みーちゃんダメ どこ行くのみーちゃんダメ こんな夜更けに草木が濡れて擦れる匂いみーちゃんダメ こっちにおいでみーちゃんダメ どこ行くのみーちゃんダメ 目を見てごらん花火は終わりみんな帰るのみーちゃんダメ こっちにおいでみーちゃんダメ 出ておいでみーちゃんダメ そんなところで九月が君を見つける前にみーちゃんダメ ゆきなさい
すんかすと虫が這って死ぬる季節を連れてきたねんごろの 欲望は話を聞いてはくれないよ現れたその気持ち名前をつけてはいけないよ愛してる 死んであげるそれじゃまた今日は満たされない風がいつも吹き抜ける昨日とは違った風だよ「あら、よくきたね」と有りえない窓ノックして君の顔 耳の形食べちゃいたいほど吐きそうだそう 愛してる 声がしてる旋毛からつま先の先までひゅーどろと 犬が吠えて愛し季節を連れてきたねんごろ
このゲートをくぐる時 振り向けど私がいたことを誰も知らず眠りつくは持て余す暗闇をあなたと抱きしめた そんな事もありえない そう思ったあの時来るはずない そう思ったこの街で夢は覚めて街灯りが君を連れて行くこの手に何も残さず遠ざかる弧を描くライトの点滅に読みとれた言葉は「ねむれよ ねむれよ」ありえない そう思ったあの時来るはずない そう思ったこの街で夢は冷めて街灯りが君を連れて行くこの手に何も 何も残
坂道を駆け下りるこの体に開かれた世界を置き去りに鳥のように駆け下りる重心を低くとり加速するこの命が過ぎてく家や木々を抽象の絵に変える季節が耳打ちする「似合わない服を脱げ」ときっと君は気づいてた目的を通り過ぎたとその角を曲がれば細く暗い道に出るいつかは 会えるだろう嘘みたいなそんな場所で季節が耳打ちする「おれたちに何を待つの」閉め切られたあの窓に自由だと言い聞かせて坂道を駆け下りるこの体に開かれた世
頃合いをみてはここでまた会おう乱れ飛ぶ交通網を縫ってやがておれたちは 砂浜の文字を高波に読ませて言うだろう「長くかかったね 覚えてる」風よ このあたりはまだか産みおとされた さびしさについて何も 語ることなく歩き始めたこの道に吹いてくれ頃合いをみてはここでまた会おう衣摺れの御堂を駆けてやがておれたちは 新聞の隅で目を凝らす誰かに言うだろう「今にわかるだろう 恋してた」風よ このあたりはまだか手持ち
こんな事もあるものか 留まっていられようかそれは土手から川べりへ、スパイラルを描くやぶ蛇です。ここへは何度も来ましたが、未だに向こう岸に渡れません。冷めるが冷え切らぬ温度に膨張し、一心不乱に同じ動作をするのが我が常です。鉛筆、尖らせて先端を見つめます。今見たのが眠れない理由で、これから見るのが眠るべきひとつの答えです。いつ君が来てもいいように、ボトルのフタを全て空けておきました。きっとこれを、気に