好いて好んで 裏道を歩き通した わけじゃない運がないのか 陽に背を向けていつしか日陰で 咲いていた酒よ おまえも わかるだろ今夜は おまえと 語り酒 胸を裂かれる 日もあった荒れて眠れぬ 夜もあったじっと見つめる この手の中で夢まで冷たく なっていた酒よ おまえも わかるだろ今夜は おまえと 語り酒 意地とがまんを 貫いてなんど修羅場をくぐったか泣いて笑って 転んで起きていま人生の 秋を知る夢もゆれて
情けかければ 流されて夢さえおぼれる 川があるそれを承知で 棹(さお)をさし行けばその先 通せんぼ明日の夢追う なさけ川 浮くも沈むも この世には心をさえぎる 川もある今は添えない さだめなら愛の流れに 耐えてゆく明日を夢みる なさけ川 つらい苦労を 分けあって意地でも越えたい 川がある谷の早瀬を 乗りきれば情(なさけ)花咲く 岸へつく明日はふたりの なさけ川
こんな俺だが 頼むよと抱けば小さく うなずいた惚れて惚れて 惚れぬいていつでも俺に 尽くしてくれた お前をかならず 守ってみせるだから一人で 泣かないで 酒に縋った あの頃はいつか暮らしも やつれたね惚れて惚れて 惚れあえば目と目で通う 言葉もあるさ 昔を忘れて これから先は俺のとなりで 眠りなよ 町で静かに 咲いている野花みたいに 暮らそうよ惚れて惚れて 惚れぬいた大事な俺の 心の花よ ふたりで見ないか 
優しさに甘えるわけには 行かないと春さえ待てずに 去ったひと見送る駅の夕まぐれあ…素顔に涙 舞い散る小雪 行き先も教えず ポツリとそっぽ向き便りをするわと いったひと悲しい嘘で幕をひきあ…汽笛が責める 大馬鹿もんと お土産をきれいに 包んで下さいとこけしを一本買ったひとどなたが待って いるのやらあ…宿命はとけず 悩みは消えず ゆきずりの恋ゆえ 時折り不安気にいけないことねと いったひと別れが来ると知りながらあ…一夜に一夜 重ね
今日は宵の口からついてないんだ子供を預けた先から人が来て 金寄こせってさ風を引いたって 医者の掛りが大変だって別に欲しくて 生んだ児じゃないけど児は児なんだから 仕方がないさねエあんた 一緒に飲んでよまだまだこれから先があるよね 私にも子守唄で酔っぱらっちまって ざまぁないけどあの児のことを思うのさ 思うと眠れないのさ 港町の夜にも幕が降りてさ船乗り相手の酒場のランタンも酔たっているよ出船入船のドラ
あなたを喰べて しまいたい恋しさあまれば 憎さがつのるちがう女と 夢ん中手に手を取って 逃げるなら 心が般若に 涙が滝に身体の中が 火柱にそれでも わたしを 捨てるならいっそ殺して あげようか あなたの背中に 釘をうつひとりでどこかへ 行かないように白い蝶々を 追いかけて桜の下で 眠るなら 地獄の底へ
悲しみの胸に 白い雪が降る花が咲く 春来ても こころ冬の海あなたの呼ぶ声だけが 耳から離れない涙で別れても あなたが 私のいのち 逢いたいと想う こころ叱っても手枕を 探す指 癖がせつないわあなたと暮らした町を 夢でも歩いてた泣いても遅いのね 二度とは 逢えない人よ あなたと別れて何処に 倖せありますか帰らぬ夢だけど
俺らが大きく なったのか母が小さく なったのか稲穂の中で 手を振る母の野良着姿が 見えかくれご無沙汰ごめん 母さん母さんの秋 今夜は蕎麦でも 打とうかと少し弾んだ 母の声一人でいても 寂しかァないと現在は写真の 親父見てにっこり笑う 母さん母さんの秋 おんなじ話を くりかえす母の横顔 照らす月正月休み 戻ってくると云えば大きく