手前…姓は子アジ 名はひらき人呼んでアジのひらきと申します アジのひらきの 三度笠生れ育ちも 駿河湾故郷の おふくろ 達者でいるか泣けば 涙が骨身にしみる惚れたあの娘にゃ いまさら逢えぬこんな姿に こんなひらきに 誰がした アジのひらきの 子守歌笑っておくれよ お月さん故郷の 親父も 数えていくつ馬鹿な
明日を探して みようじゃないか微笑うその目が 苦労を飛ばすいつもしあわせ 遠まわりこれまで縁の ない女肩を抱かれて 涙ぐむひと春遅れの 夕月夜 まるでここだけ しあわせぶりに浮かれ舞台の ひと幕みたいこれが固めの 盃よ一口つけて 咳込んで手もと乱して こぼれ酒嫌われそうです 夕月夜 いずれその内 帰ろじゃないかどこか生まれも
惚れた女を 行かせたあとはひとりぼっちが しみるだろうこんな時には アンアン泣くな玄海 玄太郎どうせ一生 海暮し怒涛のり切れ 男なら 朱い夕陽に ネオンの赤を重ね合せる 沖泊り酒が苦いか アンアン泣くな玄海 玄太郎涙まじりの 船唄が風にちぎれて 飛んでゆく シケになぶられ 嵐にもまれ男一匹 強くなるいいさいいんだ アンアン泣くな玄海 玄太郎逃げたあいつが もどったら何もいわずに 抱いてやれ