アカシヤの大連 – 小柳ルミ子

アカシヤの大連を
訪ねてきてみたの
遠い日のまぼろし
手さぐりするように
丘の上から港を
はるか見下ろせば
靄(もや)にかすむ波止場を離れて
大きな船が出る
街のあちらこちらに
日本の匂いが かすかに残る
夢のふるさと

アカシヤの大連を
歩いて涙ぐむ
父母が愛して
暮らした街だから
ヤマトホテルのテラスで
お茶を飲みながら
若い人のチャイナの言葉を
聞いてる心地よさ
過去は忘れましょうと
希望の小鳥が
飛び交うような
微笑む街よ

恋に傷つきながらも
恋にまた落ちて
泣いてばかり
いるこの私を
癒してくれる街
誰か愛する人と
ここで暮らしたい
そんな気がする
夢見る街よ