街はもう変わり果てて光も暮らしもない夜にお前だけだ その夜にあんなに笑っていた奴は 壊されたドア 流れ込む空気に肺が満たされてく 今何も言わないで お前だけだ あの夜にあんなに笑っていた奴は私だけだ この街でこんな思いをしてる奴は 絞り出した 一言は遠くの国の言葉だったいませんか この中にあの子の言うこと わかる者は 倒された標識示す彼方へ急ごう 終わりの向こうここからは二人きり お前だけだ その朝にあんな
ねえ どこにいたの 窓辺には空白んで僕につげる 「また巡り逢うよ」と 真新しい街に 海鳴りがきこえて手を振る誰かが 笑っている ここに 願う 願う 願う君が朝を愛するようにここに 願う 願う 願うその庭を選び今に咲く、花! 最後に ひとつ 聞きそびれた事ふと呟いてる「あの日なぜ逢えたの?」 お祭囃子の 人波の向こうで手招く誰かを 覚えている ここに 願う 願う 願う君が朝をおそれぬようにここに 願う 願う 
みーちゃんダメ どこ行くのみーちゃんダメ こんな夜更けに草木が濡れて擦れる匂いみーちゃんダメ こっちにおいで みーちゃんダメ どこ行くのみーちゃんダメ 目を見てごらん花火は終わりみんな帰るのみーちゃんダメ こっちにおいで みーちゃんダメ 出ておいでみーちゃんダメ そんなところで九月が君を見つける前にみーちゃんダメ ゆきなさい
すんかすと虫が這って死ぬる季節を連れてきたねんごろの 欲望は話を聞いてはくれないよ 現れたその気持ち名前をつけてはいけないよ愛してる 死んであげるそれじゃまた今日は満たされない 風がいつも吹き抜ける昨日とは違った風だよ「あら、よくきたね」と有りえない窓ノックして 君の顔 耳の形食べちゃいたいほど吐きそうだそう 愛してる 声がしてる旋毛からつま先の先まで ひゅーどろと 犬が吠えて愛し季節を連れてきたねんごろ
そちらは揺れたろうか揺れたろうか 交わる事のない道なりに 地平を破いた風景が通り過ぎてく彼の地のあなたと呼び合い歌うは夢だろうか夢だろうか そちらは揺れたろうか揺れたろうか
このゲートをくぐる時 振り向けど私がいたことを誰も知らず眠りつくは持て余す暗闇をあなたと抱きしめた そんな事も ありえない そう思ったあの時来るはずない そう思ったこの街で 夢は覚めて街灯りが君を連れて行くこの手に何も残さず遠ざかる 弧を描くライトの点滅に読みとれた言葉は「ねむれよ ねむれよ」 ありえない そう思ったあの時来るはずない そう思ったこの街で 夢は冷めて街灯りが君を連れて行くこの手に何も 何も残
坂道を駆け下りるこの体に開かれた世界を置き去りに鳥のように駆け下りる 重心を低くとり加速するこの命が過ぎてく家や木々を抽象の絵に変える 季節が耳打ちする「似合わない服を脱げ」ときっと君は気づいてた目的を通り過ぎたと その角を曲がれば細く暗い道に出るいつかは 会えるだろう嘘みたいなそんな場所で 季節が耳打ちする「おれたちに何を待つの」閉め切られたあの窓に自由だと言い聞かせて 坂道を駆け下りるこの体に開かれた世
頃合いをみてはここでまた会おう乱れ飛ぶ交通網を縫って やがておれたちは 砂浜の文字を高波に読ませて言うだろう「長くかかったね 覚えてる」 風よ このあたりはまだか産みおとされた さびしさについて何も 語ることなく歩き始めたこの道に吹いてくれ 頃合いをみてはここでまた会おう衣摺れの御堂を駆けて やがておれたちは 新聞の隅で目を凝らす誰かに言うだろう「今にわかるだろう 恋してた」 風よ このあたりはまだか手持ち
こんな事もあるものか 留まっていられようかそれは土手から川べりへ、スパイラルを描くやぶ蛇です。ここへは何度も来ましたが、未だに向こう岸に渡れません。冷めるが冷え切らぬ温度に膨張し、一心不乱に同じ動作をするのが我が常です。 鉛筆、尖らせて先端を見つめます。今見たのが眠れない理由で、これから見るのが眠るべきひとつの答えです。いつ君が来てもいいように、ボトルのフタを全て空けておきました。きっとこれを、気に
苔のむすのを 踏みうち踏みぬき麓へ下る 水流る箇所箇所廻り黒たび白たび火元はいつも この私 あがらごうごごうごうごうごごうごうごうごごうごうごうごうごう老い先まわれ男達 君を好くのに断りを入れた草木も今じゃ刈り取られ春先迎え小さく死ぬればここではないぞ ここじゃない あがらごうごごうごうごうごごうごうごうごごうごうごうごうごう丑の刻間近 女達 子どもら走る 犬猫が続く波を受け止め 毒を避け高速道路横切って
かける はねる真澄の空に手をかざす喝采と悪口が代わるがわる血を注ぐ つねる かわす好き合うものに日が暮れる互いの生傷を薄暗に伏せている 歌が唇を 伝うほどに手を取りて消えて行く手を取り君たちは ひかる はぜる雨粒のように酒が降る礼には及ばぬと傘を託し去る男 みだる まざる知らぬ祈りに血がたぎる各都市の私が呼び合うようにいくさ場へ 歌が唇を 伝うほどに手を取りて消えて行く手を取り君たちは手を取りてどこかへ 酔う
平成、疲れてた それはとてもどこにも行けず止まれずに夕焼けよ 通りを覆え 赤くあれ 平成、眠っている 小さく熱くヘッドライトが壁で遊ぶ嗚呼夜よ 子供達に静かなれ 平成、咳をする 低く深くあらゆる苦を噛み直す そして歌い出す きみが笑う幸、おれたちに 多くあれ 平成