演歌みたいな別れでも – 梅沢富美男

どうせはかない 夢だったのと
下手なセリフは 云わないでくれ
あえば涙が つらさを増すと
手紙ならまだ 許せもするが
なりゆきだけの 恋だったのか
演歌みたいな 別れだね

赤羽行きの 夜更けの電車
秋色深い 肩かけ揺れて
あの日にかけた お前の目には
まこともどきの 光が見えて
一緒にいたい 気にもなったよ
演歌みたいな 別れでも

愛の轍が いとおしくなる
泥をはらって 抱きたくなるよ

冬の深さに 閉ざした心
旅のそぞろに 野火焚く夜は
人恋しさに 帰りたくなる
さよなら云わず 離れたことに
少しあかりを 探したりする
演歌みたいな 別れでも

愛の轍を たどりたくなる
泥をはらって 追いたくなるよ