男縛るにゃ お金はいらぬ義理のほそ紐 あればよい親に貰うた 五体(からだ)を張って渡る仁侠 修羅の橋行けば戻れぬ なみだ川 こんな街にも 肋骨(あばら)が燃えて肉に火がつく 恋もある縦につないだ よさほい仁義横にからんで しめらせるあの娘おぼこな ネオン花 時はあの娘に 男をつくり消えてゆくだろ 俺の影浮世横目に 盃伏せて迷う両足 踏みかえりゃ背(せな)できこえる 浪花節
ふり返る 空の彼方に待ちわびる 母がいるふり返る 時の彼方に涙ぐむ 女(ひと)がいる数えきれない 出逢いがあって数えきれない 別れがあって歩いた道は 乱れていても足跡は 足跡は 明日へ続く やがてくる 春を信じて別れたね 雪ん中負けないで 生きてゆこうと呼び交わす 空遠く忘れられない 思いがあって拭い切れない 涙があって逢えないままに 季節も変わり足跡は 足跡は 明日へ続く 見渡せば どこもかしこも閉
汗のしずくを こぶしで拭いてひょいと見上げりゃ 夕陽が赤い裸一貫故郷(くに)を出てきた 俺らの胸に何をささやく ひぐれ空 花の咲くまで 便りはせぬが遠い兄貴よ 変わりはないか男一匹泣きたかったら 心で泣けと云った言葉が 身に沁みる ハー 勝てば極楽 負ければ地獄ヨハー ドスコイ ドスコイハー とかく浮世は 罪なとこ負けちゃならぬと 思えども俺もやっぱり 人の子か流れ流れる 浮雲の行方さだめぬ 旅空で遠
「根室(ねむろ)」れないほど 惚れたのにあの娘(こ)の気持ちは「稚内(わっかない)」「納沙布(のさっぷ)」している やつ「襟裳(えりも)」俺じゃ「洞爺(とうや)」とラブレター「札幌(さっぽろ)」返事は「木古内(きこない)」でおやじが「興部(おこつぺ)」「小樽(おたる)」しい 自慢の唄声 聞かせ「摩周(ましゅう)」「美幌(びほろ)」りさせるは お「函館(はこだて)」「空知(そらち)」らないとは 「岩内
旅の落葉が しぐれに濡れて流れ果てない ギター弾きのぞみも夢も はかなく消えて唄もなみだの 渡り鳥 酒にやつれて 未練にやせて男流れの ギター弾きあの日の君も かえらぬものを呼ぶな他国の 夜のかぜ 暗い裏町 酒場の隅がせめてねぐらの ギター弾き灯かげもさみし 螢光燈のかげにしみじみ 独り泣く
包丁一本 晒にまいて旅へ出るのも 板場の修業待ってて こいさん 哀しいだろがああ 若い二人の 想い出にじむ法善寺月も未練な 十三夜 腕をみがいて 浪花に戻りゃ晴れて添われる 仲ではないかお願い こいさん 泣かずにおくれああ いまの私(わて)には 親方はんにすまないが味の暖簾にゃ 刃が立たぬ 意地と恋とを 包丁にかけて両手あわせる 水掛不動さいなら こいさん しばしの別れあゝ 夫婦善哉 想い出横丁法善寺
海はヨー 海はヨーでっかい海はヨー俺を育てた おやじの海だ沖で苦労の シラガも増えて汐のにおいが はだ身にしみたそんなおやじが いとおしい 今はヨー 今はヨー静かな海もヨー一度荒れたら 岩をも砕くシブキ立ちこめ 打ち寄す波に右にてぐすを 左でろこぎつらい漁師に たえて来た 空のヨー 空のヨー入道雲がヨーどこか似ている おやじの顔につらい時には 入道雲をじっとにらんで おやじの苦労想い出しては たえて行
もしも私が 重荷になったらいいの捨てても恨みはしないお願い お願い連れて行ってよ この船であゝ 霧が泣かせる 未練の波止場 たとえ港の花でも 女は女嘘では泣いたりしないお願い お願いひとりぼっちに させないであゝ 風が泣かせる 未練の波止場 なんと云わりょと 私はあきらめ切れぬあなたを離しはしないお願い お願い船に乗せてよ 連れてってあゝ ドラが泣かせる 未練の波止場
磯の鵜の鳥ゃ 日暮れにゃ帰る波浮の港にゃ 夕やけ小やけあすの日和はヤレホンニサ なぎるやら 船もせかれりゃ 出船の支度島の娘たちゃ 御神火ぐらしなじょな心でヤレホンニサ いるのやら 風は潮風 御神火おろし島の娘たちゃ 出船のときにゃ船のともづなヤレホンニサ 泣いて解く
あれを御覧と 指差すかたに利根の流れを ながれ月昔笑うて 眺めた月も今日は今日は 涙の顔で見る 愚痴じゃなけれど 世が世であれば殿の招きの 月見酒男平手と もてはやされて今じゃ今じゃ 浮世を三度笠 もとをただせば 侍そだち腕は自慢の 千葉仕込み何が不足で 大利根ぐらし故郷(くに)じゃ故郷じゃ 妹が待つものを