曼珠沙華が咲いた – 大石まどか

曼珠沙華が咲いた別れのバルコニー
まっ赤な悲しみがゆらゆら燃える
最後の女だと口説かれたあの夜
明日(あす)が欲しくてしがみついたの……
行かないで 行かないで
服を脱がせたままで
返らない 返らない
あなたに捧げる前の
私のきれいなからだ……

あなたに染められてもらったよろこびは
汚(けが)れた偽りのしあわせだった
女な抱かれると勘違いするのね
それは愛だと 愛されてると……
行かないで 行かないで
私泣かせたままで
棄てないで 棄てないで
未練を断ち切らないで
死ぬまで愛していたい……

行かないで 行かないで
服を脱がせたままで
返らない 返らない
あなたに捧げる前の
私のきれいなからだ……

曼珠沙華が咲いた
曼珠沙華が咲いた