バレリーナ – 橋爪もも

ひらひら舞うバレリーナ 終わりを渇望しながら踊る
消えそうで泣きそうな 少女を救いたかった

浴槽で丸まる少女は 膨らむ頭 下がる体温と
腕を上げれば固く閉じる震える瞼 こわばる体
幸せを求め踊りだす白鳥

『知っているのよ、その罵倒は自分に向けた言葉だってこと
劣情を刺激した、誰かの捌け口になれたなら幸せ』
そう言って笑う君の 加速したフェッテは

ひらひら舞うバレリーナ 小さな少女を抱えて踊る
消えそうで泣きそうに 爪先潰して踊る

『荒んだ日も美しい言葉を使えるよう心がけましょう』
何も知らない僕は そんな君に憧れて続けていた
小さく漏らした言葉

『だったら代わってよ』

ふらふら舞うバレリーナ 終末感情抱えて踊る
消えそうで泣きそうな 事切れたピルエット

穏やかで月並みの幸せが欲しかった それだけなのに
幕の下がらない舞台のよう

ふらふら立つバレリーナ それが私の役目だと踊る

消えそうで泣きそうな 少女(わたし)を救いたかった

ひらひら舞うバレリーナ 終わりを渇望しながら踊る
不器用で泣きそうな 君を救わなければ