冷たい雨が 降る朝に一人で江梨子は 死んでしまったかわいそうな 江梨子よきれいだった 江梨子よ涙にぬれた その顔を花で飾って 上げましょうだまされたって 傷つかぬやさしい心の 娘(むすめ)だったが大人達が 江梨子よわるいんだぜ 江梨子よ苦しみのない 天国できっとなるでしょ 幸福(しあわせ)に海辺のお墓 その下で静かに江梨子は 眠っている野菊だけど 江梨子よつんできたぜ 江梨子よ今では逢えは しない
いつでも いつでも 君だけを夢にみている ぼくなんだ星の光を うつしてる黒い瞳に 出合うたび胸がふるえる ぼくなんだいつでも いつでも 君だけが待っていそうな 街の角そんな気持に させるのは君の素敵な 黒い髪雨に濡れてた 長い髪いつでも いつでも 君だけと歩きたいのさ 夜の道ふたつ並んだ あの星もいつも仲良く ひかってる君と僕との そのように
笑い過ぎたきみが涙細い指でぬぐってるその笑顔に逢いたくて僕はおどけるのさもう 全部かくさずに打ち明けようとなんどもしたけれど言えないよ 好きだなんて誰よりもきみが近すぎて悲しいよ 夢だなんて君に届きそうなくちびるがほら空回りひとつ前の恋の話いつか僕に話したね安心して頼られるたびに弱気になるああ きみをだれかにねさらわれたなら 耐えられないくせに言えないよ 好きだなんて誰よりもきみが近すぎて言えない
改札口で君のこといつも待ったものでした電車の中から降りて来る君を探すのが好きでした悲しみに心とざしていたら花屋の花も変わりました僕の街でもう一度だけ熱いコーヒー飲みませんかあの店で聞かれました君はどうしているのかと伝言板に君のこと僕は書いて帰ります想い出たずねもしかして君がこの街に来るようで僕たちの愛は終わりでしょうか季節もいつか変わりました僕の部屋をたずねて来てはいつも掃除をしてた君よこの僕もわ
ローラ 君は 何故にローラ 心を とじてローラ 僕の前でそんなにふるえる今 君を救うのは目の前の僕だけさ生命も 心もこの愛も 捧げるローラ 君を 誰がローラ そんなにしたのローラ 悪い夢は忘れてしまおうこの腕に おすがりよ今 僕は 狂おしく祈りも 誓いもこの愛も捧げる ローラ祈りも 誓いもこの愛も捧げる ローラ祈りも 誓いもこの愛も捧げる ローラ
あの人に逢いたいたまらなく逢いたい高原に風はわたり白樺はゆれていた夏がゆけば 恋も終るとあの人はいつも 言ってたリーフ・リーフ……君にぼくの 恋を語ろうつぶらなる瞳よつぶらなる瞳よ高原の夏は過ぎて別れゆく夜はきた一人よせる 夢ははてなく残り火は 赤く燃えてたリーフ・リーフ……ぼくの恋は 消えてしまったあの人に逢いたいたまらなく逢いたい東京の空のどこかあの人は住んでいるせめて いちど逢ってききたい夏
路地の酒場が 逢わせてくれた君と云う名の 宝物ついておいでよ 今日からはきっと幸せ つかむから君の瞳に 明日が映るふたりをそっと 呼んでいるこんな都会に 山などないが辛い苦労の 山がある越えてきたのか 人知れずちゃんとその目に 書いてある君の瞳は 笑顔が似合う泣いたら夢も かくれんぼ命ふたつを ひとつに結ぶ赤い血潮の 糸がある何があっても 離れない何があっても 離さない君の瞳に 約束するよ誰にも愛
月のしずくが 一滴二滴(いってきにてき)おちょこにこぼれて 渦を巻く君の涙か 呼ぶ声か今も心を しめつける別れて一年 もう二年逢いたい逢えない 星空の酒ひとり手酌の 淋しさ辛さ背広で隠して やせ我慢ビルの谷間の 吹きおろしやけに今夜は 身に沁みる叱っておくれよ この僕を逢いたい逢えない 星空の酒夢を追う程 遠くへ逃げる追わなきゃ この手でつかめない君を迎えに 帰る日はいつになるやら 叶うやら忘れや
川の水面に 浮き沈み誰が流した 木の葉舟いのちをひとつに 寄せ合いながら涙で数えた 冬いくつふたり何処まで 流れ舟夜霧(きり)にまぎれて しのび逢う恋は運命(さだめ)か また夢かおまえの小さな その肩先に行き交う蛍の 薄明かり揺れて何処まで 流れ舟水にゆらゆら 身を投げて泣いているよな 木の葉舟噂を逃れて この世の果てに暮らせる倖せ あればいいふたり何処まで 流れ舟
悲しさまぎらす この酒を誰が名付けた 夢追い酒とあなたなぜなぜ わたしを捨てたみんなあげてつくした その果てに夜の酒場で ひとり泣く死ぬまで一緒と信じてたわたしばかです ばかでしたあなたなぜなぜ わたしを捨てた指をからめ 眠った幸せを思いださせる 流し唄おまえと呼ばれた 気がしたの雨ににじんだ 酒場の小窓あなたなぜなぜ わたしを捨てたじんとお酒 心に燃えさせて夢を追いましょ もう一度
夕焼け雲に 誘われて別れの橋を 越えてきた帰らない花が咲くまで 帰らない 帰らない誓いの後の せつなさが杏の幹に 残る町二人の家の 白壁がならんで浮かぶ 堀の水忘れないどこへ行っても 忘れない 忘れない小指でとかす 黒髪のかおりに甘く 揺れた町あれから春が また秋が流れていまは 遠い町帰れない帰りたいけど帰れない 帰れない夕焼け雲の その下でひとりの酒に 偲ぶ町
私が男になれたなら私は女を捨てないわネオンぐらしの蝶々にはやさしい言葉がしみたのよバカだな バカだなだまされちゃって夜が冷たい 新宿の女何度もあなたに泣かされたそれでもすがった すがってたまことつくせば いつの日かわかってくれると信じてたバカだな バカだなだまされちゃって夜が冷たい 新宿の女あなたの夢みて目が濡れた夜更けのさみしいカウンターポイとビールの栓のよに私を見捨てた人なのにバカだな バカだ
いまでは指輪も まわるほどやせてやつれた おまえのうわさくちなしの花の 花のかおりが旅路のはてまで ついてくるくちなしの白い花おまえのような 花だったわがままいっては 困らせた子供みたいな あの日のおまえくちなしの雨の 雨のわかれが今でもこころを しめつけるくちなしの白い花おまえのような 花だった小さなしあわせ それさえも捨ててしまった 自分の手からくちなしの花を 花を見るたび淋しい笑顔が またう
ぽつり ぽつりと 降りだした雨に男は何故か 女を想うひとり ひとりで 飲みだした酒に夢を浮かべて この胸に流すヤーレン ソーランヨ 都会の隅でヤーレン ソーランヨ 今夜も酒を風に 風にヨ 暖簾巻く風にヨ遠い故郷(くに)のヨ 父親(おやじ)を想うふらり ふらりと 居酒屋を出れば冬の近さが 心に吹くよヤーレン ソーランヨ 雨から霙(みぞれ)ヤーレン ソーランヨ 今夜も酒をふわり ふわりと 降りだした雪
きみにはきみの 夢がありぼくにはぼくの 夢があるふたりの夢を よせあえばそよ風甘い 春の丘若い若い 若いふたりの ことだものきみにはきみの 歌がありぼくにはぼくの 歌があるふたりが歌を おぼえたらたのしく晴れる 青い空若い若い 若いふたりの ことだものきみにはきみの 道がありぼくにはぼくの 道があるふたりの道は 遠いけどきのうもきょうも はずむ足若い若い 若いふたりの ことだもの
窓は 夜露に濡れて都 すでに遠のく北へ 帰る旅人ひとり涙 流れてやまず夢は むなしく消えて今日も 闇をさすらう遠き 思いはかなき希望(のぞみ)恩愛(おんあい) 我を去りぬいまは 黙して行かんなにを 又語るべきさらば 祖国愛(いと)しき人よ明日は いずこの町か明日は いずこの町か
水にただよう 浮草におなじさだめと 指を指(さ)す言葉少なに 目をうるませて俺をみつめて うなずくおまえきめた きめた おまえとみちづれに花の咲かない 浮草にいつか実のなる ときをまつ寒い夜ふけは お酒を買ってたまのおごりと はしゃぐ姿にきめた きめた おまえとみちづれに根なし明日なし 浮草に月のしずくの やどるころ夢の中でも この手をもとめさぐりあてれば 小さな寝息きめた きめた おまえとみちづ
風に吹かれて 飛ばされた風花みたいに 散った恋男ひとりの 旅まくら濡らす夜雨に おまえが浮かぶ俺の花 俺の花せめて心の 庭に咲け忘れられない 淋しさをまぎらす夜更けの 旅の酒馬鹿な男に 鷺草(さぎそう)の白い花びら 静かに揺れる俺の花 俺の花せめて心の 庭に咲け ほんの小さな 夢だっていいのとすがった 細い肩純なお前が いじらしいどうか倖せ つかんで欲しい俺の花 俺の花せめて心の 庭に咲け
幸せに なるんだよ 俺など忘れ優しい笑顔と そのえくぼ一生守って やりたいけれどこんなよごれた 男の胸じゃおまえを抱けない… 北の旅立ち鈍色(にびいろ)の 空の下 詫びてる俺に降り積むこな雪 身を責める明日なし夢なし 傘さえなくて歩き疲れて 振り向く先に面影揺れるよ… 北の旅立ち ひとり来た 最果ては 骨まで凍る別れることより 仕方(みち)がないおまえにゃ苦労を させたくなくて馬鹿な男の 涙の糸で
倖せを あげると誓った あの女(ひと)が誰かと 倖せ つかんだ噂湯島不忍(しのばず) おもかげ通り揺れてせつない 水面の月が男ごころに あぁ 沁みる夜切通坂(きりどおし) いつもの茶店の 片隅であの時 あの手を 離さずいたら湯島不忍(しのばず) おもかげ通り一生逢えない 女(ひと)だと知って風も泣いてる あぁ おとこ坂梅の香に 誘われ歩いた あの女(ひと)の黒髪 襟あし 睫毛のしずく湯島不忍(しの
流氷さえも 越えてゆく誰かが 追って来るのなら待つのに疲れた 君が居て連れ去り逃げたい おれが居るさらば さらば さらば サハリン航路運命(さだめ)も追えない 最果てを目指せ涙も 凍り付くほどの心の寒さ 寄せあって一緒に死んでと 君は泣く一緒に生きると おれは抱くさらば さらば さらば サハリン航路ふたりで行くのさ 最果ての街へ遙かに つづく海原に利尻・礼文が 遠ざかる昨日(かこ)など棄てると 君
あふれる涙は 拭(ぬぐ)えても今でも払えぬ おもかげひとつ倖せやれない この俺だから詫びているのさ 旅路のはてですず虫 すず虫 もう泣くな苦労のおもさに たえながらうらみもしないで 微笑みくれたあの頃おまえと ふたりで行った祭ばやしが 聞こえてくるよすず虫 すず虫 もう泣くな自分のことなど あとにしてかぼそいからだで 尽くしてくれたおとこの涙で にじんだ月をおまえ見てるか 都会のすみですず虫 すず
夜行列車おりて ただひとり夜明け真近の オホーツクこんな別離(わかれ)を するためにおまえ愛した わけじゃない…風の風の風の 風の北斗岬へ一生一度の 恋を恋を 捨てに来た赤く錆びた錨 その陰に咲いた夕顔 見て想うあんなせつない 瞳(め)をしてたおまえ残して 来たけれど…風の風の風の 風の北斗岬に一生消せない 恋が恋が 吹きぬける遠い汽笛聞けば また浮かぶ抱いてやりたい うしろ影二度と逢う日は ない
勝手な女(ひと)だね さいごまで泣いて別れを 切り出すなんて亀戸天神 太鼓橋何も言えずに 見送る背中さよならを さよならを 嘘にかえて…も一度 あなたに あなたに逢いたい木彫りの鷽鳥(うそどり) お前なら替えてくれるか 別れを嘘に亀戸天神 藤棚の忘れられない おとなの香りさよならを さよならを 嘘にかえて…も一度 あなたに あなたに逢いたい寂しい女だね でも好きさ奪いきれない あなたの心亀戸天神
駄目ね、とうとう 負けたのねそう、あなたの 殉情(じゅんじょう)に…酒と若さの 見間違い嗤(わら)っては 来たけれどこんな女で よかったら何を惜しむことなく 欲しいならば命も捧(あ)げたいわ好きと嫌いの 真ん中で強がるしか なかったの…ばかなからだの 淋しさにし続けた 回り道こんな女に なぜ惚れた懺悔(ざんげ)なんかしたって 帰れりゃしない昨日が憎らしい誰か、あなたに できた日は身をきっぱり 引く
思いどおりになるよな女じゃない事わかっていたけど あきらめきれないふいに出逢ったあの夜 お前は一人で手じゃくでしみじみ そこで飲んでいた一緒にいいかと 声をかけたら 軽くうなずいた飲んで 飲んで 飲まされて 酔って 酔って酔わされたまま オールナイトさ思いどおりにならない女みたいだねあきらめきれない しかたないかなお前も一度逢いたい せつない気持ちさあれからこの店 出逢えないままさあの時もっと 熱
胸に大志を 抱いてこそ井戸の蛙は クジラに化ける世間という名の 大海原へ若い真っ新な 夢だけ積んで晴れて漕ぎ出す エンエ エンエ エンエ エンエ エ 門出船つらい憂き目に 荒れる日は人のご縁が 御助け舟だ絆は切れない 八の字結び一期一会の 出会いを乗せて情けうれしい エンエ エンエ エンエ エンエ エ 門出船明日へ明日へと 舵を切る青くまぶしい 船頭すがた出世の二文字(ふたもじ) こころに抱いてド
泣き泣き別れた 佐世保の駅でいるはずもない 君をさがしてるバカだった バカだった 俺はバカだった離しちゃいけない 女(ひと)だった時計の針は 戻せないけども一度逢いたい 肥前路の女(ひと)二人で歩いた 嬉野(うれしの)あたり夢街道は 今も変わらないバカだった バカだった 俺はバカだった泣かせちゃいけない 女(ひと)だった許して欲しい あやまる事も今でも出来ない 肥前路の女(ひと)噂をたどれば 長崎
日暮れを待てずに 昨日も今日も赤提灯の 暖簾をくぐる夢に向かって 突き進んでた希望が砕けて 舞い落ちた男だろ 男だろ しゃがれた親父の声が聞こえる 叱り酒体をこわして ないかと書いた金釘文字(かなくぎもじ)の おふくろ便りそっと小遣い しのばせ入れてこらえた涙が 止まらない男だろ 男だろ しゃがれた親父の声が聞こえる 叱り酒親には顔向け 出来ないままで終われはしない 待ってて欲しい闇にまぎれて 泣
ラベンダーを おまえの髪に短い季節 はかない香り幸福(しあわせ)の駅 探してみても錆びた線路に 列車は来ないトマムの夏に 去りゆく夏になにを待つのか なにを待つのかなにを待つのか草を燃やし ふたりを焦がし夕陽が落ちる 風吹く大地南を指して 渡る鳥たち啼き声交わし 別れを告げたトマムの秋が もうすぐ冬がどこへ行こうか どこへ行こうかどこへ行こうか黒い森で 伸ばした腕は銀河の星を 掴めはしないしばれる