新宿で 見る月に白いウサギは 住めないとぽつり淋しく 言ったやつ世間の流れに 置き去りの俺とおまえは 忘れ草新宿の 新宿の月も寒かろ 冬の風 新宿に 出る月はビルに隠れて おふくろが切り絵夜なべで 上げるのか忘れて生きてる 故郷(くに)訛(なま)り帰り道など 見えぬ路地新宿の 新宿の月が明日(あした)の 道しるべ 新宿に 来る月に俺のこの夢 叶えてと荒れた両手を 合わすやつねぎらう言葉も 言えないが肩
赤城おろしが のれんを揺らし酒場(みせ)に灯りが ともります旅のつかれを 癒してくれる女将(おかみ)の笑顔に 誘われて深谷宿 情け町一夜泊りが 又 延びる 清く流れる 大利根川は故郷(くに)とつながる きずな川春になったら 城跡あたり桜もきれいに 咲くだろう深谷宿 縁(えにし)町夢の途中か 影法師 昭和時代の 面影写す古い町並み 恋シネマ造り酒屋の 煙突見上げ雨の気配か 鉛雲深谷宿 名残り町明日は越後
障子開ければ 外は細雪寒くないのと ショールを肩にかけるお前の横顔が涙に濡れて 夜が更ける湯涌の宿に 恋灯り 影笛流れる 北陸(きた)のかくれ里これも運命(さだめ)と ふるえるお前そっと抱きしめ見る夢は儚く消えて 浅野川湯涌の宿の 恋灯り 明日の別れを きざむ砂時計送らないでと か細いうなじ赤い椿の石畳夢二の描く 絵のような湯涌の宿は 恋灯り
狭霧にかすんだ 外国船の汽笛が出島の 空に鳴る坂の長崎 石だたみあなたを偲び オランダ坂をそぞろ歩けば 肩先にポツリポツリと 俄か雨がふる 一年一度の 「くんち」の逢瀬後へはもどれぬ 恋でした秋の長崎 蛍茶屋南京花火 はじけるように三日三晩の 熱をもち燃えてあなたの 強い腕の中 ふたたび逢えない 悲しみ抱いて唐人屋敷の 路地を行く雨の長崎 思案橋中島川に 面影ゆれてあなた恋しと 泣く胸に遠くマリアの 
空にたなびく 春霞(はるがすみ)続く並木の 千本桜(せんぼんざくら)人の喜び 悲しみを乗せて流れる せせらぎよそよぐ川風 故郷の夏井川 夕陽 赤々(あかあか) 手を繋ぎ母と帰った 岸辺の小径遠い想い出 懐かしく揺れて川面に また浮かぶ心やすらぐ 故郷の夏井川 そよぐ紅葉(もみじ)の 鮮やかさ岩に砕けて 飛び散る飛沫(しぶき)遊ぶ水鳥 滝の音巡る季節の 彩(いろど)りよ流れ たゆまぬ 故郷の夏井川
アスファルトに 落とした涙ヒールで踏みつけてこの街とも あんたともこれでお別れね淀屋橋 中之島夜霧に煙った 御堂筋今夜はどこまで 歩いてゆこうか……街灯りが遠くなる 大阪セレナーデ 傷ついては 拾った恋に流れて 流されてふりかえれば またひとつ愛の物語あほやから 私って尽くして 尽くして 尽くすほどあんたの心に 住めると思って……街灯りが遠くなる 大阪セレナーデ 淀屋橋 中之島夜霧に煙った 御堂筋今夜
帰ってくるなと 手を振れば可愛い我が子の 船が出る春の御蔵は 花と影ニオイエビネの 香り立つ 島を離れた 若者も稲根(いなね)の祭りにや 戻る浜夏の御蔵は 練り神輿惚れた女御を 見せに来い オオジィ巣立つは カツオドリイルカの群れには 小さな子秋の御蔵は 乙女袖数え15の 祝い酒 西風(にし)のてっぱつ 吹き荒れて忌の日の明神 降りてくる冬の御蔵は 宝船村中総出で ツゲを切る 春夏秋冬(しゅんかしゅうとう
どこへ行ったら あなたから旅立つことが 出来るでしょうか残りの夢を 詰め込んだ鞄を膝に 列車旅女 みちのく 五能線窓いっぱいに 日本海 愛が終わった あの部屋にあなたはいまも ひとりでしょうか私の匂い するものはどこかへ捨てて 邪魔ならば過去を 置き去り 五能線出直すための 衣替え ひとり歩きに 馴れるには時間が幾ら かかるでしょうか終着駅の そこからが本当は長い こころ旅涙 みちのく 五能線夕陽が落
このままでいいね そうねこのままであなたがいいなら わたしはいいの青葉が紅葉にそして墨絵に変っても 心は変らない抱いて抱いて抱いて おんな狂おしく燃えて呆けた 夜の道行(みちゆき)鵜飼舟 かがり火はぜて月も渡った 渡月橋 このままでいいの そうよこのままであの時よければ わたしはいいのみぞれが小雪に恋の行方を尋ねても 心が凍るだけ泣いて泣いて泣いて おんな酔いしれて揺れて崩れた ひとり道行(みちゆき
悲しいだろう あんたはいつも涙なんかは 見せないけれど胸に刺さった傷がある俺のギターじゃ癒せないされど戻れぬ この歌人生にかけた男の かけた男の 演歌を聴いてくれ 函館 小樽 長崎 博多俺もあんたも 流れもんでさ風は冷たく吹いていた俺のギターは沁みるよとあんたは言って ただ遠くを見てた故郷の空が 故郷の空が あの日は恋しくて あんたのいない 寂れた街はよけい寂れて 人恋しくて誰も知らない思い出さ俺のギ
後を引くのは 判っていても想い出づくりの 二人旅これが最後の わがままならば舟に揺られて 橋めぐり…あやめ咲かせた 潮来の雨はなんで別れの 雨になる いっそ酔いたい 呑めない酒に今夜が着納め 宿浴衣窓の外では よしきりまでがつらい二人に 貰い泣き…出島 真菰の 潮来の雨は朝に未練の 雨になる 無理を言っては いけない人に無理を通すも 女ゆえあやめ濡らした 潮来の雨は止まぬ涙の 雨になる
あなたの瞳は なんの色月の裏側の 海の色夜ごとに抱かれて のぞいても見知らぬ砂漠を映すだけあなたは気まぐれ 家なき子私の乳房をにぎりしめ誰かを慕って夢の中私もトロトロ 添い寝して灼熱地獄の夢を見るねんねんころり ねんころり月の砂漠に降る雪は真っ赤な 真っ赤な 乱れ雪真っ赤な 真っ赤な 乱れ雪 あんまり誰かを 愛するとほんとの答えが身を隠す嫉妬で もつれた長い髪ブラシで梳かせば 泣けてくる男は女を知り
桜橋から 大橋みれば川の岸辺に かげろう揺れる流れる雲よ 空の青さよ犀星の詩(うた)を うつす犀川(さいがわ)この街に生まれ この街に生きるわがふるさとは金沢 夢を抱く街 春の風ふく 香林坊(こうりんぼう)に小松砂丘の 句(ことば)がのこる過ぎゆく歳月(とき)よ 街は変われど辰巳の用水(みず)は 今日も流れてこの街に生まれ この街に生きるわがふるさとは金沢 夢を抱く街 君を見送る 兼六園の雪の白さが 
たどりついたら 岬のはずれ赤い灯が点く ぽつりとひとついまでもあなたを 待ってるといとしいおまえの 呼ぶ声が俺の背中で 潮風(かぜ)になる夜の釧路は 雨になるだろう ふるい酒場で 噂をきいた窓のむこうは 木枯まじり半年まえまで 居たという泣きぐせ 酒ぐせ 泪ぐせどこへ去(い)ったか 細い影夜の函館 霧がつらすぎる 空でちぎれる あの汽笛さえ泣いて別れる さい果て港いちどはこの手に 抱きしめて泣かせてや
季節はずれて淋しげにそっと一輪 咲く花を「帰り花」って言うのよとお前がいつか教えてくれた あれからいくつも春がゆきどうしてる? 何してる?隣でいい人 微笑(わら)っているか?今でも俺の心の隅で泣いているよな 帰り花 つかみそこねた夢だって追えばいつかは かなうのを「帰り夢」って言うのよとくじけた俺を支えてくれた ふたりで流れた北の街粉雪よ しばれるね若さの炎で 薪(たきぎ)を焚(た)いて体を寄せて心を寄
ついてゆきますあなたが 夢をいつかかなえる その日まで紅白(あかしろ)夫婦(めおと)の 折り鶴ふたつ窓にならべて 肩抱き合えば星が流れる 折り鶴の宿 行ってみようか想い出 たずね遠い昔の あの宿にふたりで歩いた 人生峠息もつけない 胸突き坂もやっと越えたね 折り鶴の宿 どんな苦労も嵐も 雨もお前の笑顔が 屋根がわり子供みたいな わがまま亭主どうか変わらず よろしく頼む灯りやさしい 折り鶴の宿
吹雪まじりに 汽笛が鳴いてふっとあんたの 面影がくもりガラスの 窓に映って長い冬です 寒い肌ハァー 夢でも 逢いたいよハァー 夢でも 抱いとくれ恋しさつのって ひとり泣く ハァー はるか彼方は 相馬の空かよ ナンダコラヨート 山の根雪が 溶け出す頃は花も咲かせる 風も吹く鳴瀬(なるせ)の川に あんたの名前呼んでみました 淋しくてハァー 幼児(こども)のしぐさもよハァー あんたに似てくるよ季節の変わりを
生きてゆくのが 下手だからにがさ重ねて 千鳥足いいのいいのよ あんた……風がヒュルヒュル 沁みる夜(よ)は錨(いかり)おろして この胸に 淋しがりやで 惚れたがりなおらないわね 死ぬまではいいのいいのよ あんた…一夜泊りの 船だってともす灯りは 夢灯り 苦労ひろって 港町やせたおんなの 縄のれんいいのいいのよ あんた……つれていってと 云えないですがる背中に 霧が降る
涙の雨より 悲しいことはあなたと歩く 傘がないせめてしぐれが 小雪(ゆき)になるまでそばにいさせて 引き止めて抱いて下さい 夜明けに染まるまで帰したくない 雪の傘 幸福(しあわせ)なのかと きかれるたびに心がいつでも 痛くなるめぐり逢うのが 遅いだけなら何故にあしたを つれてくる抱いて下さい 眠ってしまうまで夢でより添う 雪の傘 あしたが雪なら 死ぬほど積もれあなたをこのまま 閉じこめて少し飲ませて 
誰もいない 誰もいない裏窓ぬらす 雨の音酒で心を だましだまして飲んでも今夜は 酔えないわ髪をやさしく あなたは撫でてどんな時でも わがままをあなたは笑い 聞いてくれたわ忘れられない忘れられない 愛の日々 誰もいない 誰もいない唇さえも 冬の色夜の鏡に 紅をひいても無口な心は 晴れませんひとりぽっちの わたしのためにあなたお願い もう一度明日を生きる 希望の詩を昔みたいに昔みたいに うたってよ ひとり
お酒 飲まなきゃ いい人だけど飲んだら 喧嘩(やんちゃ)の 悪い癖いいの いいのよ うれしい苦労膝で 眠って 下さいなあたしが この人 ついていなければ そばで 見てなきゃ 何も出来ず心の 弱さに コップ酒いいの いいのよ 惚れたのだから少し お下がり 頂くわあたしが この人 ついていなければ 涙もろくて 生き方 下手で童子(こども)が 大きく なったままいいの いいのよ あしたのことは着物 売っても
約束もなく 日が昏れて衣笠山に 一番星です蚊柱(かばしら)を追う 蝙蝠(こうもり)も機織る音も 変わらないですね夏は 火の車 抱いたまま冬は 心に闇を 凍らせて母が唄った 星の歌あの星は あの星はあなたにとって 何ですかあぁ 時は身じろぎもせず悠久のままあぁ 時は身じろぎもせず悠久のまま千年の古都 これほど星が 多いとは玻璃(ガラス)の街で 忘れていました根付の鈴を 嬉しさに地蔵の辻で 鳴らしてみま
生きてゆくのが つらい日はおまえと酒が あればいい飲もうよ 俺と ふたりきり誰に遠慮がいるものか惚れたどうしさ おまえとふたり酒 苦労ばっかり かけるけど黙ってついて来てくれる心に笑顔 たやさない今もおまえはきれいだよ俺の自慢さ おまえとふたり酒 雪がとければ 花も咲くおまえにゃきっとしあわせをおいでよ もっと俺のそばつらい涙にくじけずに春の来る日を おまえとふたり酒
髪を押さえる 小指の白さ胸の思いが 言えなくてそっと別れた 故郷(くに)の駅風はあの日の 夢を連れてくる夢風は恋の風 思い出に抱(いだ)かれて微笑を集めては微笑に泣いている 寂しがりやの 野菊が好きと部屋に一輪 飾っては僕の名前を 呼んでいた花の香りが 今もジンと来る夢風は愛の風 遠い日に酔いしれてまごころを拾い出しまごころに泣いている 女らしくて 気持ちが純で母に良く似た 人だった人の前では 見せな
桜花びら 幾千も瞳をうずめて 空に舞いきららきららと 哀しみが四月の海に 降りしきる突然 この世から あなたをなくして涙かれはて こころ狂おしく…会いたくて 会いたくてあなたに 会いたくて―明日へ行けない 海を見つめて ただひとり時間の迷子に なってますいっそわたしも あとを追い霞の彼方に 消えたくて…あなたがこの胸に 生きてるかぎりはきっとわたしは 誰も愛せないさよならも さよならも言えないままだ
ひとりで旅する おんなの背中泣いているよに 見えますかあなたをどんなに 愛してもいつかこころの すれ違い安芸の宮島 朱色の鳥居胸の痛みを わかって欲しい… 感じていました あなたはいつも愛の狭間で 揺れていたこんなに小さな 指輪でも捨てる勇気が ありません安芸の宮島 弥山(みせん)に立てば瀬戸は引き潮 涙でかすむ… 未練という名の こころの霧はいつになったら 晴れますかあなたを忘れる おんな旅今日で終
蝉は三日で 蛍は二十日いのち限りに 生きるならあなたについて 江戸を出る親や世間の 岸辺をはなれ橋も掛からぬ 橋場の渡し 北は陸奥(みちのく) 東は上総(かずさ)舟の向くまま 風のまま菅笠(すげがさ)抱いた 二人づれそっとつないだ 手と手のぬくみ恋の闇夜の 橋場の渡し 瓦竈(かわらかまど)の 煙が揺れる揺れぬこころの うれしさであなたの顔を のぞき見るもっと漕ぎやれ 船頭さんよ恋の道行き 橋場の渡し
襖一枚へだててもあなたの寝息がきこえます郡上のナー郡上おどりの盂蘭盆会心の火照りをもて余しわたし… わたし… 寝返りをうつ 帰り仕度をいそいでるあなたの姿は見たくない泣いてナー泣いて明かした仮の宿一年一度を待ち佗びてわたし… わたし… 溜息をつく 水路めぐって秋の風御霊(みたま)を送ればうろこ雲別れナー別れせつない夢のあとふたりで一緒に暮らしたいわたし… わたし… 呟いてみる
泣いちゃいけない 涙をおふき泣けば見えない 俺の目が花も嵐も ふたりの旅路過去をわすれて 出直そうおまえは俺のおまえは俺の 俺の宝もの 薄い背中を ふるわせながら俺のこの胸 すがる女(やつ)夢も涙も ふたりの旅路命かけても 守りたいおまえは俺のおまえは俺の 俺の宝もの 窓をあければ 春告げ鳥が生きてゆこうと 歌ってる花も嵐も ふたりの旅路きっとなろうよ しあわせにおまえは俺のおまえは俺の 俺の宝もの
隠しきれない 移り香がいつしかあなたに 浸みついた誰かに盗られる くらいならあなたを 殺していいですか寝乱れて 隠れ宿九十九折り 浄蓮の滝舞い上がり 揺れ堕ちる肩のむこうにあなた… 山が燃える何があっても もういいのくらくら燃える 火をくぐりあなたと越えたい 天城越え 口を開けば 別れると刺さったまんまの 割れ硝子ふたりで居たって 寒いけど嘘でも抱かれりゃ あたたかいわさび沢 隠れ径(みち)小夜時雨