京都にいるときゃ 忍と呼ばれたの神戸じゃ渚と 名乗ったの横浜(はま)の酒場に 戻ったその日からあなたがさがして くれるの待つわ昔の名前で 出ています 忘れたことなど 一度もなかったわいろんな男を 知るたびにいつもこの胸 かすめる面影のあなたを信じて ここまできたわ昔の名前で 出ています あなたの似顔を ボトルに書きましたひろみの命と 書きました流れ女の さいごの止り木にあなたが止って くれるの待つわ昔
乗り替え駅から ほんの五分も歩いたら「岬」という名の 店があるたしかあいつが そこに居たとか いう噂逢っていこうか 逢わずに行こうか…何処へさすらう 男がひとり酒につぶやく 旅の居酒屋で 日暮れの波止場で 咽ぶ汽笛の淋しさに思えば遥かな 故郷(ふるさと)よ北へ北へと 胸のやすらぎ 追いかけて明日の出船で 海峡越えよか…誰が爪弾く あの惜別の唄が泣かせる 旅の居酒屋で 弱い身体と 知っていながら 何故ひ
旅の空日暮れて 街道に湯煙りが流れる 宿場町遠く離れりゃ おまえの顔がじんと旅籠(はたご)の 灯(ひ)に点(とも)る鳥居峠の 御岳(おんたけ)さんよ恋しじゃないかおやじもう一杯 冷やでついでくれ落ち葉くるくる風に飛ぶ ああ中仙道 ちぎれ雲流れて 何処へゆく木曽駒はもうすぐ 冬仕度杉の木立の 街道越えりゃ今日は妻籠(つまご)の 宿(しゅく)あたり落ち葉しぐれか おまえの声か背中(せな)で哭いたおやじも
どこにもあるような 酒場の片隅でひとりで呑む酒に あいつが眼に浮かぶ薄いしあわせを 酔ってまぎらわす女の背中の さみしさが泣いて 泣いてた…忘れない さだめに流されて さすらう港町酒場の止り木で あいつを見つけたよ抱いた夢ならば 捨てちゃいけないとはげまし合ったね ふたりして好きだ 好きだよ…思い出す 俺でもよかったら 一緒に暮らそうとあのとき云えたなら こころが痛まない人に話せない 古い傷あとを思い
ひとりで泣くな 誰にも聞くな俺の事など 探すな遠い 遠い どこかの町で明日がにじむ 男の涙俺が泣くからおまえは おまえは泣くな ひとりじゃだめだ 待ってちゃだめだふたり静かに 終わりだ雨が 雨が 冷たい夜に未練が光る 男の涙俺が泣くからおまえは おまえは泣くな ひとりはやめろ 女で生きろ別な幸せ 見つけろ酒に 酒に 想い出浮かべ昨日を詫びる 男の涙俺が泣くからおまえは おまえは泣くな
ただひとり 旅に出たのさ太陽と 恋をもとめて緑なす ヤシの葉かげで涙ぐむ 君に出会ったどうしたの…ときいたらうつむいて 指をかんでた君よ磯波の音もやさしく僕達をつつんでくれたね 淋しかった 僕の心に幸せな 夢が芽ばえたいつのまに 海は日暮れて金色の 波がゆれてたおくろうか…と言ったら僕の手を にぎりしめてた君よあの時の 甘いときめきこの胸を せつなくゆするよ さよなら…と言ったら泣いていた白いうなじの
愛を信じて やって来た夢を育てた あの頃にかえして欲しい おろかな私すすり泣いてるマンハッタン・ブルース 恋を忘れて 飲む酒も酔って踊れば 想い出がむなしく燃える 夜更けのクラブ涙で聞いてるマンハッタン・ブルース たったひとつの カクテルが彼の残した 置土産赤いグラスに また面影が私をせめるマンハッタン・ブルース
まわり道して 裏通りひとり背中の 男酒遠く離れた 親父にも酒が会わせて くれるだろあぁ…酔って酔って 子供に帰ればいいさ酔って 酔って酔って あの日に戻ればいいさ男の背中 揺らす酒はこの世の贈り物 明日があるから 生きて行く今日はがまんの ひとり酒生きる力が ほしい時酒が助けて くれるだろあぁ…酔って酔って 忘れて眠ればいいさ酔って 酔って酔って 今夜を流せばいいさ男の心 濡らす酒はこの世の贈り物 あ
寒いわね 今夜もね 泣きたくなるくらいお馴染みさん 待ってたわ 一人じゃ寂しくてうちの人 出ていって 三ヶ月(みつき)になるかしら好きだった このお酒 届いているのにね窓の外 ちらちらと 名残りの雪が降る人肌で いいですか 今夜も暖簾出してます この店を 閉めようと 思った時もある未練よね あの人が ふらりと寄るようでごめんなさい 愚痴ばかり 流して聞いといて私なら もう少し 一人で呑んでるわ面影が
名もない港に 桃の花は咲けど旅の町には やすらぎはないさお前と別れた むなしさ抱いて俺は明日もまた北へ流れる お前のやさしさ 酒に浮かべひとり遠い霧笛に あの夜をさがす愛していりゃこそ つれなくしたが今もこの胸に ゆれるほほえみ 男はふり向き 暗い空を見上げつけた煙草に ふるさとを想う真冬の浜辺に 傷あと埋め夢はあきらめて 北へ流れる