神戸の女 – 岩出和也

雨の神戸で 女がひとり
濡れて凍える トレンチコート
誘う男に この身あずけて
あなた忘れて しまいたい
淋(さび)しくて 淋(さび)しくて 誰か…分かって
泣いてるような 港町あかり

あの日はぐれた あなたに似てる
そんな背中を さがしてしまう
今も私は ふたり暮らした
街であなたを 待っている
哀しくて 哀しくて どうか…助けて
波止場に一羽 白い冬カモメ

雨の神戸で 窓辺にもたれ
床に落とした トレンチコート
あつい素肌に ひとみ閉じれば
それが誰でも あなたなの
逢いたくて 逢いたくて 夢で…いいから
吐息の海で 部屋は船になる