くつひも – 斉藤朱夏

ほどけかけてた靴紐を口実にして
君の足を止める 延長戦
次は何話そう 頭の中 作戦会議
なるべくゆっくり結び直すの

過ぎていく時間とは裏腹に
絡まってく言葉は上手く結べないや

もっと近づきたいよ
そんなこと まだ言えやしないな ああ
もしも口にしてみれば 似合わないよって笑われそうだ
きつく締めたこの靴紐の蝶々結びのように
手と手 繋げたらいいのに

一番伝えたい気持ちとか言葉だけが
一番言えないのはどうしてなの

王子様とはちょっと違うけど
誰にも気づかれない 不思議な魔法使いさ

もっと近づきたいよ
ねえ 君の隣 歩くだけで ああ
すり減ったこのスニーカーもガラスの靴に思えてくるんだ
きつく締めたこの靴紐のような意地っ張りが ふっと
ほどけたらいいな

愛してるってフレーズじゃ
大げさに思われてしまうかな
ああ もう 苦しくて 嬉しくて
この想いを他にどう言えばいい?

もっと近づきたいよ
こんなこと 君以外にありえない
もしも口にできたなら 笑わないでちゃんと聞いて欲しいんだ
きつく締めたこの靴紐の蝶々結びのように
手と手 繋いでほしいんだ
ぎゅっと 繋いでほしいんだ