山野ミナ

ピンク・シャドウ – 山野ミナ

満月が僕の姿を 公園の
円卓の大理石に くっきり写し出し
僕は月と僕等の 三つの関係の
なぞかけことばを考えて立っていた

愛してるよ 君だけを
愛してるよ 君だけを

君は僕の作った歌を口ずさんで
ピンクのチョークを上手に踊らせて
何十本もすりへらし 汗もふかずに
僕の僕の影をぬりつぶした
愛してるよ 君だけを
愛してるよ 君だけを

あの夜 二人ともみょうに静かだった
僕のピンクの影の上を二人裸足で
一言もしゃべらず 顔も見合わせずに
僕等はワルツを とても上手く踊った

愛してるよ 君だけを
愛してるよ 君だけを
愛してるよ 君だけを
愛してるよ 君だけを

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