(台詞)「赤城の山も今夜を限り、生れ故郷の国定の村や、縄張りを捨て、国を捨て、可愛い子分の手前(てめえ)達とも別れ別れになる道途(かどで)だ。」強い者だけ 大手を振って渡る世間に 横車押して追われて今宵限りの 赤城山月を浮かべた 水盃を干して忠治の 男泣き『たとえ義理でも 親子の縁を切って来たのか 渡世ゆえさぞや辛かろ この国定を許せ 板割り浅太郎せめて形見の 勘坊だけは後生大事に 抱いて行け吹い
夜の浜辺の 舟小屋で舟べりたたく さざ波があなたの声に 聞こえます港の端の 常夜燈こころの闇を 照らしますもういちど逢いたくて想い出の あなたの港に 来ています泣いて 泣いて 泣いてあきらめられるのはあなたの肩しかないのです海にまたたく 漁火がローソク岩に 火を灯(とも)す未練の先に 火を灯す流れる星を 指差してあなたは別れ 教えてたもう二度と出逢えない さよならがこの世にあるとは 信じない今も 
娘盛(ざか)りを 渡世にかけて張った体に 緋牡丹燃える女の 女の 女の意気地(いきじ)旅の夜空に 恋も散る鉄火意気地も しょせんは女濡れた黒髪 緋牡丹ゆれる女の 女の 女の未練更けて夜空に 星も散る男衣裳に 飾っていてもさしたかんざし 緋牡丹化粧女の 女の 女の運命(さだめ)捨てた夜空に 一人行(ゆ)く
瀬戸は日暮れて 夕波小波あなたの島へ お嫁にゆくの若いと誰もが 心配するけれど愛があるから だいじょうぶなのだんだん畑と さよならするのよ幼い弟 行(ゆ)くなと泣いた男だったら 泣いたりせずに父さん母さん だいじにしてね岬まわるの 小さな船が生まれた島が 遠くになるわ入江の向うで 見送る人たちに別れ告げたら 涙が出たわ島から島へと 渡ってゆくのよあなたとこれから 生きてく私瀬戸は夕焼け 明日も晴れ
おまえと呼ばれた うれしさに熱い涙を かみしめる一度でいいから やさしい胸に胸にあまえて みたいのよ逢えてよかった よかったわあなた しっかりしっかり抱いててよ悲しい過去なら おれもあるいまのおまえが 好きという傷つきながらも それでもあなたあなたさがして 来たわたし逢えてよかった よかったわあなた しっかりしっかり抱いててよあなたが灯す ひとすじの愛のともしび
顔もみたくないほどあなたに嫌われるなんてとても信じられない愛が消えたいまもほこりにまみれた 人形みたい愛されて 捨てられて忘れられた部屋のかたすみ私はあなたに 命をあずけたあれはかりそめの恋心のたわむれだなんてなぜか思いたくない胸がいたみすぎてほこりにまみれた 人形みたい待ちわびて 待ちわびて泣きぬれる 部屋のかたすみ私はあなたに 命をあずけた私はあなたに 命をあずけた
お前達者でナー あんたも無事でヨーそろたそろたよ 笑顔の花が今日はめでたい 門出じゃないか金の屏風に 鶴と亀ふたつ並んだ この晴れ姿どうか皆の衆でエー 祝っておくれ昇る朝陽はナー 東の空へヨー夢がひろがる まぶしく光る雲を掴んで でっかく生きろ山になるなら 富士になれここらあたりで 鏡酒を割ってどうか皆の衆でエー 祝っておくれ松の緑にナー いろどり添えてヨー雪は繭玉
恋の「いろは」は 誰からも習わなくても 覚えます募る思いを 知りながら逃げる男の 憎らしさ待って 待ってください あなた娘ひとりの 道行(みちゆ)きは桜吹雪も 石つぶて越すに越せない日高川(ひだかがわ)……道成寺(どうじょうじ)初心な未通女(おぼこ)も 恋衣(こいごろも)着れば情けに 溺れます水じゃ消せない 未練火が肌の隅まで 焼き尽くす抱いて 抱いてください あなた女ごころの 滝壺にゃ白い大蛇(
四角四面の 世間とやらを丸い笑顔で 生きられたなら楽しじゃないかくよくよするなよ めそめそするな今日が駄目でも 明日があるさ昭和生まれの 渡り鳥エ エー渡り鳥ひと目惚れだと 浮かれていても好きな気持ちを 打ち明けなけりゃ恋にはならぬくよくよするなよ うじうじするな誠意(まこと)みせれば 愛情(こころ)は通う昭和生まれの 渡り鳥エ エー渡り鳥百の苦労に 倖せひとつ生きる坂道 手を取りあって歩こじゃな
胸でうず巻く 命の炎抱いていばらの 道をゆく苦労冷や飯 奥歯で噛んで耐えろ 希みが叶うまで男一代 夢よ咲け度胸生きざま 覚悟のほどは腑抜けなんかにゃ わかるまい死んだつもりで やるだけやればいつかでっかい 実もなるさ男一代 花と咲け勝って驕るな 負けても泣くな円い月夜も 一夜きり蔭に日向に 汗水流す根性ひとつが 切り札さ男一代 明日に咲け
親の仇の 情けに生きる女哀しや 露の花元は名もない 藤吉郎がいまは敵なき 天下人(てんかびと)茶々は 茶々は 死んだつもりで憎いその手に 抱かれます「母上様 憎き仇に肌身を許す女の哀しさ。茶々は何よりも辛うございます。なれど かくなる上は 豊臣の天下をこの手で握ってごらんに入れます。それが茶々に出来る、女の仇討ちにございます。」お腹(なか)痛めた わが子であればなんで憎かろ 鬼の子も紅葉みたいな 
吠えるよに 波が逆巻く 押しよせる涙が凍る 日本海薄い縁の あの人の優しいぬくもり 想い出すひゅーんひゅーん 胸が泣くひゅーんひゅーん 肌が泣く雪の越前 恋吹雪身をこがし 心燃やした ときめきは幻ですか 夢ですか一生一度の 恋なのに冷たい運命の 別れですひゅーんひゅーん 胸が泣くひゅーんひゅーん 肌が泣く雪の越前 恋吹雪忘れられたら 恨めたら明日をさがして ゆけるのにひゅーんひゅーん 胸が泣くひゅ
咲いてかなしい 萩の花泣きにきました 湖畔の宿に愛しても愛しても あの人はわたしひとりの 人じゃない今日もさみしく あぁ、日が暮れるひとり恋しく 名を呼べば羽をよせあう 水鳥かなし離れても離れても あの人がいつもわたしに ついてくるきれぬ想いが あぁ、つらすぎるそぞろ歩きの 湖にともる灯りが 思い出ぬらす愛しても愛しても あの人は遠くとどかぬ 人だから青い水面に あぁ、散る涙
一目見たさに 故郷に戻りゃ昔ながらの 上州月夜浮かれ囃しも 追われの身にはほんにせつない 祭り唄涙かくした 涙かくした 三度笠(セリフ)思い出すなぁ…あの山も あの月もみんな昔のまんまおふくろさんは 達者でいなさるかこの川越えりゃあ あと一里なのに何でェ やけに 草鞋(わらじ)が重たくならぁ…義理と情に ついはさまれていつか落ち目の 街道ぐらし恋のさだめも 堅気の俺も一度流れりゃ 草の露呼んでみた
一人に重たい あなたの荷物半分持たせて 私の手にも縁があっての みちづれに遠慮なんかは 水くさい苦労坂道 越えるたび愛が重なる 積み木坂お酒は駄目でも あなたの愚痴の聴き役ぐらいは 私も出来る酔っていいのよ つらい日は羽目を外して 憂さ晴らし一つ崩れりゃ 明日(あす)二つ夢を積んでく 積み木坂いつかは世に出る あなたの姿はっきり見えます 私の目には早くその日が 来るように女ごころの 陰願いなみだ峠
気負いすぎれば はたかれるあまく見すぎりゃ 投げられる勝つと思うな 思えば負けと知っていながら 勇み足男、人生 待ったなし無理という字に 挙骨と書いて読ませる 荒稽古涙ひとつぶ チャンコの味に浮かぶやさしい 母の顔男、人生 待ったなし花の両国 男橋渡る川風 夢の風天下御免の 一番勝負仕切り直しは きかないぜ男、人生 待ったなし
男の肩越し 窓越しに一つ 二つ ホラ また一つ螢みたいに 漁火が…「熱燗(あつかん)にしましょうか」暖簾を降ろした 居酒屋で冷めた 冷めた薬罐(やかん)の 湯を沸かすここは最果て 北港 えー 北港どうやら私と 同じよに一つ 二つ ホラ また一つ過去がありそう 傷痕が…「盃をくださいな」昔の誰かに 似てるから女 女ごころの 血が騒ぐここは最果て 北泊(きたどまり) えー 北泊(きたどまり)出船が終っ
どちら向いても 千両笑顔映える万年 常盤松福を分け合う 皆々様の鏡開きに 花添えてここでひと舞い 相つとめます娘 娘 寿 三番叟愛を育てて 固めの酒の花の盃 縁結び家庭円満 可愛いいお子が早く授かり ますようにここでひと舞い 相つとめます娘 娘 寿 三番叟宴もたけなわ ほろ酔い頃が尽きぬ名残りの 納めどきひとつ区切りの 中締め代り晴れの手拍子 戴いてここでひと舞い 相つとめます娘 娘 寿 三番叟
離れ離れに 座っても揃って降りる 湯の駅はいまも迷って いることをあなた 分ってくれますか…忍び逢瀬(おうせ)の 恋宿は椿の花も 隠れ咲きわざと時間を 掛けながら帯からたたむ 宿浴衣窓の向うの 三日月をあなた 見ていてくださいね…そっと湯舟に 身を寄せる二人の恋は 隠れ咲き宿の冷たい 枕より今夜は借りる 腕枕朝がこのまま 来ないことあなた 祈っていいですか…一夜(ひとよ)泊りの 湯の宿は椿の花も 
琵琶湖のほとり 妻として暮らした月日 幻かお市の春は 儚(はかな)くて炎の中の 小谷(おだに)城憂き世のこれが 習いでも辛い 辛いものです 女とは「兄上様 お市を不幸にするのならなぜ浅井家へ嫁がせたのじゃ。この世の鬼とは信長殿!兄上様のことじゃ。」血肉を分けた 兄妹(きょうだい)も王手をかける 捨て駒か天下のための 戦いはいつでも弱い 者が泣く誰にも明日(あす)は 来るけれど何が 何があります 女
ハアー 生まれ関東 武蔵の国はいまじゃ呼び名も 彩の国玩具(おもちゃ)がわりに 握ったマイク音に聞こえた 歌好きが由紀乃太鼓に 乗せまして唄で口上 エー つとめますハアー 彩の名物 数々あるが秩父音頭に さくら草歌の道でも 名のある花になってみせます いつの日か由紀乃太鼓に 願いかけ叩く女の エー 心意気ハアー 晴れの舞台を 踏むその日まで固く封印 色恋はおんな命の このひと節がお気に召すやら 召
惚れた弱味か あの娘のあとを追って風切る 東海道泣くな相模の はぐれ雲…男浮き名の この長脇差(ながどす)じゃ恋は 恋は斬れない アン…渡り鳥清水二十と 八人衆も男惚れする 旅姿ここは駿河の 街道よ喧嘩渡世にゃ 新茶の香りじんと じんと沁みやす アン…渡り鳥瞼とじれば 堅気になれと可愛いあの娘が また叱るあれが三河の 宿あかり…投げた賽の目 丁半かけてみれん みれん捨てよか アン…渡り鳥どこで泣い
丸い世間を 四角に生きて人に抗(さから)う ヘソ曲がり馬鹿と言わりょと 笑わりょと胸に根を張る 心意気男 根性で 夢咲かす 度胸花たかが恋だろ 男じゃないか未練涙は おかしいぜ人の値うちは 心だとわかる女が きっといるここは一番 辛抱さ 度胸花スルメ噛むよに 苦労を噛んで生きてゆくのが 男だぜ浮世雨風 あればこそ枝も栄える 葉も繁る笑顔千両で 明日(あす)をよぶ 度胸花
(台詞)この桜吹雪咲かすも散らすもお天道様次第でございます背中(せな)に散らした 桜の花はさらし木綿の 肌に降る壺をひと振り この啖呵上州訛りか 小桜おせん恋の采(さい)の目 蚊帳(かや)の外お酒呑んでも 呑まれはしない肌も桜の 鉄火肌甲斐の国から 中仙道祭り盆ござ 小桜おせん白い指先 紅のあと(台詞)一点地六の賽(さい)の目に勝負を賭けるのもまた乙なものでございます女伊達らに 立て膝組めば八百八
可愛い 顔して なぜ泣くのハンカチさしだす 見知らぬひとよわかれて来たとは 言えない辛さどこへ行く北へ行く 吹雪がしみる女が身をひく わかれ船つくして つくして 不しあわせ男を信じた わたしがばかね残りはいとしい 命がひとつ東京よ遠くなれ ふりむかないわみれんを断ちきる わかれ船かもめよ ここから おかえりよ戻りの潮路は また雪のなかゆられて二時間 ちらちら灯(あか)り海峡の夜が明ける わたしは生
この世に吹いている 無情の風が涙でどこまでも おしながすふたり浮草今日がどんなに つらくても泣かないで 泣かないであなたと生きる 花の咲く日まで緑という糸に むすばれながら明日へ夢を漕ぐ 木の葉舟冬の木枯し愛をひとつに かさねあい耐えるのよ 耐えるのよあなたと生きる 花の咲く日までこの手にはぐれたら 嵐の海に溺れてしあわせを さがせないふたり浮草川は流れる 空の下生きるのよ 生きるのよあなたと生き
なんで逢っては 呉れぬのですか一目だけでも いいものを男ごころの 気まぐれですか袂(たもと)に入れた 恋文は京都 北嵯峨 滝口寺(たきぐちでら)開けてください 柴(しば)の戸を あなた恋の闇路に あれから迷いやつれて痩せた この横笛の募る想いが 届いたら死ねと私に 言うのでしょうか二度とこの世で 逢えぬなら愛を終わりに する気でしょうか女を袖に したままで京都 北嵯峨 笹時雨卑怯者です あまりにも
八里歩けば 草鞋(わらじ)も切れる一宿一飯 借り受けまして上州 松井田 中仙道月のしずくが 笠に降る旅の弥太郎 渡り鳥 渡り鳥惚れた腫れたは 苦手な台詞(せりふ)姿はやくざの 弥太郎笠も育ちは旗本 二本差しお雪恋しや 胸のうち誰に聞かそか 旅の夜空(そら) 旅の夜空(そら)義理と人情に 命が絡む笛吹峠は 見返り峠恩義を果たせと 妙義山(やま)烏(からす)川面(かわも)に 逆さ月濡れて弥太郎 三度笠
愛を失くして 生きられるほど私は強く ないのです恋のなきがら 抱きしめながら雪に埋れて 眠ります…あなた あなた命尽きたら 紅の花になります 牡丹雪晴れのその日に 着るはずでした白打掛けを 羽織りますにみだ拭った 紅さし指でわかれ薄紅 引きました…あなた あなた夢を見られぬ 花嫁に次ぎはください
明日(あした)か今日か 落城は上る火の手の 大手門徳川方へ 戻れとは嬉しいけれど 罪なこと秀頼様の 妻として千は 千は 千は死にとうございますあゝ ゝ ゝお家のための 人形とは哀し過ぎます あまりにも涙と共に 豊臣へ嫁いだ頃は 幼な妻難波(なにわ)の城で 愛を知り千は 千は 千は女になりましたあゝ ゝ ゝ時世の風に 桐ひと葉落ちる天下の 天守閣この身はお供 叶わぬがこころは固い 二世(にせ)の縁(