紅の橋 – 平田京子

かたく結んだ 帯紐(おびひも)を
あなたの情けが ほどかせた
儚(はかな)い夢です この恋は
知っていながら 逢いたくて
今夜も渡る 紅の橋

一夜一夜(ひとよひとよ)を 重ねたら
運命(さだめ)の向こうへ 行(ゆ)けますか
どなたの元へも 帰さない
そんなわがまま 言えなくて
唇かんで 紅をさす

白い障子を 染めながら
夜明けが別れを つれてくる
縋(すが)ればなおさら つらいから
たぎる胸の火 ため息に
つつんで流す 紅の橋