涙と酒とでヨー ちゃぶ台濡らし黙ってふいてた げんこつで昭和によく居た 男達女に泣いたら からすが笑うまぶたの汗だと 負け惜しみ恋など忘れろこれが昭和の 男節 相合傘でもヨー 重なる手と手触れてはいけない 好きだから昭和によく居た 男達幸せなんかに できないけれどせめても心の 雨やどり横丁しぐれかこれが昭和の 男節 ど阿呆の正札(しょうふだ)ヨー 背中に貼って利口な世間に 意地を張る昭和によく居た 男
渡る世の中 甘くはないと北の地酒が 身にしみる辛さ苦さは 男の味だグラスなどより 茶碗が似合うお父(ど)うじょっぱり 津軽酒 酒は人肌 凍(しば)れる胸に厚い人情 酌み交わす白いりんごの 花咲く日まで冬が我慢を 教えてくれた唄はじょんがら 津軽酒 遠い昔も 地吹雪なのにしがみついてた 故里(くに)ごころ岩木川にも 流れはあるが親にもらった この血の中に今もつながる 津軽酒
俺のこころの ふるさとは惚れたおまえの 胸の中遠い海から ふるさと船は夢で今夜も夢で今夜も 港に帰り胸に錨を 下ろしたい 蝉も蛍も この俺も夢の儚さ みな同じ海が墓場さ ふるさと船は命果てたら命果てたら おまえの胸に俺のこころを 埋めてくれ 何を探しに 旅の空俺もこの世の 渡り鳥泣くな海猫 ふるさと船は男度胸じゃ男度胸じゃ 負けないけれど母の古巣が 恋しいよ
北のふるさと いまごろ雪だろかおふくろ背中を まるめているんだろ兄弟三人を 育てたおふくろと炉ばた囲んだ 冬の夜のあの味噌汁が 恋しいなァ 甘いあんこに でっかい餅食べりゃねむたくなるから はしゃいで遊んでた兄弟三人で あんこのヒゲかいて笑いころげた 雪の夜のあんころ餅が 恋しいなァ いくら都会の 料理がうまくても心がお腹を 空かしているんだよ兄弟三人は おふくろ手料理の味が欲しいよ 寒い夜は煮っころ
好きで呑んでる 酒じゃない男の心の 傷ぐすり百も承知で 酌するおまえ起きて転んで夫婦だるまの 二人旅俺には命の 女房だよ 夫婦湯呑で ふたり酒心にひびなど 入らない箸で叩いて 唄って踊ろ泣いて笑って夫婦だるまの にらめっこ負けたと笑顔の 女房どの 古い畳も いいものさたばこの焦げあと 涙あとしみてにじんだ 人生模様酸いも甘いも夫婦だるまの かくし味俺には宝の 女房だよ
夕方になるとごはんの匂いが プーンとして温ったか味噌汁 待っていたからすの親子がねぐらに帰ろと 啼く頃は背伸びをして見る 遠い空ふるさとごころにおふくろ逢いたい いわし雲 山寺の鐘が野菊の小道で ゴーンと鳴る夕焼けだろうか ふるさとも瞼に浮かぶよ白髪にとまった 赤とんぼ小川で大根 洗ってるその手をつないでおふくろー緒に 歩きたい 涙を噛みしめ切れなくなったか 糸切り歯苦労を背負って 曲る腰それでも俺に
夕焼け子やけを 見あげれば子供のこころに もどるのさ風呂焚くけむりが のぼる頃帰っておいでよ 日が暮れる「ごはんだよ」おふくろ呼んでた 野原みち お盆にお祭り お正月夢だけ帰るよ 山の駅いつでも子守の 唄がわり背中で聞いてた わらべ唄「あの唄」おふくろ電話で 聞きたいよ 夜業に炉ばたで 皮むいた干し柿今年も とどいたよ爺ちゃんに似ている 孫連れた嫁さん見たいと
いのちを燃やし 生きてきた姿がみえる 夕焼けに山河越えた 夫婦旅ああ 人生の残照におまえの顔が きれいだよ おまえと逢えて よかったよこの世の長い みちづれに幸せだった ありがとうああ 人生の残照にこころで俺は 礼を云う 不器用だから 遠まわり歩いた道に 悔いはないぬくもり交わす 手をつなぐああ
祭り太鼓に 血が騒ぎおやじの形見の 下駄をはく不器用細工の 男物おやじが歩いた 人生の坂道ばかりですり減る苦労を 知っている 俺は息子を 肩ぐるまおやじの心が いまわかる青空つかんで 高くなれ大人になったら この下駄でおやじが残した涙の足あと 踏みしめろ 汗をふく手を 振るくせがおやじにこのごろ 似てきたよ時代の違った 道だけど男が生きてく
まるで絵はがき 並べたように海の景色が 目に浮かぶ遠く離れて つながる想い胸に線路が つづいてるああ三陸 いつの日か俺の三陸 帰りたい潮のかおりの 小さな駅に夢が今夜も 走り出す 岬めぐりの ジグザグ道は似てる気がする 人生に空に一羽で 鳴くうみねこも愛の止まり木 欲しいのかああ三陸 もう一度俺の三陸 逢いたいよ岩にかくれて 咲く浜菊はあれはあの娘(こ)の こころだよ ああ三陸 あの頃が俺の三陸 なつ
汗で登って 涙で下る転ぶ人生 峠坂ただじゃ起きない つかんだ石ころは谷に落ちそで 踏みとどまった俺の心の 歯止め石 歯止め石 石が流れて 木の葉が沈む川がこの世の 水鏡角がとがって つまずく石ころは恋の浅瀬や 情けの渕の水にもまれて 丸くなる 丸くなる 風に叩かれ 夕日に焼かれ雪やしぐれに 濡らされる俺と同じさ 小さな石ころはいつか世に出て 宝石よりもひかり輝く 夢がある 夢がある
この世の川に 夢を抱き天まで昇れ 竜になれ男は鯉の滝のぼり苦労の波を くぐるたびでっかくなれよ 出世鯉 明日のために 泥水を涙で飲んだ こともある男は鯉の滝のぼり人生賭けるよ 大勝負一花(ひとはな)咲けよ 出世鯉 度胸をきめて まな板に笑って命 のせてみろ男は鯉の滝のぼり志(こころ)を高く 跳びあがれあの虹越えろ 出世鯉
津軽海峡 連絡船で北の大地を 捨ててきた 瞼とじれば あの山川がうしろ見るなと また叱る二度と泣かない つもりでいたが遠い霧笛は 空耳だろか俺を呼んでる 望郷波止場 ああ… 霧に迷った 鴎が一羽胸の波間に 今も飛ぶ連れて行ってと 涙ですがる声が聞こえる あの娘(こ)の声が俺を呼んでる 望郷波止場 ああ… 沖の漁灯(いさびり) 命火なのか荒れる吹雪に 見えかくれ夢と希望は 消えずにおくれ力だせよと ソーラ
まつげに小指を 胸にはてのひらを悲しくおさえりゃ しぐれがまた濡らす女がひとりで女がひとりで 生きてく夜道遠くに小さな 夢あかり涙の雨よけ 人情しぐれ傘 よろこび半分 かなしみ半分の生きてるさだめは 誰でもみな同じ汗ならいっぱい汗ならいっぱい 流していいが涙は少しに しましょうよ片袖濡らして 人情しぐれ傘 人生みたいな 細道横丁にいつかはきれいな 虹見る雨あがり心がカゼひきゃ心がカゼひきゃ 背中が寒い
胸に降る 胸に降る 雨ニモマケズ恋の火を 恋の火を 燃やしています口紅を 名前の下に染めてある 手紙をくれた花巻の女(ひと) 星の夜 星の夜 銀河鉄道もしあれば もしあれば 逢いに飛びたい結ばれぬ さだめの糸の切れはしを 小指に巻いた花巻の女 次の世に 次の世に 生まれてきたらめぐり逢い めぐり逢い 夫婦(めおと)にしてね目じるしは 襟足ぼくろみつけてと すがって泣いた花巻の女
俺だって 俺だって夢があるから 歩いてきたよつらい山坂 長い道汗と涙を 拭く手のひらに我慢二文字 にぎりしめ耐えて忍んだ 男の山河 俺だって 俺だって意地があるから 登ってきたぜ冬の峠の 遠まわり早い近道 知ってはいるが遅くなっても しあわせの春が来るだろ 男の山河 俺だって 俺だって傷があるから 痛みがわかる情けかけ橋 この世川旅の苦労の 涙の数で人は大きく なると云う道は遥かな 男の山河
旅の人には きれいな雪景色北の者には 辛い冬寒いからこそ ぬくもり欲しい肩をおまえと 寄せ合って越える 越える人生 風雪峠 穴の空(あ)いてる 手袋息かけて涙ふいてる 指の先雪にふたりの 足あと消され泣いたあの日を 忘れない歩き 歩きつづける 風雪峠 旅の人には 小さな名もない木北の国では 心の木明日はなろうよ ひのきになろう夢の芽を出す あすなろが春を 春を呼んでる 風雪峠
瞼の中の ふるさとは山がある 川がある道があり 橋がある春には白い 花が咲き秋には赤い もみじ散る夢路をたどり 泣くところ 瞼の中の ふるさとは海がある 島がある船があり 岸がある父母兄弟(おやきょうだい)や 友がいる手をふりながら 見送ったあの日のままの 顔もある 瞼の中の ふるさとは空がある 雲がある夕陽あり 月もある遠くにあれば 想うもの涙に濡れて 浮かぶもの変らぬ景色 いつまでも
ふるさとに 祝いごとでもなけりゃ帰れないのかと 山が叱るそばで「おかえり…」と 川が笑う花がどこかで 咲いてるような風の匂いが なつかしいふるさとは ふるさとはふるさとは いいなぁ おみやげは 俺の元気な顔さ友よ学校よ 海の駅よ「みんな ただいま…」と 空に叫ぶ生れ育った みどりの大地親の足跡 残ってるふるさとは ふるさとはふるさとは いいなぁ 兎(うさぎ)追いかけ 小鮒も釣った俺の人生 始発駅ふるさ
おもかげを 深く抱きしめ人の世の 涙集めて名取川 時を運ぶよ雪に咲く 白いこぶしは目立たない 花のこころかみちのくの春浅い 名取川 あの時の 月を浮かべてあのひとの すがた映して名取川 恋を運ぶよ月見草 なにも言わずに宵待ちの つらさ伝えてせせらぎがしのび泣く 名取川 名取川 夢を運ぶよ遡(さかのぼ)る 秋保(あきう)湯の宿虹が立つ 港閖上(みなとゆりあげ)まぼろしの橋架ける 名取川
山は夕焼けサー 野道は小焼けヨー川に木の橋 下駄の音俺が生まれた あの空あたりいつも帰るよ夢で帰るよ あかね雲胸にほろりと ほろりとふるさとしぐれ 俺とあの娘(こ)はサー 野菊を摘んでヨー石の地蔵さん おがんでた丸い小石の 十円玉を二つ供えて両手合わせて ねがいごとそれはないしょの ないしょのふるさとしぐれ 電話しようか 逢いたくなった呼んでいるのか泣いているのか 風が吹く遠いあの娘にあの娘に ふるさ
娘が嫁ぐ 晴れの日にしぐれがなぜか心を濡らし 袖に降るお下髪(さげ)の髪が 高島田育ってくれて ありがとう涙をこらえ娘に贈る感謝状 瞼の裏に 今もなお走っているよ娘の赤い 三輪車畳に座り 泣きながら両手をついて あいさつを言われる前に娘に贈る感謝状 故郷のおやじ おふくろも門出の孫のきれいな姿 みておくれ絆を胸に 花結びこのしあわせを ありがとう女房と俺が娘に贈る感謝状
「ママ…わたしね、おおきくなったらパパのおよめさんになるの」 花嫁姿が 泣きながら花婿姿と そばに来た一人で座った めでたい席に杯二つを 置いてった妻よ 呑もうか おまえと二人うれし涙の 祝いの酒だ おまえの笑顔の この写真上衣(うわぎ)の左の ポケットにハンカチまるめて にぎったこぶし何度もまぶたを ふいている妻よ 見ただろ 三々九度を熱い涙の 固めの酒だ 重たいくらしの 苦労ならいつでもおまえと 分
ふるさと本線 夕焼け列車汽笛がひと声 呼んでいる各駅停車の 旅をして帰ってみたいな あの頃に昭和よ 昭和よ俺の昭和が 遠くなる お下げのあの娘(こ)と 指切りしたらハモニカ小僧が 赤くなるいつまで経っても 初恋はきれいなまんまで いておくれ昭和よ 昭和よ俺の昭和が 恋しいよ ふるさとなまりが 心にしみる親戚みたいな 上野駅下りの列車を おふくろが夕焼け見ながら 待っていた昭和よ 昭和よ俺の昭和に 戻り