どこまでも節 – 斎藤松声

お前とならば何処までも
草の屋根 竹の柱の中までも
どこいとやせぬ

竹の柱はまだおろか
手鍋さげ九尺ニ間の長屋でも
どこいとやせぬ

手鍋さげるはまだおろか
玄海のさかまく怒涛の中までも
どこいとやせぬ

玄海灘はまだおろか
シベリアの雪や吹雪の中までも
どこいとやせぬ

シベリア吹雪はまだおろか
太平洋 水やつららの中までも
どこいとやせぬ

太平洋はまだおろか
ヒマラヤの鳥も通わぬうみまでも
どこいとやせぬ

ヒマラヤ山はまだおろか
アラビアのこま鳴く砂漠の中までも
どこいとやせぬ

アラビア砂漠はまだおろか
ブラジルの猛獣毒蛇の中までも
どこいとやせぬ

猛獣毒蛇はまだおろか
北極の氷の刃の中までも
どこいとやせぬ

氷の刃はまだおろか
成仏し三途の川を渡るとも
どこいとやせぬ
二人連れ