ひとりで旅立つ 別れのつらさわかっていたのに さいはての町小さな酒場の 花飾りかすみ草 かすみ草どこかおまえの 笑顔のような温もりこぼれる 白い花 寄り添いささえる この花に似て暮らしてゆけたら 倖せですと云ってた言葉が 身を責めるかすみ草 かすみ草誰を待つのか あの角部屋で愛しい面影 また浮かぶ 詫びてもすまない この俺だけどあの日のふたりに 戻れるのならおまえを二度とは 離さないかすみ草 かすみ草
入江づたいに 東へ走る俺が夢見た ふるさと列車瞼閉じれば ひと駅ごとに母の 母の母の笑顔が 浮かんでくるよ逸(はや)るこころの ふるさと帰行 昔ながらの 途中の駅で耳になつかし 田舎(ふるさと)なまり都会暮らしも 幾年(いくとせ)過ぎて友と 友と友と遊んだ 幼い頃を思い出します ふるさと帰行 汽車の窓辺を 夕日が染めて遠くまたたく ふるさと灯り秋の祭りも もうすぐ近い白く 白く白く並んだ 昇りの旗が俺
雨にうたれて 世間にすねてやけをおこして 夜風に泣いたいくじなしねと あのときおれのおれのめをみて 叱ってくれたありがとう すまないねおまえはおれの おまえはおれのこの世にひとつの 愛の花 一つ二つの かなしい過去(きず)はみんなあるだろう 生きてるかぎりつらいときには 黙っておれのおれの背中を ささえてくれるありがとう おかげさまおまえはおれの おまえはおれのこの世にひとつの 愛の花 人は厳しい 寒
おまえを愛した 想い出にかわれるものなど 何もない雪がとけ 岸辺の葦(あし)が芽吹いても風はまだ肌寒く 春は遠すぎる明日に一歩また一歩 いつの日か夢を語れる 日がまた来るさ 都会に行っても この町にかならず帰ると 誓った日青い海 おまえと眺め飲み干した缶ビールめちゃウマで 忘れられないよ明日に一歩また一歩 いつの日か夢を語れる 日がまた来るさ こころの底から 惚れ合ってしあわせなろうと がんばったいつ
愛してみても 月日がたてばいつしか心が すれ違いおまえの淋しさ 知りながら失くしていたよ 優しさを今日が最後の 夜だからせめてひと時 別れのグラス 二人で買った 鉢植えの花腕組み歩いた 並木道氷の隙間に ゆらゆらと思い出ばかり また浮かぶ離さないよと 言ったのにごめんよごめんよ 別れのグラス 互いの心 傷つけるだけ二人がこのまま 暮らしても涙に潤んだ 横顔がせつなく揺れる この胸に薄い灯りの カウンタ
哀しい噂を 逃(のが)れてふたり流れて行きます どこまでも最後の最後の 恋だから過去を断ち切り ついて行くどうぞ隠して 二人の姿沁みる せせらぎ 霧雨の川 恋ゆえ誰かを 泣かせた罪は私がひとりで 背負いますあなたにあなたに 寄り添えば通うぬくもり 信じます川を飛び立つ 水鳥一羽命震える 霧雨の川 ふたりの明日(あした)が 霞んで見えぬ生きては行けない はぐれたら飛沫(しぶき)に飛沫(しぶき)に 濡れな
傘にかくれて 降りしく雪に息をきらして 通う径(みち)止めてもむりです もう、とめないで逢うほど深間(ふかま)に おちてゆく恋する女の 女の恋情け 山は森森(しんしん) 音さえきえて雪にうもれる 隠れ里凍える手足を ああ、この乳房(むね)を温(ぬく)めてください 溶けるほど恋する女の 女の恋情け 闇に薄衣(うすぎぬ) はらりと舞えばからめとられて 腕の中止めてもむりです もう、とめないで抱かれりゃうれ
冷たい雨に濡れながら垣根に咲いてる 紅い花さざんか さざんかおまえのようなどこか淋しい花だねと抱けばあまえる花のいじらしさ この世に生きる悲しみを拾ってきたのか 薄い眉さざんか さざんか 涙をふいて俺でよければ この胸で夢をそだてて春を待たないか 相合傘(あいあいがさ)の ふたりなら寒くはないわと添える指さざんか さざんかいとしい花よいつかおまえに青空を見せてやりたいいつか俺の手で
笹鳴ききこえる 山里に湯の香淋しさ つれてくる涙こらえて 想い出さがし枕濡らした あの夜が憎い募る想いの ああ 霧雨の宿 添えない辛さも いとしさもいつか何処かで 散るさだめ夜明け間近の 短い夜をせめて見させて 一夜の夢を忍ぶ恋路の ああ 霧雨の宿 おぼろに霞む 別れ駅おくる空しさ 里灯り帰したくない せつなさ辛さ肌のほてりに また泣けてくる情け残り香 ああ 霧雨の宿
こころの嘆(なげ)きを 嘲笑(わら)うよに窓で浮かれる 雨の音眠れるままに 酔えないままに夢にもいちど 染まりたい呼べど応えぬ 小夜(さよ)しぐれ どんなに別れを 悔やんでも雨は逆さに 降りゃしない身を退(ひ)くことで つらぬく愛にひとりおんなの みれん酒しゃくな雨です 小夜しぐれ 逢えないあなたに 身を焦がすおんな哀しい おくれ髪叶わぬことと 知りつつ祈るせめて灯して 恋あかり胸に傘さす 小夜しぐれ
夢と言う字を 振り出しに詩(うた)がいのちの 道しるべ駿河(するが)おとこの 意地かけて人生ひとすじ まさと節 右も左も どっちみち先はおんなじ 渡し舟恋となみだの うらおもて銀座が書斎の まさと節 帰るふるさと 茶の香り松のしずなみ 照国寺(しょうこくじ)情け浮き世に 振り分けて道中すごろく まさと節
おまえの手紙の 消印(けしいん)を頼りにひとり 夜汽車に乗った雨の函館 訪ねてみれば流れて小樽に いると云う酔って夜更けは 泣いてたとおまえの噂が せつなく胸を刺す つれない素振(そぶ)りで 別れたが今なら強く この手に抱ける北の札幌 さびれた酒場(みせ)は飲みかけボトルが 残るだけ荒れた生活(くらし)を していたとおまえの噂が 冷たく身を責める ふたりで暮らせる 幸福(しあわせ)を指折り数え 待って
おれの苗字を 名乗ってくれと酒のちからを 借りて言うひとり生きてた 世間の隅でめぐり逢ったの この人に…あなた注がせて もう一杯いのち温(ぬく)める… 縁酒 すぐに泣く癖 おんなの弱さ今夜かぎりで 直します愛のこもれ陽 射しこむ部屋でお世話したいの 身の回り…あなた注がせて もう一杯こころ結んだ… 縁酒 酔って甘える あなたの背中照れてよせよと 叱るひと夢をお猪口に 酌ぎあいながらそっと倖せ 噛みしめ
ふたり一緒に 暮らすのはそれはかなわぬ 夢ですねどこへ流れる この恋はすがる女の 目に涙残秋(ざんしゅう)はるか 吉野川 いっそ逃げよか 地の果てへ惚れたおまえを みちづれに日暮れまじかの 祖谷(いや)の里見えぬ明日に 手をつなぎふたりでわたる かずら橋 三日泊りの はずなのに別れられずに もう一夜愛しあうほど つらくなる遠く巡礼 鈴の音に追われてふたり 吉野川
お前がいりゃこそ 灯りがともる一人侘びしい 暮しの中に馬鹿でいこじな 昔の俺を水に流して 許してほしい「今更なにさ」と 言われても判ってほしい 男の我ままを 我慢を重ねた お前の苦労いつも心で 詫びてた俺さ弱音見せずに 隠れて泣けば漸く判った 女の気持「今更なにさ」と 言われても判ってほしい 男の我ままを お前が心を 開いてくれりゃどんな試練も 背中で受ける生きる二人の喜こび見つけ命かけても 守って見
あなたの生命は 宿せてもこの手に抱けない 運命です愛して下さい 罪な花人の妻でも 女です優しさにひかれて 炎と燃えてます わたしのあなたと 呼べる日はこの世が無理なら 次の世で愛して下さい 罪な花人の妻でも 女です忍び逢う一夜は 哀しい夢ですか あなたの背中に 身を寄せてかなわぬ明日を 見ています愛して下さい 罪な花人の妻でも
明日を想えば 心まで湯冷めしそうな いで湯宿これが最後のお酒なら あなた…今夜は酔って いいですか雪見障子の 外は遣らずの みだれ雪 逢えてよかった 泣くための恋でいのちは 終わっても愛の想い出道連れに あなた…女は生きて 行けますわ髪を解いて 添い寝する身も みだれ雪 朝は他人の 憎い手に帯を解かせる
ねじり ねじり鉢巻き カッパをはおりゃ海の男の 出番だぜ銚子はヨー 日本でヨー日の出が一番 早い町だヨーエンヤコラ先行をとれ僚船にゃ負けないぜ波を 蹴散らす 朝焼けの海だ 父子 父子代々 漁師を継いだ俺にまかせろ 三代目黒潮と 親潮がぶつかる漁場が 俺の稼ぎ場エンヤコラ綱を引けカモメよ邪魔するな汗が 飛び散る
生まれ木更津 浜風夜風(はまかぜよかぜ)遠くなるほど 恋しいものよまして長脇差(ながどす) 三度笠(さんどがさ)寄る辺なければ 宛もないおっと弱音は 柄じゃない木の字鴉(じがらす)の木の字鴉の流れ旅 知らぬ他国で 袖すり合ったむすめ鳥追い 下総訛(しもふさなま)り銚子はずれと 酒落てたが潮の香りの ひと節がおっと沁(し)みるぜ 泣かせるぜ木の字鴉の 木の字鴉の一人旅          富士のお山が 遠くに霞むなぜかおふく
男は夢見て 生きてるだけじゃだめと気づいた 今さらに女ざかりに 紅さえ引かず倖せ花咲く 夢を追うおまえ見るたび 心が燃えた 泣きたい時には 背中を向けて涙かくした 水仕事そんなおまえと 笑うも泣くも重ねた月日が 二十年俺が今度は いたわる番だ 似たもの同士が 一緒になってやっと明日は 春の朝遅く咲くほど 倖せ花はきれいな絆の 実をつける長い道のり 頼むぞおまえ
惚れたはれたが 苦手で逃げて捨てたふるさと 五年前勝手気ままな 風来坊にゃ寒い世間の 向かい風まっぴらごめん まっぴらごめんよ詫びるこころの 親不孝 花のお江戸も 浪花の町もしょせん縁ない 旅(たび)鴉(がらす)意地で歩いた 千里の道も他人(ひと)に言えない 裏街道まっぴらごめん まっぴらごめんよたまにゃ恋しい 故郷(くに)なまり 縞(しま)の合羽も 時には重いいっそ解(と)こうか 草鞋(わらじ)紐(
同じ痛みを 道づれにふたり出直す 北の町遠くちらちら 家並みの点(とも)る灯りが 呼ぶような墨絵ぼかしの ああ雪月夜 燃えるちいさな 命火を俺にあずけて くれた女(ひと)そんなおまえが いとしくて細い肩先 抱き寄せりゃ匂う黒髪 ああ雪月夜 まるで過去(むかし)を 消すように風にはらはら 雪の華心かさねる 湯の宿の春を待ってる 寒つばき紅がほのかに ああ雪月夜
雲が流れる 故郷の空に帰ってきたと 背伸びする都会ぐらしを 労わるように迎えてくれる 鐘の音(ね)は仏の里の 両子寺(ふたごでら)ああ… 国東は俺のふるさと 五辻(ごつじ)不動の つづらの坂を登れば遥か 周防灘息をはずませ 幼いころに母に縋った 馬の背が小さく今日は 見えてくるああ… 国東は俺のふるさと 桜八幡 両手を合わせあの日の誓い 噛みしめる弱音吐くなと 親父の顔が浮かんでくるよ 六郷の緑に染ま
親も無ければ 塒も持たぬ廿才、三つ四つ 渡り鳥広い世間に 無いものづくし どこではぐれた 男笠 (セリフ)人間同志のあったかい「心」―一体どこへ、行ってしまったンでしょうかねぇ 酒が三分で さいころ七分恋の目が出る 場所はないまゝよ半端な 街道がらす女泣かせは まだ早い 日かげ三年草鞋の泥はいまが捨てどき 洗いどき訊いてご覧よ落葉の果てをお釋迦さまでも 首を振る
霧に霞んだ 吉野路(よしのじ)に秋が静かに 背を向けるこの川を この道をふたりの故郷にしたかった一途な想い 癒やすよな流れてみたい あゝ紀ノ川(きのかわ) 遠く鐘の音 紀三井寺(きみいでら)雨が冷たく 頬ぬらすこの川を この橋をふたりの故郷にしたかった悲しい音色 響くよな心も揺れる あゝ紀ノ川 はるか島影 和歌(わか)の浦(うら)花の香(かおり)が 匂いたつこの川を この道をふたりの故郷にしたかった明
別れ桟橋 見送る頬に涙ほろりと 心も濡れる遠くに浮かぶ 船影を赤い蘇鉄が 叱るのか白百合の唄も 哀しそう 花の蕾は 短い命春が来る度 心も細る女の夢を 咲かせたい紬織る手に 涙粒白百合の唄は 淋しそう 辿り着きたい あなたの胸に一人待つ身は 心がいたい仕立てた紬 触れる指奄美大島 サネン花白百合の唄が 聞えます
人目忍んだ はずなのになんで邪魔する 月明かり帯をこの手が 解くまでうしろを向いてて くださいね何度 逢う瀬を 重ねても女 恥じらう 浮夜舟 声を潜めて いるものを岸で鳴くのは 川千鳥堪え切れずに 乱れたら私を叱って くれますかそっと身を寄せ 強い手に胸を預ける 浮夜船 帰り支度を 急がせて西に傾く 月の影紐で身体を 結び合い流れて行けたら いいですね叶う当てない この恋が無理を言わせる 浮夜船
冬の寒さに 耐えながら俺の帰りを 待っている可愛い奴だよ お前だけ忘れはしない 今もなお面影揺れる 深山のつばき 生まれ故郷の 丸木橋にぎる手と手の あたたかさ今も心の 片隅に逢いたさつのる あかね雲この胸泣かす 深山のつばき 人目忍んで 身をかくし風が運んだ 春便り俺を信じる いじらしさこもれび揺れて 山間に夏まで咲いて 深山のつばき
藍染めの 浴衣に咲いた 花柄がとても似合うと 言った人しあわせですか どこかで今も逢瀬のときめき 偲ぶよなあの日と同じ 紫陽花しぐれ 近づけば 泣きだしそうで 辛いから行きも帰りも 遠まわり想い出だけは 捨てたくないのふたりで旅した 山あいにせつなく浮かぶ 紫陽花しぐれ 路地あかり のれんが揺れる とまり木で別れ涙が こみあげる夢でもいいの 燃やした恋はお酒の雫で 酔いしれるおんなの胸に 紫陽花しぐれ
渡し舟なら 渡れても何故に渡れぬ 向こう岸灯りこぼれる 隅田の川に映るあなたの面影が私を泣かす 佃の渡し 風の冷たさ それよりも寒い女の 胸の奥惚れた分だけ この身が細る逢えぬ分だけ また恋しひとりが辛い 佃の渡し もしも明日(あした)が 見えるなら背のびしてみる 舟着き場そばにあなたが いるだけでいいそして一年 生きられる戻ってきてよ 佃の渡し