遅咲きの蒼 – 平義隆

思い返せば 楽しい事など 少なくて
それでも 笑っていられたのは
たぶん あなたが そうだったから

一つ目の春をくれた人は
一番のものに嘘をつく とても強い男(ひと)でした

遅咲きの蒼 もしそんな花あるのならば あなたに
無ければ駆けるから
その年の最後に 降る雪を 見たいと言った
あなたに見せたい景色がある
北へ その雪である為に

思い返せば 楽しい事しか なかったと
いつでも 代わりに言い続ける
きっと あなたが そうだったから

二つ目の春をくれた人は
一番の友の夢に懸け 時代走る男(ひと)でした

遅咲きの蒼 もしそんな花あるのならば あなたに
なければ描けるから
名前を憶えていますか? そんな事 言えるくらいに
あなたに誇りたいものがあるから
筆を「幸せだった」と言う為に

遅咲きの蒼 もしそんな花あるのならば あなたに
なければ描けるから
その年の最後に 降る雪を 見たいと言った
あなたに見せたい景色があるから
北へ その雪である為に

その年の一番最後に 降る雪を 忘れ雪と言うのです

そんな雪のような もののふたちでした――――。

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