戦っている貴方はうつくしい 魔法は永遠じゃない 大切なとき思い出せない でも言葉は永遠だって 何も変わらず 生きているって 透明な雨が降りそそぐ 川は激しく濁りやがてまた 水の底を映す かがやきは傷の数だけいびつな傷跡が乱反射した戦っている貴方はうつくしい 一瞬で終わってしまう 火花の中に飛び落ちて一生を捧げるように 永く静かな恋をした 透明であろうとするほどに すべてを吸ってしまう貴方だから 物語になるよ
制服の影がまどろみの室で みつあみを解きあう純潔の白いカーテンの奥は 私たちだけの秘密よ 中庭で輪になって 同じように羽を断つ 綴じられた世界裏切りを包んでは ハンカチーフ落とすのよ 次の鬼は誰 貴方は私を 鏡と呼ぶ私は貴方を いつか忘れるだろう 制服の影がまどろみの室で みつあみを解きあう純潔の白いカーテンの奥は 私たちだけの秘密よ
鏡に映るのは女優 左右非対称の目が色っぽいなんて言うから吸いよせられるように恋に落ちていた 貴方の嘘に鋭くなって心の感度が鈍くなるのこおりの指を繋いでいたかった 貴方に掛かった悪い魔法をといてあげる私のすがたが変わり果ててしまっても瞳に宿った微かな光 午後の撮影スタジオ 白い天井仰ぎ視線に囲われながら誰と交じりあう ただれた恋を優しく抱いて私が最後に輝くのはこの舞台から転げ落ちるとき 貴方に掛かった悪い魔法を
ぬるい夜の風が あなたの声をかすれさせただよね 柄じゃないね 泣いたりするのは卑怯だ じゃあまたねって逃げて帰った 陽に焼けた肌に 何度も思い知るのたったひとりで 焦がれてきたのだとうなだれた猫背に おもわずふれたときにあなたはあの子を 期待していたの もしも私だけに ひだまりをくれると言うならあとはお水だけで 綺麗な一輪咲かせるわ 今年の夏はいちどきりなのに 棘の無い指で 手を伸ばしてみるけれどだめみたい
恋する季節は待ったナシ目で追ってしまうなんとナシただよう香りに興味ナシ冷たくしないで人でナシ ワタシはおいしいくだもの 用も無いのに名前を呼んで用も無いのに電話を掛けて用も無いのに上目遣いで用も無いのにレースの下着 「ちょっとアンタ、ソコどきなさいヨ」「なによ、アンタがどきなさいヨ」「アンタに用は無いワ」「ワタシだって無いワ!用が有るのは、アノ人だけなの」「うるさい!」「おだまり!」「キー!!!」 見初め
ダーリン 私を脱ぎ棄てて 待てないの 目をとじてひとときの旅に出ようか さあ ゆきましょ 目撃はまだ薄暗いロケット公園黒墨の予告状に街は騒いだ誰も彼もまるで夢の中で気づいていない噂の怪盗が私だなんて 飛びちる しびれ粉 煌めいて「メタモルフォーゼ」 ダーリン 私を脱ぎ棄てて 待てないの 目をとじてひとときの旅に出ようか さあ ゆきましょダーリン 境界線を越えて 書きたすの 目をとじてひとときの旅に出よう
おとぎ話のように お終いはないのよきらめく世界で 品運命のショウタイム つめたい風が ぴしゃりと肌を打つ情熱を持つほどに つめたさ感じるの 誰かの嘘が ちくりと胸を刺すほんとうの言葉 願うたびに痛いの 戦うことに 慣れてしまってもこの手でちゃんと迎えたいから 未来の私を おとぎ話のように お終いはないのよきらめく世界で 品運命のショウタイムおとぎ話のように お終いはないのよ誰よりも早く 大人になっちゃった
私の恋は今日で最終回続編の話なんてもちろん無い 貴方の台詞は変えられないけれどラストシーンは私の物ワンテイクでキメるわ オンオンオロロン オンオンオロロン 女は泣く雨のカーテンコールは 拍手喝采 私はいつもすぐに最終回映画版の話なんて馬鹿はよして 主演女優賞は渡さないのさ私しかいないドラマの中でワンショットでキメるわ オンオンオロロン オンオンオロロン 女は泣く紙吹雪散らして ド派手にいきましょオンオンオロ
鏡よ 鏡よ鏡よ鏡様 運命の人はどんな人?教えてあげますお嬢様 運命の人の口癖は 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄! えーと…ハイ 鏡よ鏡よ鏡様 その人以外にいるかしら?探して見せますお嬢様 運命の人の効果音 ざわ・ざわ・ざわざわざわ…ざわ・ざわ・ざわざわ… えーと…ざわ? 鏡よ鏡よ鏡様 その人以外もいるかしら?おまかせくださいお嬢様 運命の人の決め台詞 お前はもう XXXでいるあ
大人だからたまには贅沢したい閉店間際のスーパーマーケットに寄る 少しだけ高級なお鮨のパックが半額恋人の家のドア ひらくみたいにふたを開けたなら 何かたりない ガリ ガリ ガリがない あいつがいなきゃ締まらないガリ ガリ ガリがない あいつがいなきゃ終わらない今夜が 終わらない 子供だってたまには贅沢したい今夜はお祝い 出前鮨がやってくる 晩酌は三ツ矢サイダー ぐびっと一杯たまんないちゃぶ台を司る 宝石みた
改札はよそよそしい顔で朝帰りを責められた気がした私はゆうべの服のままで浮かれたワンピースがまぶしい 風邪をひきそうな空一夜にして 街は季節を越えたらしい まだ あなたが残ってる からだの奥に残ってるここもここもどこかしこも あなただらけでも 忙しい朝が 連れて行っちゃうのいかないで いかないで いかないで いかないで私まだ 昨日を生きていたい 駐輪場で鍵を探すときかき氷いろのネイルが剥げていた造花の向日
ダーリン 私を脱ぎ捨てて 待てないの 目をとじてひとときの旅に出ようか さあ ゆきましょ 目撃はまだ薄暗いロケット公園黒墨の予告状に街は騒いだ誰も彼もまるで夢の中で気づいてない噂の怪盗が私だなんて 飛びちる しびれ粉 煌めいて いま「メタモルフォーゼ」 ダーリン 私を脱ぎ捨てて 待てないの 目をとじてひとときの旅に出ようか さあ ゆきましょダーリン 境界線をこえて 書きたすの 目をとじてひとときの旅に出
赤いネイルが剥げて 色気がなくなっちゃったヒールに傷がついて 美人じゃなくなっちゃった 初めからこっちは それほどでもなかったいつも仕事ばかり 寂しいわけじゃないけど ねえ あなたが言ったさようなら まだ散らばったまま胸の奥を壊していったままでいるよ フレーフレーフラレごめんなんてまた勘違いしないでよこっちもそろそろ飽きてきたところ 窓に流れるネオン 滲んで消えないように吊革にもたれて 唇をそっと噛んだ ね
青いリボンに染みこんだ 透きとおる血の微かな香を辿って わたしを探すの幼いころに救われた 貴方の役をいまこそひき継ごう さあ敵はもうそこ 水金地火木土天海冥 ああ 憧れの貴方なら どうしたでしょうか月のひかりに 脱がされるわたしは 誰だっけ 液晶の花園で待つ 味方の陣がかじかむ手をあわせ 無事を祈っているこの星を守ってきたのは いつだってそうヒーローではなくて ヒーターだったの 狙いをさだめ流鏑馬で射て あ
穏やかな昼下がり、私はタクシーに乗って空港へと向かっておりました。レースの手袋に滲んだ赤黒い染みを隠して、重い鞄を抱きしめた。ねえ、もうじき自由になれる。 神様がいたならきっと嫌われていたでしょう。窓のそとを見遣ると、豊かな麦畑の黄金がそれはそれは美しい中、運転手が言ったのです。 「お客さま」「はい」「貴女」「はい」「貴女、もう地獄に落ちてますよ」「え」 地獄タクシー タクシー 魂をたくし地獄タクシー 
ひらいたピーナッツフラワーさらい七つの海静かに靡いた ここは市民プール 密やかな私の海バタ足で掻き消された 今日も スイミースイミー きらめく尾びれを落としてスイミースイミー わすれるように泳いだ冷えた水の中で息ができる気がした荒波よ 私を連れ去って 夜が来ると白いベッドの下は海疲れた頭とララバイ 夢うつつ ドリーミードリーミー 私は浮気なうきわよドリーミードリーミー 浜辺に投げだされたオロロンオロロンと
いつもと同じ席で私を呼ぶ貴方が決まって頼むのはホットコーヒーなの 首筋に降りそそぐ光の中は名前も無いような私だけの時間 海が見えるカフェテリアにいるのは寝ぼけまなこの貴方いつかすがた見せなくなるまでわたしの心はじんじん いつもはひとりきりで店に入る貴方が都会の綺麗な人 連れてきたの ああ 角砂糖のような笑みにみとれて知っていたつもりの「いつも」がとけてゆく 海が見えるカフェテリアにいるのはとぼけ顔の貴方いつ
わたしは人魚に生まれて 人目をさけて育った嵐の夜の海原で 溺れた彼と出会う 荒れ狂う波を掻きわけて 肌にさわったとき冷たい血がざわめいた さようならさようなら 七つの海はもう 静かに靡いたわたし真珠の涙を 月に食べられたの ふたりは夕凪のとりこ 輝く波にあそばれて世界の恋人たちと おんなじ色に染まった 海の神様に隠れて 透きとおる誘惑いちどきりのキスをした さようならさようなら 七つの海はもう 静かに靡いた
私の背丈がとまった冬の日土産の焼酎たずさえて貴方が帰ってきた すこし伸びた髭を無作法に撫ぜると大きくなったね懐かしく笑った 昔みたいにお部屋に行ってもいいとなぜか訊けないふくらんだ胸が寂しいよ やねやね屋根裏の住人またどこかへ旅に出るのでしょうやれやれ困ったものだよそんなに待っていられないからね 叔父さまの御友人の奥様の御兄弟の曾御祖父さまの孫の貴方ともし めぐりめぐった末の非情な因果で血が繋がっていたらど
大人たちが眠る夜に シークレットコールるるるるる誰かの寝息に毒をまぜて 子供たちで逃げだそうよシークレットホールるるるるる 合言葉を打ち明けあおう 蘇るパレット 校庭のパレード 風もないのにはためく頁教科書のすみに散らばった言葉 校舎に隠された暗号ちぐはぐな羅列が意味を持ちはじめた見つけた 大人たちが眠る夜に シークレットコールるるるるる誰かの寝息に毒をまぜて 子供たちで逃げだそうよシークレットホール
辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い うー麻婆! 昔々支那の片田舎で とんでもなく辛い辛い辛い辛い麻婆をつくるというあばたの婆がおったとさその噂 聞きつけたようで 辛いものに目がない王様がどうしても食べたいと言ったから さあ大変 火吹け龍よ ヒーヒーホー極楽浄土へ ピーピーポー あばたの婆が鍋かき回すと 城の絨毯がちり焦げたこりゃ大変だ 食いもんじゃねえ 家来は騒いだそれならばなおのこと その麻婆どれほど痺
夜の橋を渡ると 風に交ざり聞こえるかたちの見えない一角獣 わたしの代わりに鳴いてる どうやって言葉にしたらいいのかわかんないよ一日中かんがえても誰かに会いたいのにそれが誰だかわかんないよあなたじゃないのは確かなはずだけど 読みかけの本があるうちは守られている気がしていた知らない国の主人公 何度も姿を変えてゆく どうやって言葉にしたらいいのかわかんないよ一日中かんがえても誰かに会いたいのにそれが誰だかわか
真夜中の集合は喫茶店規則正しく並んだ椅子はまるで教室悪いことしてるみたい 帰らなきゃそう帰らなきゃ 私たちいま中学生なら 貴方はメロンソーダ 私はレモンスカッシュ 私の中の少女が 貴方の中の少年に恋してる 恋してる子供のころにひとたび戻ってしまう秘密の ねえ ねえ ねえ ねえねえ中学生 小説の大好きなフレーズにしおり挟んで貸し出したこと気づいているかな偶然を装って図書館で となり同士もしかしてねえ 中学
映像に残った 真夜中のバースデーケーキと無音のリップシーン蝋燭に照らされた横顔が美しい買ったまま開けなかった花火 思い出になってしけちゃうまえに幼いお願い 手を繋いで眠って 音声で綴った 雨枯らすベッドルームとコップの水星の色を教えて ドアの奥の歌声で溢れたあてどない小さな海を優しく抱いて眠ろう冷たい風と迎えにきてくれ 薄暗い窓の外 時間がこぼれてゆく白いカーテン 昇る声記憶がとけだして どこにいるの
もういちど あなたに言いたい女にはアボカドなんて決めつけないでわたしはわたしだよ海老アボカド たしかに注文したけれど わたしの好きなものをすべてすぐに決めつけるんだから でも今夜だけは決めつけていつものように決めつけて好きなんでしょうって好きで好きでしょうがないんでしょうってわたしの恋を決めつけて いまいちど あなたに言いたい化粧落としのコマーシャルに騙されないでああ見えてつくられた素肌すべてが落ちたと
私を連れていってくださいあなたの胸に呼吸を止めてわたし駆け出したいのあなたの心の窓硝子にわたしのすべてうつしてみたい物語がはじまるの 私には始める場所がないような気がする悲しみが夜にかくれて忍びこむの 今夜も だけども信じてもいいのあなたが私の物語を新しくはじめる新しくはじめる人 私を連れていってくださいあなたの胸に呼吸を止めてわたし駆け出したいの私の心の窓硝子はモノトーンの雨に打たれているの物語を待っ
いつまでも消えない光はないという幼いむかしに知っていた眼差しも あなたが眠りいるころ わたしギターを鳴らして合言葉をさがすよ むずかしいなあってあなたのゆびさきから 編みだされるのはあたらしい、うつくしい、やさしい、いとしい、 ゆるやかな地獄が日常の顔をしてくるんだ毛布のぬくもりを奪い去る あなたが眠りいるとき わたし記憶の鞄に大好きなものすべてつめてあげたいよあなたの瞬きから 生みだされるのはあたらし
どうかしちゃったみたいに力がはいらないわたしのからだがよそよそしい今晩の夕食ものどを通らなくて 布団にはいってからお腹が鳴る 結局食べるラーメンに あなたを浮かべたりしてレンゲですくう 恋の味 ひゅーひゅーひゅーとはやしたてる 心の声がうるさいなちょっとさ だまってよって 忠告してみせてもひゅーひゅーひゅーは鳴りやまず ドンチャン騒ぎの宴あなたには ひかれたくない バスが揺れるたび肩がふれて 甘い香りに
あなたの胃を弱らせた わたしのわがままよそでは借りてきた猫 うちでは女王さま 誰にも本音 言えなくて すべてぶつけていた 胃がキリキリキリキリ痛むくらい ずいぶん苦しませてもうムリムリムリムリになって さようならになっちゃった はあ おまえは変わらないと あなたに言われておまえって言うな おまえって言うなと 反撃していた 毎年 誕生日にもらった手紙 読みかえし 胸がキリキリキリキリ痛んで 泣いてたあなたをお
ひょうひょうっていいな その足はたぶんすくわれないクールぶっているのに なんかちょっぴりかわいいし わたしはいま 瀕死寸前でかっこうわるいどうにもならないの どうにかしてよ ひょうひょうとしていたかった 怖くてしかたのない日もヒロインに目配せする 名脇役のおじさんみたいに ひょうひょうっていいな ひとりきりでも大丈夫肩で風を切って 我が道をゆく自由人 靴ひもを 何度も結ぶふりをした居場所ないわたし 消えて