出し思いっ切り泣いて見たく
流れ流れて 東京をそぞろ歩きは 軟派でも心にゃ硬派の 血が通う花の一匹 人生だああ 東京流れもの夜の暗さに はぐれても若い一途な 純情は後生大事に 抱いて行く浪花節だよ 人生はああ 東京流れもの曲りくねった 道だってこうと決めたら まっすぐに嘘とお世辞の ご時世にゃいてもいいだろ こんな奴ああ 東京流れもの
やると思えば どこまでやるさそれが男の 魂(たましい)じゃないか義理がすたれば この世はやみだなまじとめるな 夜の雨あんな女に 未練はないがなぜか涙が 流れてならぬ男ごころは 男でなけりゃわかるものかと あきらめた時世時節(ときよじせつ)は 変ろとままよ吉良(きら)の仁吉は 男じゃないかおれも生きたや 仁吉のように義理と人情の この世界
親の血をひく 兄弟よりもかたい契りの 義兄弟こんな小さな 盃だけど男いのちを かけて飲む義理だ恩だと 並べてみたら恋の出てくる すきがないあとはたのむと かけ出す露路にふるはあの娘の なみだ雨俺の目をみろ 何んにもゆうな男同志の 腹のうちひとりぐらいは こうゆう馬鹿が居なきゃ世間の 目はさめぬ
「誰方(どなた)さんも御免なさんせ。赤城颪(おろし)を子守唄に、阪東太郎利根川で生湯を使った男一匹。上州は佐位郡国定忠治でござんすと、たとえ仁義を切ろうとも、今の忠治ァ、関八州に五尺の体の置き場もねぇ―」「赤城の山も今宵限り、繩張りを捨て国を捨て、可愛い子分の手前達とも別れ別れになる門出だ。見ろ。雲一つねえ空の果て、どこが塒(ねぐら)か知らねえが、雁が啼いてとんでゆく。俺とおんなじ身の上の――」男
街の灯影に 背中を向けて一人吹かした たばこの苦さ渡る世間を せばめてすねて生きる男の 身の辛さこんなやくざに 誰がした義理と人情の 渡世に生きて酒とケンカに やつれた命ほほのキズあと 淋しくなぜて月に語ろうか 身の上をこんなやくざに 誰がした泣ける思いも 笑ってかくす青いソフトの 横顔淋し今の姿じゃ 帰れもすまい恋し母住む ふる里へこんなやくざに 誰がした
あれをごらんと 指差す方に利根の流れを 流れ月昔笑うて ながめた月も今日は 今日は涙の 顔で見る「………何たる哀れよ。二十三夜の月は今も昔も変わらぬに、変り果てる我が姿。よしや病床に伏すとはいえ、平手造酒ともあろう身が、やくざ渡世の用心棒とは」愚痴じゃなけれど 世が世であれば殿のまねきの 月見酒男平手と もてはやされて今じゃ 今じゃ浮世を三度笠「その浮世の義理故に、三十年の生涯の、幕を引く時が来た
「旅の鳥でも烏でも母の乳房が忘られず、せめてひと目と面影を、瞼に描いて旅の空、たづね歩いて十五年。どこにどうしていなさるか。逢いてえ。」姿やくざな 番場の鳥も人の顔見りゃ 涙ぐせ生きておいでか お達者か昔恋しい 母の顔「ア? その顔は? おかみさんは覚(おぼ)えがあるんだ。所は江州馬場宿(しゅく)で、六代続いた旅籠(はたご)渡世(とせい)の置長屋(おきながや)。あんたがそこへ嫁(かた)づいて生んだ
好いた女房に 三下り半を投げて長どす 永の旅怨むまいぞえ 俺らのことはまたの浮世で 逢うまでは「お菊……堪忍してくれ、嫌で別れた仲じゃねぇ……これも渡世の義理故だ。泣けるおめえーの辛さより、泣けぬ俺らの胸の内割って見せてやりてえ……」惚れていながら 惚れないそぶりそれがやくざの 恋とやら二度と添うまい 街道がらす阿呆阿呆で 旅ぐらし「泣くもんけえ、たとえ妻恋鳥が鳴こうとも」泣いてなるかと 心に誓や
「野郎ッ。小せえと思ってナメやがって。でっけえとこのあるのを知らねえな。束(たば)んなってかかって来いッ」清水港の 名物はお茶の香りと 男伊達見たか聞いたか あの啖呵粋な小政の 粋な小政の 旅姿「小政が一番か。仕様がねえや、あいつァ手が早えからな。でもまだ諦めないよ俺は、二番があるんだから」富士の高嶺の 白雪がとけて流れる 真清水(ましみず)で男みがいた 勇み肌なんで大政 なんで大政 国を売る「ア
影か柳か 勘太郎さんか伊那は七谷 糸ひく煙り棄てて別れた 故郷の月にしのぶ今宵の ほととぎす「ありがてえ。せめて別れと人知れず、夜道を忍んで帰って来たが、よかった。生まれ故郷は昔のままで、俺は抱きしめてくれたんだ」形(なり)はやくざに やつれていても月よ見てくれ 心の錦生れ変って 天竜の水にうつす男の 晴れ姿「おっお母さん………喜んでおくんなさい。勘太郎は、きっと立派んなって帰って来ます……お達者
「あの姐(あね)さん。お蔦さんといいなすったが、すんでの事に死ぬところ、取的さんしっかりおしと泣いて救けて下すった。なのにこの駒形茂兵衛は、面目ねえ」角力名乗りを やくざに代えて今じゃ抱寝の 一本刀利根の川風 まともに吹けば人の情を 人の情を 思い出す「今でもはっきり覚えている。水戸街道は取手の宿の我孫子屋で、立派な横綱におなりよと、紐に結んで二階から、櫛かんざしに巾着ぐるみお情けをいただいた、あ