淡き花散りゆく前に – 平義隆

鮮やかに咲き誇る花びら見上げれば
あの日のあなたのように風に揺れている
どれほど色彩(いろ)を重ね筆を走らせても
描ききれぬ想いが溢れるのです

あなたと共に見た景色 辿った季節の記憶が
心の深い場所を叩き続けている

名もなき淡い花が赤く染まる前に
悲しみさえ追い越して 今を駆け抜けて
色づく刻 儚く枯れてゆくのならば
あなたが笑うためだけ命を駆けよう
まだ見ぬ明日の希望(まこと)を描くよ

歴史に翻弄した気高き熱情を
もう瞳をそらさないで焼き付けるだけ

あなたと見たかった景色 祈りと夢想のまほろば
きっとあると信じて探し続けている

舞い散る淡い花が散ってしまう前に
刹那の夢抱いたまま 早く駆け抜けて
溢れるこのナミダは孤独だからじゃなく
波乱の時代の中でめぐり逢えたから
この背に刻んだ真実(まこと)が叫ぶよ

守るべきものは何か?
背負うべきものが何か?
自問自答してきたけれど
誠実な刃だけが答え知っている

名もなき淡い花が赤く染まる前に
悲しみさえ追い越して 今を駆け抜けて
溢れるこのナミダは孤独だからじゃなく
波乱の時代の中でめぐり逢えたから
まだ見ぬ明日の希望(まこと)を描くよ