欲を持たなきゃ よく見える人の心も この世のなかも桜よはらはら 桜よはかなく 散るがいい孤独がみがいた 魂が教えてくれる 行く道をああ夜があけるどこへこの国 向かおうとおのれ信念 つらぬくだけさ桜よ無情を 桜よ嘆いて 散るがいい男の誇りが あるならば誰かのあとを のこのことああ歩くなよ心さだめて 生き抜いて死んでゆくのさ 無冠のままで桜よ嵐に 桜よみごとに 散るがいいこの世に生まれた この命やらね
肌を刺すよな 今夜の雨はぐっと堪える なみだ雨つらい時代(とき)こそ 微笑んで胸に希望の 灯(ひ)をともす星の見えない夜にも ひとり孤独な夜にも忘れないで… 忘れないでかならず明日はやってくる花も散りそな 今夜の風は荒れるこの世の 向かい風つらい時代(とき)こそ 空見上げ胸に咲かせる 夢がある膝を抱える夜にも ひとり眠れぬ夜にも誰にだって… 誰にだってかならず明日はやってくる星の見えない夜にも ひ
今にも散りそな 花びらが涙こらえて しがみつく桜 ひらひら ひらひらと添えぬ運命(さだめ)に 背を向けて明日をさがすの 別れの彼方に真夏の月夜に 殻を脱ぎ燃えて焦がれる 蝉しぐれ胸が じりじり じりじりと過ぎたあの日が 恋しくて明日をさがすの 別れの彼方に凍てつく寒さを 耐え抜いて咲かす生命(いのち)の 冬牡丹雪が しんしん しんしんといつか逢える日 夢にみて明日をさがすの 別れの彼方に
世間の噂に はらはらと散るも哀しい 恋の花去り行くあなたの 後ろ影沁みる涙の 沁みる涙の 夜の風愛してみたって この手には届くはずない 恋でしたあなたのためです 身を引いてひとり涙の ひとり涙の 夜の風七日に一度の 忍び逢い夢を見ました 幸せの添えない二人の 運命(さだめ)ならしょせん涙の しょせん涙の 夜の風この恋このまま 続けても胸に深まる 傷の跡思い出抱きしめ 見送ればつらい涙の つらい涙の 夜の風
あなたの噂を 足跡を雨が冷たく 消して行くひと目だけでも ひと目だけでも 逢いたくてしずく哀しい 北国 なみだ雨あなたの写真を 手がかりにたずね歩いた 北の町何で黙って 何で黙って 消えたのよ未練跡引く 北国 なみだ雨優しく抱かれた あの夜が忘れられない また浮かぶ揺れる面影 揺れる面影 せつなくて滲(にじ)む町の灯 北国 なみだ雨二ケ月(ふたつき)遅れの すれ違い逢えぬ運命(さだめ)か もう二度と誰と今頃 誰と今頃 どこにいる胸に沁みます 北国 なみだ雨
もしも私が 見捨てたらきっとあなたは 駄目になる決めたのよ 決めたのよ何があろうと 支えます女泣かせの 人でもいいのだって本気で本気で 本気で惚れた人髪を切ったら 似合うよと嬉しがらせを いうあなた決めたのよ 決めたのよあんな男と 言わないで女泣かせの 人でもいいのだって本気で本気で 本気で惚れた人そっとあなたの お財布に足しておきます お小遣い決めたのよ 決めたのよ覚悟してます 苦労なら女泣かせ
窓に小雨が そぼ降る夜は過去(むかし)の女を 思い出すあんなに尽くして くれたのに冷たく背中を 向けて来たごめんよ麗子 おまえに会いたい長い黒髪 エプロン姿離してしまった 安らぎを二人で暮らした アパートは今でも残って いるだろかごめんよ麗子 おまえに会いたいせめて一言(ひとこと) 謝りたくて泣いてはいないか 今頃は幸せ見つけて いるのなら心をかすめる ほろ苦さごめんよ麗子 おまえに会いたい
一度や二度のつまずきなんて誰にもあるさ 忘れろ忘れろよ泣いて昔を 振り返るよりも明日の倖せ 見つけりゃいいさ今日からふたり おまえとふたり生きてゆくんだよおまえが差し出すその指先に伝わる温もり 信じろ信じろよどんな小さな 花でもいいから咲かせてみようよ 何処かできっと今日からふたり おまえとふたり生きてゆくんだよ似たよな傷もつふたりじゃないかいたわりあえば いいんだいいんだよ寒い北風 耐えてしのん
ここから逃げだしたなら しあわせだろうたとえば南の島で ひとりでくらせばだけど男の肩には 荷物が多いどこに置こうか だれにたのもうすべさえなくて酒場で見果てぬ 夢追いかける思えば少年のころのぞんだものをどれほど手にしただろう 指折りかぞえるグラス片手にしばしの 空想旅行一つ悲しみ 二つみちたり三つで泣いてため息色した 夢かけめぐるだれにも言わないでいた 宝の箱を男はこころの中に かくしているのさ酔
港です 女です 涙ですあなた行くのね どうしても春が来たのに さよならねいまさら好きと好きと好きとすがっても汽笛です 夜風です 波しぶき港です 女です 涙です肩をすぼめて 嘘つきと泣けば ぽつんと 岬の灯いつかは きっときっときっと帰ってねかもめです 月夜です 赤い花港です 女です 涙です忘れたいのと 云いながらそっとかいてる 頭文字(かしらもじ)未練はないとないとないと強がってお酒です ひとりで
これきり二度とは 逢えぬかもしれぬ大人同士の 別れの夜だ泣くだけ泣けよ… 俺のこの胸で夕子夕子 今度こそ今度こそほんとの倖せ みつけなよお前は北国へ 連絡船で俺は南へ さいごの旅だわがままだけが… のこった二人…夕子夕子 つらいけどつらいけどこの指はなそう このへんで傷つけあいながら くらしていても無理がなおさら お前を泣かす素直なこころ 酒でよごすなよ夕子夕子 わかれてもわかれても愛しているんだ
うれいをこめて 秘かに咲いたあじさい匂う 別れ道添えぬ運命に 身を引く人のうしろ姿を 小雨がかくす音もなく 恋に散る あじさいの花ようなじに そっと 唇よせておまえが好きだと 言った人肩に甘えた 相々傘であなた心に まかせたわたし恥じらいに 頬そめて 愛を知った夜季節の中で
別れたそうねと 和服のママがやさしい目をして 迎えてくれるあなたは おぼえているかしらはじめて誘われ 飲んだ店ふたりの名前で ボトルをいれました電話でいいから むかしのように元気をだせよと 叱ってほしいあなたを信じて いたわたしこよりの指輪を こしらえてはしゃいだあの日の しあわせとおい夢あなたの匂いを 忘れる日まで誰にも抱かれる その気はないわあなたはいい人 みつけたの路地うらあたりの
海はヨー 海はヨーでっかい海はヨー俺を育てた おやじの海だ沖で苦労の シラガもふえて汐のにおいが はだ身にしみたそんなおやじが いとおしい今はヨー 今はヨー静かな海もヨー一度荒れたら 岩をも砕くしぶきたちこめ 打ち寄す波に右にてぐすを 左でろこぎつらい漁師に たえてきた空のヨー 空のヨー入道雲がヨーどこか似ている おやじの顔につらいときには 入道雲をじっとにらんで おやじの苦労想い出しては たえて
何処でどうしているだろか今は誰かと倖せか…七夕まぢかい文月の三日に産声あげた子はナナミという名の織り姫よ他人のままで終ったが映えて真紅な口びるに倖せあげたい人だった何処でどうしているだろか今は誰かと倖せか…小犬とのんびりマンションで気ままに過ごしていたいのに売れっ娘 アリサはままならぬ十日きざみで 西東…浴びるライトに 沸くお客笑顔が悲しい可憐花何処でどうしているだろか今は誰かと倖せか…銀座に過去
やさしいことば 暗い過去みんな鏡が しっている一人 ぼっちの かわいい女そんな夕子に……そんな夕子に ほれました小さな一間 アパートに白い お鍋が 光ってたソッと生きてる かわいい女そんな夕子に……そんな夕子に ほれましたグラスをもつ手 ふるわせて愛が欲しいと ないていたナイト・クラブの かわいい女そんな夕子に……そんな夕子に ほれましたキャベツをきざむ 手を止めて今日は このまま 側にいていつも
あなたのマネして タバコをふかしわざとわるさを してみせるシャララ…… トシオだからお前が 可愛いとホホを押えて くれた人このごろ来ない札幌 そんなナイト・パブ濃い目のブルーの 背広ににあうカルダン仕立ての ネクタイをシャララ…… ミツル買ってあるのに それっきりきっと浮気を してるのねこのごろ来ない東京 そんなナイト・パブ私のこころに にたよな唄があればカラオケ かけてみるシャララ…… イサオ君
お店のつとめは はじめてだけど真樹さんの 紹介であなたの隣りに 坐ったのあそびなれてる 人みたいボトルの名前で わかるのよそんな女の ひとりごと身体(からだ)に毒だわ つづけて飲んじゃユミさんは こないけど十時に電話が 入るわよあなた歌でも 唄ったら少しは気持ちも はれるでしょそんな女の ひとりごと車でおくると いわれたけれど奈美さんに 叱られるあなたの浮気は 有名よジンのにおいで 私まで酔わせる
俺は待ってるぜ 別れても好きな人よせばいいのに骨まで愛してアケミという名で十八で花から花へと噂の女帰ってこいよ 北の宿からごめんね 与作ろくでなし君はこころの妻だからおまえに抱よう おもいやり愛のふれあい 俺は待ってるぜ私は街の子 ひばりのマドロスさん影を慕いて 今日でお別れ星は何んでも 知っている小指の想い出 ゆうべの秘密知りすぎたのね なみだの操せんせいサチコ 悲しい酒夜霧よ 今夜もありがとう
男はときどき 夜更けになると過去へと 旅することがあるグラスに残した 氷をゆすりやさしい女へと 逢いに行く黒い瞳よ 白いうなじよ紅いくちびる 細い指先あんなにふるえた あんなに泣いたどうして 別れてしまったのすべてを投げだし いのちを賭けて愛したはずの 女なのに髪のかおりよ 胸のぬくみよ耳をくすぐる あまい言葉よ酒場の片すみ タバコをつけてぼんやり煙を
雨の舗道で 上衣を脱ぎながら寒くないかと 私の肩へそんなあなたの優しさがこばみきれなくて冷(さ)めた私だけど 又あなたが欲しくなるもう一度 もう一度そっと抱きしめてムチャをするなと グラスを取りあげて弱い身体をかばってくれるそうよ重荷になる前に忘れられたいのこんな女なんて 今どこにもいる筈よさようなら さようなら愛を終らせて眠れない夜は 夜中の電話でも待っているよと あなたの言葉嘘がつけない人だか
男はただ一人 汽車を乗りかえて湯の香せつない 街を行く愛しちゃいけない 人故にしあわせひとつも あげられずあゝ傘もささずに 雨の中あの人を想う古びた宿帳に にじむ女文字似てる名前が 胸にしむ飲めないお酒に 酔いしれて生きてく辛さを 忘れたいあゝ部屋の 小さなさくら草あの人が匂う夕陽の海峡が 旅の終りなら過去を沈めて 眠りたい誰にも云えない 恋ごころ背広に残るよ
たった一度の この世の旅路生命(いのち)の足跡 続く道に秋が来て ひとひらの 枯葉が舞う季節は巡る それだけさどんな涙も この胸のほんの小さな過去だからやっと出逢えた おまえと俺さ生きてる限り 明日(あした)がくる冬を越え 春が来て 微笑(ほほえ)むように陽(ひ)だまりひとつ 影ふたつどんな涙も この胸のほんの小さな過去だからそっと結んだ 心と心光を見つめて 歩き出そう哀しみは どこまでも 哀しみ
つらい思いで 生きてくよりは死ねばいいのと 泣くおまえ過去をひきずる 女がひとり跳んでゆけずに 腕の中泣き虫 泣き虫 泣き止んで春の日差しを 浴びようよ雨の降る夜の ゆきずりだけどいまは命を 賭ける恋抱いて眠れば 泣きそな声で邪魔じゃないかと すがりつく泣き虫 泣き虫 泣き止んで春の日差しを 浴びようよいい夢ばかり 男に許しなぜに急いで 散りたがる夢をみるのは ぜいたくじゃないついておいでよ この
こころも躰(からだ)も 惚れさせて梨(なし)のつぶてよ あのひとはしあわせ…しあわせ… もう一度お猪口(ちょこ)に面影 泳がせて酔えば泣けます 酒みれん心底(しんそこ)尽くした つもりです何度傷つきゃ 気がすむのしあわせ…しあわせ… もう一度いい事ばかりを 思いだし憎みきれない 酒みれんあきらめきれない つらい恋そっと指輪の 迹(あと)を噛むしあわせ…しあわせ… もう一度ため息つくたび 逢いたくて
春も待たずに ほころぶ花にそそぐ陽(ひ)だまり 石畳この坂を 右へ折れれば 高台寺(こうだいじ)恋の名残(なご)りを 愛(いと)しむように鐘が鳴ります 京都二寧坂肩に手を添え 転ばぬようにそんな優しい 気配りが今更に 消えてはかない 夏すだれ秋が色づく 清水寺(きよみずでら)に夢が揺れます 京都二寧坂何処(どこ)でどうして 躓(つまづ)いたのか歩き慣れてる 坂なのにささめ雪 遠いおもかげ 抱きしめ
なぜだかこのごろ ひとりで夜の街さまよい歩く くせがついたよはぐれ者のように 酔いしれグラスゆすり またもあおって別れまぎわの おまえの白い横顔を 想い出すあの日の別れは 理由(わけ)などなかったさ大人の恋の しゃれたさよならやがて恋もしては みたけどこころもえず どこか悲しい暗い酒場の とまり木ゆれておまえだけ 想い出す一度おれと飲んでみないか言葉なんか なくていいのさきっと最初の 出逢いのよう
悲しさまぎらす この酒を誰が名付けた 夢追い酒とあなたなぜなぜわたしを捨てたみんなあげてつくしたその果てに夜の酒場で ひとり泣く死ぬまで一緒と 信じてたわたし馬鹿です 馬鹿でしたあなたなぜなぜわたしを捨てた指をからめ眠った幸せを思い出させる 流し唄おまえと呼ばれた 気がしたの雨ににじんだ 酒場の小窓あなたなぜなぜわたしを捨てたじんとお酒心に燃えさせて夢を追いましょ もう一度
そぼふる雨なら 防げるけれど冷たい心は 隠せないやせた女の とまり木に背中をむけた にくい人すがって行きたい あなたの後をお酒でごまかす このさみしさをつまびく夜風が 目にしみる枯れた女の とまり木をせめても一度 抱きしめてひとりじゃさみしい 眠れない離れて暮らせば 他人と同じしあわせこぼした 身が悲しよわい女の とまり木をあなたその手で 包んでよ他にはなんにも 欲しくない
無理して飲んじゃ いけないと肩をやさしく 抱きよせたあの人 どうしているかしら噂をきけば あいたくておもいで酒に 酔うばかりボトルに別れた 日を書いてそっと涙の 小指かむあの人 どうしているかしら出船の汽笛 ききながらおもいで酒に 酔うばかりいつかは忘れる 人なのに飲めば未練が またつのるあの人 どうしているかしらくらしも荒れた このごろはおもいで酒に 酔うばかり