恋しい – 安藤裕子

「いつでも触れたい 全て詰めたい僕を 君にぎゅっと」
そんな歌声が町を染めてく

走リゆく 汽車の窓の外に
流線の夢の日々を流す
冷たい手に乗せてそっと
貴方といた町へと
風に乗せて

「今でも詰めたい 君に詰めたい僕を 全てずっと」

過ぎたその夏が口ずさんでる
貴方も季節が巡って 誰かを愛してる

音も立てず 窓際 忍び寄る
灰色の男達が盗む
二人が大切にした
恋の花を過去へと

「今でも触れたい 君に触れたい」

誰にも言わない
白い雲だけ笑う ここにおいで
見せてごらんよと揶揄っている
例えば手の中に隠した 貴方への想い

左の手から 右に移る
そちらの手には何もないや
右の手には愛が宿り
左の手の中嘘しかないや