城 – 新居昭乃

針金でつくる
入り組んだお城を

テーブルの上の
中庭に日が射す

夏の部屋 夜明けの部屋
いいことだけを飾るの

ひとりひとり閉じこもる
子供の頃の私が

笑うこと しゃべること
棚の奥 しまい込んで

誰にも見られずに
眠るの 鍵をして

入り口 守る人
知っている 誰なの?

剣を向けている
この世界すべてに

からだ中を傷つける
針金 永遠の罠

自分の手でつくったの
外に開くドアはない

考えること 思うこと
もうやめてもいい?
お願い

静かな絶望に
ただ ただ耐えるの
誰にも見られずに
眠るの 鍵をして