さくらんぼの実る頃 – 堀内環

桜んぼ実る頃
うぐいすの鳴き声も 浮かれている
乙女たちは気もそぞろ
愛される 夢をみる
桜んぼ実る頃
小鳥さえ 結ばれる

桜んぼ摘みとれば
血の色の耳飾り 光ゆれて
おそろいの赤い服を
身につけた ふたご双生児の子
桜んぼ実る頃
短くも 美しい

桜んぼ実る頃
思いきり泣きなさい 乙女たちよ
愛し愛された人と
別れゆく 悲しみに
桜んぼ実る頃
人はみな 胸痛む

桜んぼ実る頃
傷ついた心にも 恋はうずく
人を好きになることは
神様も 止められぬ
桜んぼ実る頃
またつらい 恋をする