Flame — 土岐麻子

こわごわと
子供のように
ひと息に
マッチを擦る

ベッドには
波紋のような
キャンドルの
影が泳いで

暗い夜の中で
望みをあぶり出すよう
こわごわと
子供のように
それを見ていた

これが愛なら
あの人照らす
光になるかな
どうか教えて

小さく灯る炎
誰にも 吹き消せない
揺れる 揺れる 火を
肌の中に隠してる
おそれ戸惑って
吹き消そうとするたびに
風に乗ってなお
メラメラと強く燃える

あの人は
子供のような
横顔で
マッチを擦る

開け放つ
窓の向こうへ
小さな火
吸っては吐いて

時間が灰になり
たちまち崩れてゆく
生きている そんなことを
はじめて思う

これが愛なら
誰かのことを
傷つけるかな
どうか教えて

小さく灯る炎
誰にも吹き消せない
揺れる 揺れる 火を
肌の中に隠してる
おそれ戸惑って
吹き消そうとするたびに
風に乗ってなお
メラメラと強くなるの