君に捧げた 純情の愛が女の 生命なら弱い涙は 今日かぎりすてて荊刺の 径を行くこころ砕けど ままならぬ辛い浮世の 小夜嵐愛の船路を 祈るごと星もまたたく この夕べ想い乱れて 咲く花は女ごころか 月草よなみだ誘うな 秋風に散るは彼の日の 夢ばかり君を信濃の 高原に涙かくして 見送ればなびくけむりも 一すじに燃えて火を噴く 浅間山
覚悟は好いか 皇軍に断乎と降(くだ)る 動員令嘶(いなな)け軍馬 銃剣を持つ手は唸る この待機用意は既に 我に在り嵐は叫ぶ 大陸の風雲急を 告ぐる空起つべき時は 今なるぞ誉にかけて 翻(ひるが)えす軍旗の下に 我れ死なん敵前何んぞ 怖るべき命令一下 突撃す我等は日本 男児なり天皇陛下 萬歳と雄々しく散らん 桜花見よ大空に 轟くは我が空軍の 爆撃機今日こそ晴れの 出征ぞ進軍喇叭(ラッパ) 嚠喨(りゅ
なぜか忘れぬ 人ゆえに涙かくして 踊る夜はぬれし瞳に すすり泣くリラの花さえ なつかしやわざと気強く ふりすてて無理に注がして 飲む酒も霧の都の 夜は更けて夢もはかなく 散りて行く山のけむりを 慕いつついとし小鳩の 声きけば遠き前途に ほのぼのと緑うれしや 地平線
胸にちらちら 処女雪粉雪こゝろ こまかにこゝろすがしく 降りつもるサッサ サラサット 辷(すべ)ろよ辷ろオウオウ!仰ぐ 仰ぐ高嶺は未だ遠い雪の高原 くまなく晴れて空の青さに空の高さに 血はおどるサッサ サラサット 辷ろよ辷ろオウ!ゆかし ゆかし乙女の雪の肌辷ろ銀盤 スキーの乱舞おなじ思いでおなじルートを 後や先サッサ サラサット 辷ろよ辷ろオウ!夢の 夢のシュプール何処までも辿る峠を 茜に染めて遥
まぼろしの影を慕いて 雨に日に月にやるせぬ 我が想いつゝめば燃ゆる 胸の火に身は焦れつゝ しのび泣くわびしさよせめて痛みの なぐさめにギターをとりて 爪弾(つまび)けばどこまで時雨 ゆく秋ぞトレモロ寂し 身は悲し
暮れてはるかな 黒竜江の空では星も 泣いている何処へ流れて 行くのやら知らぬ他国の 夜は哀し楡の並木の 灯りも濡れて調べ侘びしく ハルピンの街を漂泊う バラライカ雪のシベリヤ 越えて来る風が辛いよ 身に沁みる旅の夜更けの 儚なさは遠い故郷の 夢ばかり燃ゆる思いを 寂しく捨てて今日もあてなく ハルピンの街を漂泊う バラライカ鳴らせ涙の バラライカせめては胸の 切なさを今宵も唄で 忘れよう西も東も 旅
空は晴れたよ 歓喜の朝(あした)光り長閑(のどか)に 野にまた山に行手楽しや 血潮は躍る行こうよ行こうよ スクラム組んで心はほがらか ハイキング招く山並 眉引く裾野薫る七草 乱れて咲けば遠い高嶺に 希望は躍る行こうよ行こうよ 足並揃え心は楽しい ハイキング遠いあこがれ 輝く瞳吹くは口笛 緑にとけてなびく木茅(きがや)に 涼風千里行こうよ行こうよ 大地を踏んで心はとけゆく ハイキング
古巣追われて嗚呼!沈む陽に啼くや流転の あの閑古鳥病みて哀しや嗚呼!絃月(つき)の夜は夢も通えよ ふる里の空東海の 小島の磯の白砂に我泣きぬれて 蟹とたわむる石をもて 追わるるごとく故郷を出でし悲しみ 消ゆる時なし旅に死すとも嗚呼!運命なり歌は離さじ わが生命ゆえ
可愛いリラ うるわしいリラお前を見ると いつでも僕の心は 高鳴るよ胸に咲く花 恋に咲く花匂いこぼれるリラ おお愛の花よおお リラ リラ リラ リラ リラ リラいとおしいリラ うるわしいリラ希望の朝を まねいて咲けよ香れよ 微笑めよ踊る感激 光り輝く春を奏でよリラ おお君は花よおお リラ リラ リラ リラ リラ リラやさしいリラ うるわしいリラお前の瞳 うるみて愛の言葉を ささやくよ胸のあこがれ 月
愛と泪に流れ行く若きふたりの 思い出は海の真珠の浪の色虹よ消ゆるないつまでも窓のともし火ほのかにも母とよばれて幼児(おさなご)に聞かす夜毎の子守唄ゆめの千鳥よ何を泣く掟きびしき人の世に負けてこの身は果つるとも愛の勝利のうるわしく花も輝けこの胸に
のばせばのびる カツレツの肉よのばしてのびない 月末の払いのばせばとどく この長い手をのばしてとどかぬ 俺等の想いのばして驚く わが鼻の下のばして焦らせる あの娘の手管のばせばのびる わたしの頭のばしてものびない 親爺のハゲ頭のばせばのびる おそばにうどんのばして悲しい あなたに逢う日のびろよのびろ なんでものびろついでに月給も うんとこのびろ
マロニエ花咲く パリの舗道 そぞろ歩きのマドモアゼル ごきげんは いえばメルシィパリの街は恋の花園 ムーランルージュ楽しき夢は とこしえの幸パリ 老いも若きもパリ パリ水の都の大阪 おお組む手も楽しく彼氏と彼女 どちらと言えば カーニバルムーランルージュは夜のパラダイス ジャズに浮かれ思い思われ楽しき夢よいざ 老いも若きもムーランルージュ
踊り歩けば 西東夜は悲しい 馬車の中小窓に飾る 宝玉(ほうぎょく)は北のみ空の 七つ星曠野(こうや)は南へ 国境は北に離れて 幾百里昨日は消えて 今日も又砂漠に残す 靴の跡空の彼方に 出る月は楡(にれ)の花咲く ハルピンか恋し悲しの バラライカ弾いて踊れば 夜が白む吹かれ吹かれて 今日もゆく馬車はその日の 客次第明日は渡ろか 松花江(しょうかこう)あたしゃその日の 風次第
沈む夕陽に 国を追われて兄は東に 弟は西に懐かしい 故郷は遠い思い出の山よ 思い出の河よ恋も散りぢり 流れ流れて末は野ざらし 曠野の夜露懐かしい 故郷は遠い思い出の山よ 思い出の河よ独りとぼとぼ 旅は果てなく泣けば北極光も 涙ににぢむ懐かしい 故郷は遠い思い出の山よ 思い出の河よ
待てど来ぬ夜の 切なさは夢に別れの 月夜鳥薄い情けが 身に染みて帰りともない 恋の路心じらせば ままならぬ恋に嵐の 思案舟思い惑うて 呼ぶ声に沈むうれいを 何としよう思えば悲しい 待ち人のいとしい面影 街灯りうるむ瞳が またたいてまねく涙を 誰が知ろ ああ
楽しきマヅルカ 踊れば高鳴る我が胸 君の胸に楽しきマヅルカ 踊るもひと時月の落ちぬ間に 君よ楽しきマヅルカ 君と踊りて恋知り染め知り 世の短さ別れの時はきて 儚く過ぎ行く春の名残に 今ひとたびを楽しきマヅルカ 恋の唄に腕と腕組みあい 踊りてたまえよ若き生命の想い出に楽しきマヅルカ 君と踊りて恋知り染め知り 世の短さ別れの時はきて 儚く過ぎ行く春の名残に 今ひとたびを楽しきマヅルカ 恋の唄に腕と腕組
空には小鳥の 歌なごやかに野辺には花 咲き乱る果てしなく 碧き空清く澄みて 我が世は事も無く 今日も楽し君よ共に 唄ふよ我が世に生まれ 安けき明け暮れ声高らかに 碧空のもとに楽しく君よ真澄に 空は晴れて我が世は楽し 我が世は楽し空には小鳥の 歌なごやかに野辺には花 咲き乱る
逢えば別れる 空の雲若い二人の 呼び交す愛の谺の かなしみがいつかは結ぶ 青春の夢霧の都を 彷よえば揺れてうるむか 街の灯も忘れられない 君ゆえに男の胸も すすり泣く春はまた来る 人の世も花と小鳥の めぐり逢い明日の光に ほのぼのと紅い燃ゆる 地平線
雪もかがやけ 青春の花は涙の おくりもの風にさびしく 泣き濡れし哀れ乙女の 白つばき宵の酒場に 咲く花は燃えてほのぼの 誰を待つ長きまつ毛の 横顔も夢にやつれし 白つばき呼べど返らぬ 面影は消えて遙かな 山の上月に捧げて ひとり泣くあわれ涙の 白つばき
やると思えば どこまでやるさそれが男の 魂じゃないか義理がすたれば この世は闇だなまじとめるな 夜の雨あんな女に 未練はないがなぜか涙が 流れてならぬ男ごころは 男でなけりゃわかるものかと 諦めた時世、時節は 変わろとままよ吉良の仁吉は 男じゃないかおれも生きたや 仁吉のように義理と人情の この世界