雪わり草 – 増位山太志郎

あてもないのに 夕げの支度(したく)
いつもおまえは ふたりぶん
雪わり草の 好きなやつ
日陰(ひかげ)の恋に 耐えるやつ
薄い情を うらんでおくれ
あれからふた冬 もうすぎた

飾り窓さえ もう春なのに
ひと目気にして 裏通り
雪わり草の 好きなやつ
苦労もくちに しないやつ
心ゆるして 初めてみせた
まぶしい素顔が 目にしみる

夢がさめたら もういないよで
眠れないって うるむ声
雪わり草の 好きなやつ
手と手をくんで ねむるやつ
寒い季節も つぼみはあかい
咲かせてやりたい 幸せに

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