残暑 – 果歩

小田急の駅は地下を抜けてから
全部似ているね
ふたりで話したことを思い出して
青色の電車に揺られている
昔の恋人が住んでいた川沿いの家は
少し狭くて散らかっていたな
蒸し暑い夜は冷たい壁が好き
あなたのまるまった背中より
お風呂あがりのアイスと散歩が好き
あなたの長い襟足より
裸足で地面を感じて歩くのが好き
あなたと手を繋ぐより

ほんとうは初めから夢であればいいのにと
いつからか願うようになってしまったよ
空き缶と煙草、フルーツ牛乳と回数券
あんたと私は一緒になれない

下北沢からの帰り道
酔いと苛立ちを抱きしめて
ひとりギターを背負いながら
青色の電車に揺られている
テレビもラジオもつけっぱなし
人の声は落ち着いていいな
お風呂あがりのアイスと散歩が好き
いくつになっても変わらないわ

少し肌寒い夏の夜に誓って、
あなたは別の愛しさを

ほんとうは初めから夢であればいいのにと
最低な気持ちであなたと笑っていた
空き缶と煙草、フルーツ牛乳と回数券
あんたと私は一緒になれない ならない
もう夏に溶けた