風が吹くまま 花びら散ればジンと泣けます 三度笠生まれ故郷を 離れて五年待ってて欲しい あんたに悪いもうすぐ帰るよ 渡り鳥つらいなみだを 斜めに隠す男まさりの 三度笠力ずくでは 折れない枝も情けの風に 吹かれりゃ折れる弱いものです 渡り鳥赤い夕日の 峠を越えて戻りゃ寂しい 里灯りわざと強がり 言ってはみたが明日も背中 木枯らし寒い辛ろうござんす 渡り鳥
故郷(こきょう)の夕陽が 見たくって思わず上(のぼ)った 歩道橋ビルの谷間は 深すぎて背伸びをしたって 影ばかり帰りたい 帰れないふるさと行きの列車は 今日も夢ん中欲しがるものほど 遠くなる何故なの教えて お母さん走る窓から 手を振ったあの日の笑顔も 忘れそう流されて 傷ついて淋しさ隠す化粧が 上手くなりました駅前広場の ポスターに春待つ岬の さくら草摘んで来ようか この胸に涙も洗おか あの海で帰
ふたり暮らした 町の名は遠い別れと 書くのです必ず戻るの 言葉を残しあなたは夢追い 旅立った遠く遠く遠く 別れても面影抱いて 待ってる私です三年五年と 月日を数え気づけば片手が 過ぎました命燃やした この愛をあなた忘れる はずがない噂のひとつも 届けてカモメ涙に滲んだ 利尻富士遠く遠く遠く 別れても約束信じ 待ってる私です七(なな)年九(く)年と 月日を数え両手で足りなく なりました遠く遠く遠く
勿忘草(わすれなぐさ)なら 野に咲くでしょう私はあなたの 背なに咲くでしょう美しい春の日 遠く過ぎてもやさしいその面影 いつまでも あぁ…花散る吐息は 勿忘草よ愛される喜びを 今宵に刻む言の葉ひとひら「忘れないで」残した爪あと 薄紫のその色匂えど 時は移りゆくめぐり来る季節も そっと二人で夢路たどれるなら どこまでも あぁ…花散るせつなの 勿忘草よ愛される幸せは 祈りに変わる言の葉ひとひら「忘れな
ドアが閉まるとき 何か言おうとしたあなたの瞳を 過去へとバスが連れ去る波のように何度も かさねてた素肌の優しい匂いも 風が消してゆくBye bye my love Bye bye my loveいま潮が満ちてBye bye my love Bye bye my love悲しむための愛が終わる朝来帰(あさらぎ)の海を 一人眺めながら心の季節が 静かに変わりはじめる命がけ恋して だけど気付いてたのあな
最後の恋と空に誓ったあなたとこの町 訪れたときに木漏れ陽が舞う古い吊り橋渡る背中を ただ見つめながら仇(あだ)の風 胸に吹く風永遠を信じてたのにいつしかこぼれた 愛が手のひらから駅へと続く長い砂利道ふたつの足音 奏でた幸せずっと一緒と告げた言葉に嘘はなかった そうあのときには仇の風 雲を呼ぶ風寂しさに裾を乱され心も景色も変えてしまったのねこの風止んでも 愛は戻らなくてもう来ることない あなたのふる
桜の花びらが ブロンドの髪にはらはらと 雪のよに 舞い降りて来るお稽古帰りの 鴨川(かもがわ)沿(ぞ)いの気になるカフェの 気になるあの人に渡したい 渡せない 手作りのお財布青い瞳(め)の舞妓さん 春まだ浅し待ち人来たらずの おみくじを引いてほろほろと ため息が こぼれる小径(こみち)清水寺(きよみずでら)から 三年坂(さんねんざか)を歩けばきっと 歩けばあの人に逢えそうで 逢えなくて 振り向けば
黒い柱に 大時計今もかわらぬ 故郷のすすけた壁の 子供部屋紙のピアノが ありました開けると音が 鳴ったよでポロリ泪が 落ちましたポロリポロポロ ポロポロリ紙のピアノは 母の声優しい母の 愛の歌辛い生活 母子家庭ピアノ買ってと 駄々こねて眠った次の 朝でした二つ折りした 長い紙マジック書きの 鍵盤は母の手作り 涙あとポロリポロポロ ポロポロリ紙のピアノは 鳴らないがわたしにだけは 聴こえてた言えずじ
目を凝らして 探してもあなたと過ごしたあの日々あの場所にあった愛たちはどこにもないいつか見た 夢のように消え去ってしまったのそれでも あなたは気づかないのでしょう私の瞳(め)になみだ雲 流れてゆきます「終わったんだ」その言葉耳を塞いだの私は傷が痛くって 苦しんで向き合えずに消えてゆく 雲のように形ない二人です語り合った日々もすべて過去のこと私の瞳(め)になみだ雲 悔やんで愛して私の瞳(め)になみだ
道を他人に 譲るのもそうさ男の 勇気だぜ急くなアーアー騒ぐな あわてるな今が勝負の 時期(とき)じゃない急がばまわれの 人生だ運がいいとか 悪いとかそんな言葉は 負け惜しみ耐えてアーアー実力(ちから)を 蓄(たくわ)えりゃ運は勝手に やって来る急がばまわれの 人生だどうせあいつは 負け犬と嘲笑(わら)う奴には 嘲笑(わら)わせろいつかアーアー世間の 真ン中にでかい花火を 打ち上げる急がばまわれの
「あんた泣いてんのネ」だから言ったじゃないの港の酒場へ飲みにくる男なんかの言うことを バカネほんきに ほんきにするなんてまったくあんたは うぶなのね罪なやつだよ 鴎鳥「あんた泣いてんのネ」だから言ったじゃないの男の言葉にだまされてさんざ私も泣かされた バカネ今さら 今さらぐちなんて言ってもむだだわ やめましょね港女は強いはず「あんた泣いてんのネ」だから言ったじゃないのめそめそしないで捨てちゃいなな
せせらぎに… 河鹿(かじか)鳴く夜の 蛍狩りひとり来ました 貴船川(きぶねがわ)肩先に 風がひと鳴き 行き過ぎて恋の焔(ほのお)が 燃え上がる溺れたくない 溺れたい今宵(こよい)叶わぬ この恋に影ひとつ… 蛍出る間の 薄闇(うすやみ)をあなた偲んで 歩きます暮れなずむ 空にまあるい 月が出て遠く聞こえる 三味の音偲(おも)いつのらす この胸にそっと蛍の 灯(ひ)をともす今夜だけ… せめて一夜(ひと
三日おくれの 便りをのせて船が行く行く 波浮港いくら好きでも あなたは遠い波の彼方へ 去ったきりあんこ便りは あんこ便りはあゝ 片便り三原山から 吹き出す煙北へなびけば 思い出す惚れちゃならない 都の人によせる思いが 灯ともえてあんこ椿は あんこ椿はあゝ すゝり泣き風にひらひら かすりの裾が舞えばはずかし 十六の長い黒髪 プッツリ切ってかえるカモメに たくしたやあんこつぼみは あんこつぼみはあゝ
線路の向こうに 陽炎ゆれて猫が踏切 渡ります荒川線の 電車を見ればあの日の恋が よみがえる想い出・寄り道 鬼子母神(きしぼじん)あなたは私を 忘れましたか時には想って くれますか別れて三年 経ちました…桜の季節や 紅葉の季節泣いて笑って 喧嘩した面影橋の あのマンションもお洒落(しゃれ)なビルに なりましたあなたに今日こそ 伝えたいあれから初めて 恋をしましたちょっぴり大人の その人と将来(あした
雨はふるふる城ヶ島の磯に利休鼠の雨がふる雨は真珠か夜明けの霧かそれともわたしの忍び泣き舟はゆくゆく通り矢のはなを濡れて帆上げたぬしの舟ええ舟は櫓でやる櫓は唄でやる唄は船頭さんの心意気雨はふるふる日はうす曇る舟はゆくゆく帆がかすむ
星はまたたく夜ふかく鳴りわたる 鳴りわたるプラットホームの別れのベルよさよなら さよなら君いつかえる人は散りはてたゞひとりいつまでも いつまでも柱によりそいたゝずむわたしさよなら さよなら君いつかえる窓にのこしたあの言葉なかないで なかないで瞼にやきつくさみしい笑顔さよなら さよなら君いつかえる
嫌われてしまったの 愛する人に捨てられて しまったの紙クズみたいに私のどこが いけないのそれともあの人が 変わったの残されてしまったの 雨降る町に悲しみの眼の中を あの人が逃げるあなたならどうするあなたならどうする泣くの歩くの 死んじゃうのあなたなら あなたなら私のどこが いけないのそれとも誰かを 愛したの忘れられてしまったの 愛した人に何が出来るというの 女がひとりであなたならどうするあなたなら
悲しいのでしょうと 夢の中見知らぬ人の問いかけに声もだせずに うなずいてそれは あなたがやっぱり 好きだからいじわるな あなたはいつでも 坂の上から手招きだけを くりかえす私の前には 硝子坂きらきら光る 硝子坂行けるのでしょうかと 夢の中見知らぬ人に訪ねては涙こぼして 横向いてそれも あなたがやっぱり 好きだからいじわるな あなたはいつでも 坂の上から手招きだけを くりかえす私の前には 硝子坂きら
心がどんどん削られて三日月みたいになる夜は一人きり 一人きり お酒を飲むの涙で割った お酒を飲むのいつもそうなの うまく生きられないのいつもそうなの うまく愛せないの自分を責めて 責めて 責めて夜をさまようの 三日月迷子そんなに好きではないけれど優しい男のひとがいて一人より 一人より 倖せだけどあなたを想い 時々泣くのいつもそうなの 私迷っているのいつもそうなの 私進めないの自分を抱いて 抱いて
ふたりの愛の 鳥籠から突然あなたは 飛び立った忘れられない 想い出のひとつひとつを 置き去りに悲しいね… つらいよね…知らんぷりした 九官鳥何か…何か しゃべってよおまえが好きだ 愛してるやさしかったあの人の 口癖をあなたの胸で 翼(はね)を休め未来(あした)の幸せ 夢みてたいくつ涙を 流しても青い空など 翔べないの悲しいね… つらいよね…今日は無口な 九官鳥どうか…どうか お願いよわたしの名前
雨の出船は おんなを泣かす心細さを つのらせる好きなのに… 好きなのに…あなた行くのね 夜明けの船で「ひとりで待つわ 信じて待つわ」声も消される 霧雨海峡海猫(ごめ)の数ほど 愛してくれた胸を想い出 過(よぎ)ります倖せを… 倖せを…いつも私は 夢みていたの「忘れはしない 責めたりしない」かすむ船影 霧雨海峡雨はいつ止む こころの雨はこぼす吐息の せつなさよ好きなのに… 好きなのに…おんな未練は
赤城(あかぎ)おろしか からっ風やって来ました 上州路恋の水上(みなかみ) 情けの伊香保(いかほ)女いちずの 桃色仁義ちょいと小粋で 強いあんたにアンアアンアンアン ひと目惚れ生まれついての 浪花節見せてあげたい 胸ン中義理の大阪 度胸の播麿愛にゃ奥手の 街頭がらす色気不足が そうよあたしのアンアアンアンアン 泣きどころ行こか戻ろか 東海道こころ思案の 駿河湾今日は相模路 明日は伊勢路歌を道づれ
消えた鰊(にしん)をヨー 追いかけてあのひと今頃 どこの海出船入船 江差の港風の追分 聞くたびに胸が泣けます 恋しさに 恋しさにヤンサノエーロシアおろしがヨー ヒュルヒュルと吹雪(ふぶ)けばこころは 冬になる漁船(ふね)をおりたら 一緒になるとあの日誓った 抱きしめた今も揺れてる あの笑顔 あの笑顔ヤンサノエー浜の番屋をヨー 尋ねたらいつかは逢えると 人は云う出船入船 江差の港ねぐら探して 北へ翔
またいつの日か 逢える気がしてた再び引き合う 紅い糸元気でいたかと 労るようなあなたの優しさ 思いやりまわり道した その先に明日の花咲く 倖せなみだもうあの頃に 戻りたくないわ誰かを羨(うらや)み 泣いた夜過去など忘れろ 今日から何も心配するなと 言うあなたつらい月日の その先に笑顔の花咲く 倖せなみだまた倖せが 来ると思いたい寄り添うあなたの あたたかさ今日まで離れて 暮らした月日無駄ではなかっ
女心を 貴めるよに泣いているよな 防風林白い貝殻 私の涙恋しくて 恋しくて今日も来ました 桟橋に戻る約束 忘れたか‥みちのく恋港女盛りの 短かさに色も褪せます 唇の咲いて一輪 ハマナス哀し淋しくて 淋しくて怨みたくなる こんな日は胸にしみます 波しぶき‥みちのく恋港噂だけでも 届けてとカモメ相手に 愚痴を言う沖の白波 寄せ来る未練会いたくて 会いたくて髪の先まで 会いたくて北の女の―途さよ‥みちの
三日限りの みちのくの旅も最後の 北泊り弘前 津軽傘はいらない 夜桜しぐれこの世で添えぬ 恋ゆえに花も見せるか 貰い泣き連れて逃げての ひと言がなんで言えない 意気地なし弘前 津軽弱い女に 夜桜しぐれ飛礫(つぶて)のように 花びらが払い除けても 頬を打つ七日桜と 言うようにきっと今夜が 咲き納め弘前 津軽肩に降る降る 夜桜しぐれ二人の夢が 散り急ぐかけらみたいで 辛くなる
手紙通りの 航海ならば赤道あたり いま頃は南の時化は 御輿(みこし)のように船を担いで 荒れるとか無事を祈ってヨー貴方を待ってる 豊後港町幼なじみで 育った同士咲かせた胸の 恋椿漁場は遠い 海原だから逢えぬつらさに 首ったけ思い焦がれてヨー貴方の名を呼ぶ 豊後港町南十字の 星降る夜は私の夢を 見ると言う鴎の白い 翼を借りて逢いに行きたい 海千里固い絆のヨー貴方と私の 豊後港町
便りがいつしか 絶えたのは恋を始めた せいですか必ず帰るの 約束はその場限りの 嘘ですか支えなくして あなたどうして生きれば いいのでしょうか吹雪いて今日も 船はない利尻水道 日本海離れて暮せば 駄目なほど愛ははかない ものですか一緒に生きてく 幸せは私ひとりの 夢ですか憎い仕打ちを あなた恨めずいるのは 未練でしょうかなみだが胸に 凍りつく利尻水道 日本海悲しいけれども さよならの手紙 最後に
ねぶた祭りが 終わってヨー林檎が真っ紅に 色づきゃヨーもうすぐ凍(しば)れる 冬が来るアーアア風が吹く 風が吹く山背の風がヨーあぁ東京のあの人に逢いたくて・・・逢いたくて・・・帰るその日を指折り数えりゃ恋しくて・・・恋しくて・・・じょっぱり涙に泣けるんだヨ 泣けるんだヨー雪がしんしん 積もってヨー夜汽車の警笛(きてき)が哭くたびヨー遠いあの日が 瞼(め)に浮かぶアーアア風が吹く 風が吹く山背の風が
別れに泣いた 女の目には白い灯台 なお沁みるあなたを忘れる ひとりの旅に面影 後から 従いて来る室戸 室戸岬は 恋岬胸のすき間に 風が吹く気付かぬ内に 二人に出来た埋(うず)め切れない 愛の溝幸せ失くした 女にとって名前も哀しい 夫婦(めおと)岩室戸 室戸岬で また背伸び夢の行方を ひとり追う黒潮寄せる 月見が浜は春がどこより 早く来る信じて待ったら あなたの愛もいつかは戻って 来るかしら室戸 室