もしも僕の目がカメラならジャングルジムのてっぺんから見た屋根の隙間に吸い込まれていく真っ赤な夕日見せられるのに パパやママには見えないでしょう もしも君の目がカメラなら初めてできた逆上がりもいつも逃げてたドッヂボールでキャッチしたとこ見せられたのに パパやママがいないとこで僕はたくさん頑張ってるのさカッコつかないところばかり見られてなんだか悔しいんだ もしもみんなの目がカメラなら世界中の綺麗な景色やいつも
汗で張り付く前髪あげて下敷きで仰いでも太陽にはかなわないよスカートもう一回折り込んだ 聞き流す声 また恋バナね私には無縁だと思っていたの 最近まで分からないもんね 教室の前通る度少し早足になるのはただ勇気が出ないだけさ不甲斐ないなぁ… そうさ 君に 君だけに伝えたいんだその声を聴くだけで苦しくていつも困るんだ だからどうにかしてほしくって 放課後の校庭を走る君の風を切る鼻先がキラリ光って目を逸らして開くノ
朝が弱い君のため淹れたコーヒーはもう冷えた砂糖とミルクを入れて飲み干した 写真が苦手な君との唯一の写真写り悪くて飾ってなかったけどそれでよかったのかも 最後の瞬間はあまりにも呆気なくて涙も出ないよカップを残しておくのもやっぱやめた方がいいかな 空っぽになった脳内で思い出されるのはいつも君と初めて出会った5秒間 雨の日 アスファルトの匂い少し癖のある髪の毛も今でもずっと覚えてるよ 最後の瞬間はあまりにも呆気な
ベランダの手摺 水を弾く音慌てて部屋を飛び出した服を取り込んだ僕は濡れた前髪を直した 走り出すランドセルが辿る道を色付けていくしわくちゃのシャツ畳んだらあの頃の君の声が聞こえた 揺れた君と僕の水影焼けた肌が眩しく見えたあの日の君の瞳と言葉巡る 夏の雨 夏休みの宿題 観察日記2人で育てたトマトは赤く熟さないままいつの間にか落ちてしまった またいつかねと手を振る君はまだ来ない巡ってきたこの季節の中 僕はまた 
上着がいらない季節になったね線路わきのこの道ももう来ることはないでしょう お揃いで買った 皮のキーケースあの日の夜 君がくれた合いカギはもうポストの中 この町での記憶は君との記憶と同じだから 帰れない もう帰れないあの駅も看板も公園も君がちらつくから 戻れない もう戻らない君の面影を全部消してしまえたなら 去年の今は満開だったのに葉桜たち混ざる頃踊り子のように花舞い散る 「隣にいたって わかりやしないんだ」僕
ここから見えた景色僕らの全てだった言葉も価値も愛も「前へならえ」とかかる号令 白線を踏み外し落ちないように足元ばかりを見るような日々帰り道 街路樹の蛹が殻を破るのをいつまでも待っていた 飛び立つ空へ 目指した先は好きなもの 好きなままでいられる場所道も高さも羽ばたき方も胸張って はみ出して 斑かなままの僕で 「自分らしさ見つけよう」「自分を愛しましょう」標語みたいな言葉掲げられても分からなかった ねぇ先生